[ロシアの声]絶体絶命のキエフ政権:ロシア・ウクライナ首脳交渉、ヌーランドとの会談、米国准将の発言

竹下雅敏氏からの情報です。
 記事を下から順に見ていくとわかりやすい。10月6日のポロシェンコとヌーランドの会談では、ポロシェンコが望む経済支援を得られなかったようです。ウクライナ東部・南部の制圧に失敗したキエフ政権に渡す金は無いということでしょう。
 2つ目の記事によれば、米国はウクライナの国家親衛隊員を養成するつもりだということで、この発言をしたマクニーリー将軍は欧州駐留米軍司令部機動グループの責任者とのこと。要するに、ウクライナのナチス化は米国の要請だということです。
 最初の記事は、キエフ政権の生き残りのためにはロシアのガスが不可欠、しかしポロシェンコ大統領はロシアへの宣戦を要求するナショナリストらから多大な圧力を受けているということで、実質的に圧力をかけているのはネオコンでしょう。
 要するにウクライナとしては、動きが取れない状況にあるわけです。これまで何度か、キエフ政権は絶体絶命だと表現して来ましたが、ますますそのことがはっきりして来たと思います。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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ウクライナ問題交渉、突破口はなし、だが進展はあり
転載元より抜粋)
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© Photo: AP/Daniel Dal Zennaro, POOL


プーチン大統領は、ミラノにおけるウクライナ危機についての交渉を「良いものだった」と性格づけた。今週、最も重要な出来事は、ミラノでのアジア欧州会議(ASEM)サミットのフィールドで成立したロシア・ウクライナ首脳交渉だった。これは数段階におよび、欧州主導国の首脳らが参加し、また1対1の会談など様々な構成人員によって実施された。

ミラノでの交渉の進展が限定されたものであった理由は、どうやらウクライナのポロシェンコ大統領のゆらいだ立場にあるようだ。一方では議会選挙を目前に控え、ポロシェンコ大統領は暖房シーズン開始のこの時期に自国にガス供給を保証せねばならない。その一方でポロシェンコ大統領は、ロシアへの宣戦を要求せんばかりの右派、ナショナリストらから多大な圧力を受けている。国際経済金融大学のアレクセイ・ベリャニン助教授はこれについて、実際はキエフ当局にとってはロシアとの正常な関係がウクライナ国家存続の重要な条件のひとつとなっているとの見方を示し、次のように語っている。

「当然ながら、ロシアとのなんらかの賢い妥協の道を探ることが今、キエフ政権には生き残りをかけて必要だ。客観的な状況がこうである以上、あらゆるレトリックからして、今のウクライナはロシアとの正常な関係なしには存在できないことを、キエフは分からないはずはないからだ。」

ガス交渉も成功はしなかった。キエフ側は先払いでのガス購入を退け、ロシアは先払いなしに債務履行が危うい国へのガス供給の再開を行うことを断ったからだ。ミラノの記者会見でプーチン大統領は、ロシアはウクライナに対し、これ以上付けでのガス供給は行わないと断言している。ガス問題については10月21日のブリュッセルでの交渉に引き継がれる。ウクライナのためにはやはり妥協的な解決にむかうほうがいい。かりにウクライナがロシア産ガスを受け取れないとなると、この先1ヶ月後にはウクライナ情勢は再び緊張化することは否めない。
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ウクライナ内務相の名をかたり ロシア人が電話で米国将軍の本音聞き出す
転載元より抜粋)
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Photo: SXC.hu


いたずら電話の「名手」として「ヴォヴァン」の通称で有名なロシア人が、米国のケヴィン・マクニーリー将軍を、いっぱい食わせることに成功した。LifeNewsによれば「ヴォヴァン」は、将軍に電話し「自分はウクライナのアヴァコフ内相である」と名乗った。

会話は30分ほど続き、その中で将軍は「米国が今後、ウクライナの為に国家親衛隊員を養成する事」を認めたという。

米国防総省の専門家が、国家親衛隊戦闘員の養成を援助する用意はあるのかとの問いに対して、将軍は肯定的に応じ、彼の言葉によれば「そうしたメカニズムは存在しないが、我々は設備や技術を送り、我々のインストラクターを派遣する事ができる」と答えた。将軍によれば「米国防総省は、国家親衛隊の4つの中隊と、大隊の1つの司令部に装備を供給する用意がある」

LifeNewsの報道では、マクニーリー将軍は、正確には准将で、欧州駐留米軍司令部機動グループの責任者とのことだ。
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ウクライナと米国、隔たる地位どうしの会談
転載元より抜粋)
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© Photo: East News/AP Photo/Mikhail Palinchak


ウクライナのポロシェンコ大統領は10月6日、キエフでヌーランド米国務次官補と会談を行った。政治的な地位が異なる両者だが、ここでもウクライナ大統領は米国務次官補に再三の金融支援を求め、東部で実施されている和平調整の経過について報告書を提出している。

ウクライナ大統領の公式サイトではツィッターに議事録の写真が掲載された。写真にはポロシェンコ、ヌーランド両者が深刻な顔つきをして向かい合う、厳粛な雰囲気が表れている。ところがなぜか、一国の大統領たる人物が他国の一外務次官と会談を行うことに、驚く者は誰もいない。

国家戦略研究所のミハイル・レミゾフ所長はこの会談についてコメントしたなかで、資金がどうしても必要な際は、議事録の遵守は行われないとして、次のように語っている。

ポロシェンコ大統領は自分と米国との関係をこうしたレベルで捉えているため、外務次官との会談も可能となったのだろう。しかもこの会談は私的なものではなく、十分に公式的なものだ。これは自らを尊重する国どうしの外交実践にはそぐわない。だがポロシェンコ大統領は米国、EUの立場に完全に依存しているのみならず、ことある毎に双方へ従属する地位にあることを強調している。ポロシェンコ大統領は多くの場面でグルジアのサアカシヴィリ元大統領の行動パターンを繰り返し、サアカシヴィリが受け取ったのと同額の経済支援を得たいと期待している。

ポロシェンコ大統領は米国との会談が開かれるたびに資金の無心をおこなっているが、今のところさしたる効果は現れていない。最後に行われたオバマ大統領への訪問も失敗に終わった。オバマ大統領は追加支援の拠出の代わりに、それまで計画されていたウクライナ改革への米国金融額を11分の1にカットした。つまりもらえるはずの5億5千万ドルがたったの4600万ドルぽっちに減ってしまったのだ。ヌーランド国務次官補に関して言えば、お約束はウクライナの改革努力に協力する姿勢を表したに留まった。

国際最新国家研究所のアレクセイ・マルティノフ所長は、ヌーランド国務次官補が訪問したからといって、今までもウクライナの資金繰りがよくなったためしはなかったとして、次のように語っている。

「米国はポロシェンコに対して、彼が現実的に米国外交政策に占めている場所を示している。ヌーランド国務次官補は当初からウクライナ・プロジェクトを編んできた。彼女がクッキーを配りまくった経緯を思い出してほしい。今回、米国はウクライナに重要な支援をする気はないことは明白だ。

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