竹下雅敏氏からの情報です。
注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
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配信元)
X(旧Twitter) 25/4/8
Listened to this speech 12 years ago. Remarkable how things are unfolding almost exactly as Doug Casey predicted. pic.twitter.com/Qq0MwMP4u0
— Michael Ruiz (@sovmindset) April 8, 2025
12年前にこのスピーチを聴きました。ダグ・ケイシーの予測とほぼ正確に事態が進展しているというのは驚くべきことです。
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悪人が語る「トランプ政権下でアメリカに迫る終末的な危機」
転載元)
In Deep 25/5/18
(前略)
アメリカの作家であり投機家であるダグ・ケイシーさんの最新のインタビューをご紹介したいと思います。
(中略)
もともと、ダグ・ケイシーさんは、トランプ氏が大統領選で当選したときは、大きな期待を込めた発言をしていましたし、今年 2月の終わりの時点でも、インタビューで以下のように述べていました。
このように、トランプ氏とイーロン・マスク氏の行いに非常に期待を込めていました。
このインタビューは、以下に全文があります。
・悪人が語る「2025年 通貨と金融の大リセット論」を拝聴してみる
In Deep 2025年2月22日
そのように「アメリカの再生」に大きな期待を抱いていたケイシーさんですが、今や完全に、その期待は消えてしまったようです。
トランプ氏支持だった人々からも同じような人たちの意見も数多く見るようになりました。
このインタビューは、比較的長いですので、そろそろ始めます。
アメリカの作家であり投機家であるダグ・ケイシーさんの最新のインタビューをご紹介したいと思います。
(中略)
もともと、ダグ・ケイシーさんは、トランプ氏が大統領選で当選したときは、大きな期待を込めた発言をしていましたし、今年 2月の終わりの時点でも、インタビューで以下のように述べていました。
2025年2月のインタビューより
今回本当に違うのはトランプ氏だ。どんな理由であれ、彼とイーロンは政府を根本的に改革しており、アメリカの下降軌道を変えるかもしれない。少なくとも彼らは滑りやすい坂道に砂を投げかけている。
私は、イーロンの大量解雇、政府機関の解体、そして数千億ドルの予算削減を全面的に支持する。
…DOGE (政府効率化省)が行っている削減は目を見張るほど素晴らしい。
今回本当に違うのはトランプ氏だ。どんな理由であれ、彼とイーロンは政府を根本的に改革しており、アメリカの下降軌道を変えるかもしれない。少なくとも彼らは滑りやすい坂道に砂を投げかけている。
私は、イーロンの大量解雇、政府機関の解体、そして数千億ドルの予算削減を全面的に支持する。
…DOGE (政府効率化省)が行っている削減は目を見張るほど素晴らしい。
このように、トランプ氏とイーロン・マスク氏の行いに非常に期待を込めていました。
このインタビューは、以下に全文があります。
・悪人が語る「2025年 通貨と金融の大リセット論」を拝聴してみる
In Deep 2025年2月22日
そのように「アメリカの再生」に大きな期待を抱いていたケイシーさんですが、今や完全に、その期待は消えてしまったようです。
トランプ氏支持だった人々からも同じような人たちの意見も数多く見るようになりました。
このインタビューは、比較的長いですので、そろそろ始めます。
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ダグ・ケイシーがDOGE、財政赤字、そして迫りくる金融大変動について語る
Doug Casey on DOGE, Deficits, and the Coming Financial Earthquake
internationalman.com
聞き手:選挙期間中にイーロン・マスク氏らが政府効率化省(DOGE)に関して行った主張について、あなたはどうお考えになっていますか。また、それ以降、彼らが実際に達成した進歩をどのように評価しますか。
ダグ・ケイシー:悲観的な響きに聞こえるのは嫌だが、DOGE のアイデアは素晴らしいものだった。しかし、進展はあまり見られない。
マスク氏は当初、予算を 2兆ドル (約 290兆円)削減できると考えていた。彼がそう言ったのも無理はない。これは非常に妥当な見積もりだ。しかし、抵抗の深さに気づいた彼は、それを 1兆ドル (145兆円)にまで減らした。そして今では 1500億ドル (22兆円)にまで下がっているが、おそらくそれさえも実現できないだろう。
なぜ失敗しているのか? 理由の一つは、議会が支出の大部分と、それを実行する数百もの機関を法制化し、義務付けているためだ。トランプ大統領はそれらを廃止することはできない。
議会がこれらのプログラムや機関を廃止しなければならない。DOGE にできるのは勧告を出すことだけだ。
USAID (アメリカ国際開発庁)の建物が閉鎖されたのは事実だが、どうやら多くの職員やプログラムが国務省や他の部署に異動になっただけのようだ。教育省の廃止については、何の進展もない。
(中略)
今後、根本的な変化はあるだろうか? それはまずありそうにない。
なぜなら、これまで何度も言ってきたように、トランプ氏には哲学的な軸がないからだ。また、彼の関税計画が示すように、経済に対する理解も皆無だ。
彼の計画は完全に失敗するだろうし、ひょっとすると大恐慌を引き起こすきっかけになるかもしれない。彼は行き当たりばったりで動いている。
(中略)
例えば、ウクライナを例に挙げてみよう。ゼレンスキー大統領は億万長者になり、彼の取り巻きたちも皆億万長者になったが、戦闘は今も続いている。なぜだろうか? それは、アメリカが依然としてウクライナに資金と物資を送っているからだ。
残念ながら、大規模な削減は大げさな話で、現実味を帯びていない。
(中略)
マスク氏は、司法省に付託すべき、甚だしい浪費、詐欺、不正行為の事例を数千件発見したと述べている。しかし、それは司法省の手に負える量をはるかに超えている。
マスク氏が語ったような件で(何らかの個人や組織が)起訴されたというニュースはこれまであっただろうか? まったくない。私は本当にがっかりしている。何百もの首が杭に刺されるのを見たいところだが、電気がついている間は、害虫のように隠れているだけであるようだ。
聞き手: DOGE が提案した削減は、政府支出の真の恒久的な削減につながると思いますか? それとも、ワシントンが防衛などの分野に再配分するための資金を解放するだけでしょうか。
ダグ・ケイシー:あらゆる明白な問題が放置されている。例えば、アメリカが世界中の外国政府に 500億ドル (7兆3000億円)を供与しているという底なしの汚職の沼。これは決して変わらない。イスラエルに毎年 40億ドル (5800億円)を供与していることも、エジプトにイスラエルの親友になるために毎年 40億ドルを賄賂として供与していることも、決して変わらない。
DOGE の真の進歩を阻む要因の一つは、ディープステート全般、特に近衛機関からの微妙な脅威だ。NSA (国家安全保障局)はあらゆる人物の情報を全て把握している。
(中略)
エプスタイン事件を見ればわかるだろう。エプスタインが何をしていたのか、誰と何をしていたのか、私たちは知るはずだった。しかし、有罪ではあるものの、人脈の広い人物を守るため、すべてが徹底的に隠蔽されているままだ。エリート層は常に互いを守るために結束を強めている。
(中略)
最大の望みは --- 可能性は低いが --- トランプ氏が「殺すか殺されるか」という状況に気づき、権力の座にいる間に彼らを徹底的に壊滅させようとすることだ。そうなれば内戦を招くことになるだろうが --- 彼には他に現実的な選択肢はない。
聞き手:DOGE は数世代にわたる政府支出削減の最も重要な試みですが、失敗した場合の影響はどのようなものでしょうか?
ダグ・ケイシー:経済は危機に瀕しており、関税が経済混乱を引き起こしているため、民主党は 2028年に再選される可能性がある。実際、彼らは中間選挙で勝利する可能性さえあり、そうなればトランプ大統領のあらゆる努力は確実に失敗するだろう。
民主党が政権を奪還すれば、大恐慌を回避しようと歳出を倍増させ、問題を数年先送りするだろう。そして、彼らはアメリカ国民の支持を得ることになるだろう。
(中略)
聞き手:米国の債務危機が深刻化する中、個人は資産を守るためにどのような措置を講じるべきでしょうか。また、この混乱からどのような投機の機会が生まれるとお考えですか。
ダグ・ケイシー:たとえ大規模な戦争を回避できたとしても、何十年にもわたって続いてきた傾向はそのまま進み、自らの重みで混乱全体が崩壊するまで加速し続けるのではないかと心配している。
(中略)
私たちが抱える財政、経済、政治、そして社会問題は、国の分裂へと繋がっている。そのため、グリーンランド、パナマ運河地帯、そして、カナダといった、莫大な費用をかけて獲得した領有権によってアメリカが大きくなるどころか、アメリカはむしろ小さくなる可能性が高い。
できることは、自分自身を守ることだけだ。
そのためには、資金を安全に国外に分散投資し、金、銀、ビットコインで大きなポジションを築き続けることだ。その過程で、いくつかの投機が成功することを願うばかりだ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
ここまでです。
結局、DOGE というものが持つ権力は「勧告することだけ」のようで、議会が決定しなければ、何もなされないようです。
あるいは、トランプ氏が以前、言っていた「悪人どもを逮捕する」件についても、「 1人も逮捕されていない」のが現実です。
公開するとされていたファイル(エプスタイン事件など)も、まったく話がなかったかのように何も進んでいません。
予算は削減どころか、軍事予算を中心に、むしろ膨れ上がり続けています。
これが現実です。
それでも、アメリカの半数近くの人々が、今なおトランプ氏を熱狂的に支持しています。物事の実相に気づくのは、アメリカが完全に崩壊したときだけなのかもしれません。
ダグ・ケイシーがDOGE、財政赤字、そして迫りくる金融大変動について語る
Doug Casey on DOGE, Deficits, and the Coming Financial Earthquake
internationalman.com

聞き手:選挙期間中にイーロン・マスク氏らが政府効率化省(DOGE)に関して行った主張について、あなたはどうお考えになっていますか。また、それ以降、彼らが実際に達成した進歩をどのように評価しますか。
ダグ・ケイシー:悲観的な響きに聞こえるのは嫌だが、DOGE のアイデアは素晴らしいものだった。しかし、進展はあまり見られない。
マスク氏は当初、予算を 2兆ドル (約 290兆円)削減できると考えていた。彼がそう言ったのも無理はない。これは非常に妥当な見積もりだ。しかし、抵抗の深さに気づいた彼は、それを 1兆ドル (145兆円)にまで減らした。そして今では 1500億ドル (22兆円)にまで下がっているが、おそらくそれさえも実現できないだろう。
なぜ失敗しているのか? 理由の一つは、議会が支出の大部分と、それを実行する数百もの機関を法制化し、義務付けているためだ。トランプ大統領はそれらを廃止することはできない。
議会がこれらのプログラムや機関を廃止しなければならない。DOGE にできるのは勧告を出すことだけだ。
USAID (アメリカ国際開発庁)の建物が閉鎖されたのは事実だが、どうやら多くの職員やプログラムが国務省や他の部署に異動になっただけのようだ。教育省の廃止については、何の進展もない。
(中略)
今後、根本的な変化はあるだろうか? それはまずありそうにない。
なぜなら、これまで何度も言ってきたように、トランプ氏には哲学的な軸がないからだ。また、彼の関税計画が示すように、経済に対する理解も皆無だ。
彼の計画は完全に失敗するだろうし、ひょっとすると大恐慌を引き起こすきっかけになるかもしれない。彼は行き当たりばったりで動いている。
(中略)
例えば、ウクライナを例に挙げてみよう。ゼレンスキー大統領は億万長者になり、彼の取り巻きたちも皆億万長者になったが、戦闘は今も続いている。なぜだろうか? それは、アメリカが依然としてウクライナに資金と物資を送っているからだ。
残念ながら、大規模な削減は大げさな話で、現実味を帯びていない。
(中略)
マスク氏は、司法省に付託すべき、甚だしい浪費、詐欺、不正行為の事例を数千件発見したと述べている。しかし、それは司法省の手に負える量をはるかに超えている。
マスク氏が語ったような件で(何らかの個人や組織が)起訴されたというニュースはこれまであっただろうか? まったくない。私は本当にがっかりしている。何百もの首が杭に刺されるのを見たいところだが、電気がついている間は、害虫のように隠れているだけであるようだ。
聞き手: DOGE が提案した削減は、政府支出の真の恒久的な削減につながると思いますか? それとも、ワシントンが防衛などの分野に再配分するための資金を解放するだけでしょうか。
ダグ・ケイシー:あらゆる明白な問題が放置されている。例えば、アメリカが世界中の外国政府に 500億ドル (7兆3000億円)を供与しているという底なしの汚職の沼。これは決して変わらない。イスラエルに毎年 40億ドル (5800億円)を供与していることも、エジプトにイスラエルの親友になるために毎年 40億ドルを賄賂として供与していることも、決して変わらない。
DOGE の真の進歩を阻む要因の一つは、ディープステート全般、特に近衛機関からの微妙な脅威だ。NSA (国家安全保障局)はあらゆる人物の情報を全て把握している。
(中略)
エプスタイン事件を見ればわかるだろう。エプスタインが何をしていたのか、誰と何をしていたのか、私たちは知るはずだった。しかし、有罪ではあるものの、人脈の広い人物を守るため、すべてが徹底的に隠蔽されているままだ。エリート層は常に互いを守るために結束を強めている。
(中略)
最大の望みは --- 可能性は低いが --- トランプ氏が「殺すか殺されるか」という状況に気づき、権力の座にいる間に彼らを徹底的に壊滅させようとすることだ。そうなれば内戦を招くことになるだろうが --- 彼には他に現実的な選択肢はない。
聞き手:DOGE は数世代にわたる政府支出削減の最も重要な試みですが、失敗した場合の影響はどのようなものでしょうか?
ダグ・ケイシー:経済は危機に瀕しており、関税が経済混乱を引き起こしているため、民主党は 2028年に再選される可能性がある。実際、彼らは中間選挙で勝利する可能性さえあり、そうなればトランプ大統領のあらゆる努力は確実に失敗するだろう。
民主党が政権を奪還すれば、大恐慌を回避しようと歳出を倍増させ、問題を数年先送りするだろう。そして、彼らはアメリカ国民の支持を得ることになるだろう。
(中略)
聞き手:米国の債務危機が深刻化する中、個人は資産を守るためにどのような措置を講じるべきでしょうか。また、この混乱からどのような投機の機会が生まれるとお考えですか。
ダグ・ケイシー:たとえ大規模な戦争を回避できたとしても、何十年にもわたって続いてきた傾向はそのまま進み、自らの重みで混乱全体が崩壊するまで加速し続けるのではないかと心配している。
(中略)
私たちが抱える財政、経済、政治、そして社会問題は、国の分裂へと繋がっている。そのため、グリーンランド、パナマ運河地帯、そして、カナダといった、莫大な費用をかけて獲得した領有権によってアメリカが大きくなるどころか、アメリカはむしろ小さくなる可能性が高い。
できることは、自分自身を守ることだけだ。
そのためには、資金を安全に国外に分散投資し、金、銀、ビットコインで大きなポジションを築き続けることだ。その過程で、いくつかの投機が成功することを願うばかりだ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
ここまでです。
結局、DOGE というものが持つ権力は「勧告することだけ」のようで、議会が決定しなければ、何もなされないようです。
あるいは、トランプ氏が以前、言っていた「悪人どもを逮捕する」件についても、「 1人も逮捕されていない」のが現実です。
公開するとされていたファイル(エプスタイン事件など)も、まったく話がなかったかのように何も進んでいません。
予算は削減どころか、軍事予算を中心に、むしろ膨れ上がり続けています。
これが現実です。
それでも、アメリカの半数近くの人々が、今なおトランプ氏を熱狂的に支持しています。物事の実相に気づくのは、アメリカが完全に崩壊したときだけなのかもしれません。
In Deepさんの記事によれば、ダグ・ケイシー氏はトランプ大統領とイーロン・マスクの政府効率化省(DOGE)に非常に期待していたが、“今や完全に、その期待は消えてしまった”らしく、インタビューでは「迫りくる金融大変動」について語っています。
ダグ・ケイシー氏は、“マスク氏は当初、予算を2兆ドル(約290兆円)削減できると考えていた。…そして今では1500億ドル(22兆円)にまで下がっているが、おそらくそれさえも実現できないだろう”と言っています。
今後、根本的な変化は期待できそうもない。なぜなら、「トランプ氏には哲学的な軸がないからだ。また、彼の関税計画が示すように、経済に対する理解も皆無だ。彼の計画は完全に失敗するだろうし、ひょっとすると大恐慌を引き起こすきっかけになるかもしれない。」と言っています。
ただ、これまでの言動を見ている限り、トランプ大統領は大恐慌を意図的に引き起こすつもりではないかという気がします。もちろん、トランプ関税の際に見たように、自分の仲間は株価が大混乱に陥る中でもキッチリと大儲けをしていました。大恐慌の際には、どれだけのもうけを想定しているのでしょうか。
それはともかく、トランプ大統領としてはFRBに金利を下げさせたい。低金利での債権の借り換えをおこない、デジタル通貨を準備金に加えたい。これらを実現するには大恐慌が必要だと考えているように思えます。
こうした事を含めて、「恐らく失敗するだろう」という感じがします。そして、その責任を誰も取らないだろうと確信できるからこそ、恐ろしいわけです。