[JoshPalerLin]ホームレスは100ドルをどう使うか?

翻訳チームからの情報です。
 竹下氏からの提案で、動画を翻訳して字幕を入れました。
 非正規雇用が増えるいっぽうの今の御時世。毎年年末になると雇用調整で離職させられ、路頭に迷う労働者が後を絶たないと言われています。非正規雇用でなくとも、ちょっとしたことがきっかけで、日本人もいつでもホームレスになり得る時代だと思います。一歩先をゆくアメリカの現実は他人事ではありません。
 今回登場するホームレス男性のトーマス氏も普通のアメリカ人だったのですが、誰にでもあり得る境遇に陥り、ホームレスになってしまいました。さて、そんなトーマス氏が100ドルを手にした後、どんな行動をとり、何を語るか、是非ご覧ください。
(編集長)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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ホームレスは100ドルをどう使うか?
転載元より翻訳)

ジョシュ:みんなホームレスに金をあげるけど、どう使われてるか気になったことあるかな。今日はホームレスに100ドル渡して、後をつけて、どう使うか見てみようと思います。

<高速道路の入り口で、「ホームレス」と書かれた、段ボールのメッセージボード(残りは文字がぼやけて判別し辛いが、おそらく「助けてください、ありがとう」)を掲げている男性に駆け寄る>

1

ジョシュ:ちっす!
トーマス:やあ、どうですか?

ジョシュ:いいですよ、そっちは?
トーマス:まあまあかな。

ジョシュ:ジョシュ、です。
トーマス:トーマス、です。

ジョシュ:はじめまして。
トーマス:あ、はい。なんとか食べる物を買えたらいいなと思っているんですが…

ジョシュ:俺、人々にお返ししたいと思ってまして。
トーマス:へえ?

ジョシュ:そんなに多くはないんだけど…
トーマス:ほんの少しでもありがたいです…って、ええっ!

1-1

ジョシュ:100ドルあります。
トーマス:いやいや、そんな!

ジョシュ:ええ、あげます。もうお宅のです。できれば…
トーマス:うわ!こんな…いや…ホントに…確かなんですか?

ジョシュ:ええ、そっす。どうぞ、あげます!
トーマス:目がうるんできました!

1-2

ジョシュ:いいんです。大丈夫です。

トーマス:信じられない…今まで一度たりとも…あの是非…(ハグして)いいですか?
ジョシュ:もちろん、OKっす、当然。

1-3

トーマス:こ、こんなご親切、生まれて初めてです!
ジョシュ:会えて良かったです。その金、有効に使ってください。

トーマス:そうします、必ず!
ジョシュ:良かった、じゃあ!


<青年が立ち去った後、荷物を抱えて移動するトーマス。Liquor Market(酒も販売するスーパー)に入って行く>

1-4

1:28 
ジョシュ:撮影し続けろよ。見られないように気をつけてな。
(店から)出てきた。何持ってるんだ?
友人:酒じゃね?

1-5

ジョシュ:やば、道路渡って来る!隠れろ、隠れろ!追いかけるんだ!

<トーマスは買い物袋を持って公園に行き、そこにたむろする人々に次々と食糧を手渡し始める>

1-6

2:15 
友人:すげぇ…食べ物配ってるよ。
ジョシュ:行って話してくるわ。

2:29 
トーマス:(子供に)ポテトチップス欲しいかい?
公園にいる家族:あら、この子にまで!ありがとうございます。

1-8

ジョシュ:やあ!
トーマス:おや、どうしてここに?
ジョシュ:実はその…こっち来てもらえます?話したいことが。

トーマス:(家族に)皆さん、ハッピー・ホリデーズ!
公園にいる家族:ありがとうございます!

ジョシュ:ずーっと後をつけてたんです。
トーマス:そうだったんですか?

ジョシュ:金を渡してから…えっと、あそこに…カメラマンがほらそこに。カメラ見えます?
トーマス:あー、確かに…。

1-7

ジョシュ:あの人たち、顔見知りなんですか?
トーマス:いえ。

ジョシュ:俺、謝らないといけないと思って。さっき酒屋に入りましたよね?
トーマス:ああそうか、私が酒浸りにでもなると思ったんですね?

ジョシュ:アルコールとか買うのかと思い込んじゃって…
トーマス:まあねぇ。でも世の中にはお金では買えないものがありますから。それに、こうすることで自分が幸せになれるんです。え?いえ、そんな!

<グッチの財布から、100ドル分のお札を取り出すジョシュ>

ジョシュ:どうぞ。
トーマス:大丈夫ですから。

ジョシュ:いや、感動しました。もう100ドルあります。持っててください。
トーマス:びっくりしました!

ジョシュ:俺がびっくりしました。何が驚きって…
トーマス:なんて御礼を言ったらいいのか…普段はもっとおしゃべりなんですが。

ジョシュ:あの、どうして、その…今の境遇に?

1-9

トーマス:これまでは、両親と暮らしていたんです。義理の父が癌になって、医療給付も受けたけど一部だけで、保険はちょっとしか適用されないし。私は傍にいないといけなくて、仕事を辞めました。で、父が亡くなって、その2週間後に、今度は母が腎不全で亡くなって。両親の住んでたアパートは売りに出されて、そしたら突然、ホームレスになってしまったんです。4ヵ月前のことです。
沢山の人々が、運命の歯車が狂って、同じような目に遭ってます。でもホームレスになったのは、みんながダメなせいじゃない、分ります?

ジョシュ:さぼったり、薬物中毒だったりじゃなくて…

トーマス:いいえ。例えば離婚だったり、そこから雪だるま式におかしくなって行って、ボートを売り、家を売り、色々手放して、そして突然、自分が無一文だってなるんです。
でも…ホームレスになっている人の中には沢山、善良な人たちがいるんです。(だから)もし善行を行い続けていたら、不思議な巡り合わせで、善良な人たちに出会えるし、ほんとにそれだけなんです。人生、時として違う道を歩くことがあるっていうか、上手く言えないのですが。良かったです、また貴方に会えて。

1-10

<ジョシュとハグした後、トーマスは再び荷物を抱えて公園を去って行く>

ジョシュ:こういう展開になるとはね、驚いた!

翻訳:Yutika

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