ままぴよ日記 137 「暮らしの中に畑仕事と遊びと備蓄」

 10月は冒険広場、11月は味噌づくり、その2週間後に玉ねぎ植え・・・と忙しい秋です。年を重ねるたびに新しい子育て家族が入ってくるので大きな家族のようになりました。
 そこには当然、0歳の赤ちゃんも83歳の高齢者もいます。子ども達は色々な大人に見守られて遊びます。仕事も遊び感覚で覚えます。高齢者は頼られる喜びと、小さな子ども達が遊んでいる姿を見て元気になります。もちろん親も大助かりです。

 だからやめられないのです。人生、食べる事と遊ぶことは大事だなあ~とつくづく思います。
(かんなまま)
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今日は玉ねぎ植えの日


稲刈りが終わった畑は広々として空が高く見えます。

今日は子育て家族の玉ねぎ植えの日。晴天に恵まれて清々しい朝です。集まってきた車からは長靴、帽子、軍手を装備した子ども達が飛び出してきます。


親はシート、鍋、薪など畑作業と言うよりキャンプのような荷物をもって畑に向かいます。今年で18年目を迎える「わんぱく農園」です。

毎年、11月に1家族400本の玉ねぎを植えて、2月に1年分のジャガイモを植えます。途中、草抜きをしながら5月に収穫です。


30年来、無農薬でお米を作ってくださっている農家さんと知り合って「子ども達と玉ねぎやジャガイモを植えたいので畑を貸してもらえませんか?」と相談したのが始まりです。

安全な食べ物を自分達で作りたい。備蓄したい。農作業しながら子どもを畑で遊ばせたい。という思いからです。結果は快諾どころか無償で畑を貸して土づくりまでしてくださっています。

18年間続けているので、当時赤ちゃんだった子ども達が青年になり手際よく手伝ってくれます。毎年参加する家族が増えて今年は24家族です。


名も無い遊びを楽しむ子ども達


大人が畝を作っている間、小さな子ども達は稲刈りや大豆の収穫が終わった田んぼで走り回っています。稲わらが落ちてフカフカしている土が面白いのでしょう。そして名も無い遊びが始まります。

「畑の大豆を集めて遊ぶ」

異年齢一緒に遊ぶのでお兄さんたちがダイナミックな遊びを教えてくれます。落ちたお米を拾ったり、稲の切り株をボールに見立てて野球をしたり、砦を作って落とし穴を作ったり。肥料にするもみ殻の山にもぐって頭からつま先までもみ殻まみれになります。

「もみ殻で遊ぶ子ども達」


「だるまさんがころんだ!」

「砦つくり。この後落とし穴へと展開します」



皆で補い合う農作業


でも玉ねぎを植える時になったらちゃんと手伝ってくれます。

「ドラム缶で畑を均します」


「割りばしで玉ねぎ植え」

畑に火を起こして大鍋で団子汁も作ります。火起こしも火の番も子ども達が興味津々で挑戦してくれます。風が強い日は火が起こらないし、風が回るので煙が目に沁みます。逆に晴天の日は炎が見えないので怖いです。


各自で具材を持ってきて一緒に煮ます。団子は小麦粉をこねて作ります。子ども達の大好きな作業です。小さな手で団子を作って落とします。時間がかかりますが皆は農作業をしているし、時間はたっぷりあります。


味噌は毎年味噌づくりもしているので手前味噌です。これも同じ時期に始めたので19年間続いています。

公民館を借りて本格的に作ります。味噌甕に仕込んで1年分作りますが、当時おんぶされていた赤ちゃんがお姉さんになってお世話をしてくれます。新しく参加した小さな子ども達は味噌を踏んで手伝ってくれます。


味噌玉を作って甕に仕込みます。

絶賛反抗期の息子が付いてくるのが面白い。味噌づくりは力仕事だとわかっているのでしょう、無言で黙々働いてくれます(笑)。横で私達が「頼もしくなったねえ」「助かるわあ」と応援するのでまんざらでもないようです。今年は皆で26甕作りました。

そんな団子汁なので、日頃、好き嫌いをする子ども達も5杯もお代わりをして親を驚かせます。畑で食べる団子汁は格別なのでしょう。

畑仕事は素人の子育て中の家族には無理です。苗の買い付け、土づくり、畝つくりなどの作業工程もわからないし、重労働です。植え付けの日を決めていても天候によって変更もあります。子どもが熱を出したとか、他の行事と重なったなどの用事で参加できない人もいます。でも、皆で補い合えば作れます。

植えた後も、温かくなると草との戦いです。でも草引きをした畑で夕日を眺めながらコーヒーを飲むのは最高です。時々カラスが遊んで苗を取ることがありますので案山子も登場します。



良好な関係が広がっている


毎年、苗購入、会計、団子汁、収穫祭の係を決めてベテランと新米さんを同じチームにして教え合います。人が人を紹介して増えていくので元々友達同士です。遠慮しないでSOSを言える関係ができています。

始めは私がなんでもお世話をしていました。でも、話し合いを重ねて今の形になっていきました。私達も老夫婦になり、20年前に比べたら体の動きも、疲れ具合も違います。最近は皆に労わられてありがたいです。

特に小さな子ども達が畑で遊んでいる姿や大人の真似をして働く姿を見ているだけで愛おしくなります。夫は懐いてくれている女の子をずっと抱っこしています。最高の癒しです。

畑を無償で貸してくださっている農家さんも毎年楽しみにしてくださっています。無農薬、無化学肥料の土づくりは大変です。初めは虫や雑草が増えて収量が落ちたり、周りの人から迷惑がられたりしたそうですが根気よく続けているうちに地力が出て、今では病気や風害にも負けないおいしいお米が採れています。収量も増えたそうです。

そして、農協には下ろさずに私達にお米を分けてくださっています。枝豆も麦茶用の麦も分けてもらっています。ママ達も安全なお米が安く手に入るのでとても助かっています。スーパーで白米を5キロ単位で買っていたママ達がいきなり60キロの玄米を買って戸惑いますが(笑)。

小さなマンションに玉ねぎ、ジャガイモ、玄米、味噌甕をドーンと保管しなければいけません。暮らし方が変わったけれど食べ物があると豊かな気持ちになります。防災力、生活力も付いたように感じます。

この流れが周りの農家さんにも広がって、今では高齢者になった人が自分の田んぼの管理を託されるようになりました。その畑を使って1人ではできなくなった野菜作りを地域の人と助け合って作るような農園も始まりました。


収穫の喜び


これから冬に向かい、2月の風の冷たい日にじゃがいもを植えます。まず種芋切り。ジャガイモの芽を1つか2つ残して芋を切り分けます。畝を高く盛り上げて一つずつ植えるのですが5月になると畑の中から芋がゴロゴロ出てくるので感動です。

「豊作!」

玉ねぎもジャガイモも子ども達が収穫しやすくて、どんな料理にも使えるし、長期保存も可能なので重宝しています。


玉ねぎの収穫は小さい子どもでもできます!

そして、夏休みに、農家さんを招待して収穫祭をします。各自玉ねぎとジャガイモの料理を持ち寄ります。

「玉ねぎの葉っぱの料理」

様々な料理がテーブルに並んで楽しくいただきます。子ども達はすっかり仲良くなって遊んでいます。スマホやゲームをする子がいないのは不思議です。


これからの時代、災害や人災も増えていくかもしれません。でも、目の前の子ども達や私たちの暮らしを守るために、武器ではなく鍬をもって畑を耕し続けたいと思っています。


 「ジャガイモの花」


Writer

かんなまま様プロフィール

かんなまま

男女女男の4人の子育てを終わり、そのうち3人が海外で暮らしている。孫は9人。
今は夫と愛犬とで静かに暮らしているが週末に孫が遊びに来る+義理母の介護の日々。
仕事は目の前の暮らし全て。でも、いつの間にか専業主婦のキャリアを活かしてベビーマッサージを教えたり、子育て支援をしたり、学校や行政の子育てや教育施策に参画するようになった。

趣味は夫曰く「備蓄とマントラ」(笑)
体癖 2-5
月のヴァータ
年を重ねて人生一巡りを過ぎてしまった。
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