竹下雅敏氏からの情報です。
注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
————————————————————————
労働時間「異次元緩和」でブラック企業大喜び
社員は「定額使い放題」へ
どうやら、安倍政権はブラック企業の味方のようだ。その証拠に、6月にまとめる成長戦略に「労働時間の規制緩和」(ホワイトカラー・エグゼンプション)が盛り込まれようとしている。規制緩和というと聞こえはいいが、過去には「残業代ゼロ法案」「過労死促進策」と批判を浴びたシロモノだ。過去2度も導入に失敗したのに、またぞろ議論の俎上(そじょう)に載せたのである。
懲りない安倍に、ブラック企業の経営者はニンマリだろう。社員をモノ扱いしている企業が増えているが、政府はそんな実態を黙認どころか、「お墨付き」を与えることになるからだ。
「制度の趣旨は、実際に働いた時間と賃金の関係を切り離すもので、『裁量労働制』よりもさらに徹底して正社員を深夜・休日の割増賃金の支払い対象から外すことです。実現すれば、ブラック企業の経営者にとって、社員はますます『定額使い放題』になる。社員には『無限サービス残業地獄』が待っています」(「ブラック企業」の著者で、労働相談を行うNPO法人POSSEの今野晴貴代表)
しかも政府の産業競争力会議は、裁量労働制導入のハードルまで下げようと企んでいる。現行の「労使委での5分の4以上の賛成」や「半年に1度、対象者の健康状態を労基署へ報告する義務」の撤廃を求めている。
「労働時間管理が経営者の義務から外れた途端、過労死は自己責任で片付けられてしまう。経営側が“自主的に働いた結果”と社員へ責任を転嫁しかねません。ブラック企業では生き残るため、過酷なノルマに耐え、無理して働き、うつ病や自殺に追い込まれる社員が続出しています。その賠償を求めても、これでは認められないケースが増えるだけです。企業のブラック化に歯止めが利かなくなります」(今野氏)
これ以上、ブラック企業に人材を使い潰されたら、国力は確実に衰える。うつ病増加で医療費や生活保護費はかさむだろうし、若者の生活苦の結果、少子化が進めば、ますます財政は逼迫(ひっぱく)する。どこが成長戦略なのか。メリットといえばブラック企業の目先の決算や株価だけなのだ。
「驚くことに、『ワタミ』の会長が自民党の参院候補に取り沙汰されています。長時間労働で追い詰められた女性社員の自殺が労災認定されても、会長は『労務管理できていなかったとの認識はありません』と悪びれることもない。そんな人物を公認すれば、もはや自民党はブラック企業促進政党というしかありません」(今野氏)
こういうところに政権の正体が見えるのだ。
本記事文章は現在公開を停止しております。 (2016/4/23)
記事の提供元にてご覧ください。