めくるめく記憶
ブレット・カバノー判事に対する最高裁判所就任の引き延ばし作戦が続いています。木曜日27日は判事の前に、クリスティーン・ブラジー・フォードが証言しました。ホントにねぇ、
もうどっちが被害者なんだか:
なんと彼女、
先月受けたポリグラフが、自分の祖母の葬式当日だったか翌日だったのかも思い出せないし、誰が費用を出してくれたのかすら分からないそうです。
しかも7月に議員に初めて連絡を取った時の手紙とこのポリグラフの時の
供述が矛盾しています。しばしば「嘘発見器」と訳される「ポリグラフ」という機械、専門家によると実は嘘を発見するものではないそうな。確かに暗示をかけてしまえばいい話です。
それでも36年前に自分を暴行したのがカバノーだという点だけは「100%確実」という表現に格上げとなりました。プロに質疑応答の訓練をみっちりたっぷり受けると、記憶まで都合の良い部分のみ超人的に強化されるみたいです。
5人目の話はでっち上げと既に判明
昨日お伝えした
5人目の被害者ですが、最近はカルマが返るのが早いですね。証言のツイッター内容から告発者が特定され、名前バレした途端に「(略)自分が言ったことは撤回した訣で、間違いを犯したし、その点については謝るよ」とツイートしました。
もともと陳腐な武勇伝で、要は「女の子がカバノーともう一人の男性に暴行されたから、俺がボコってやったぜ」という内容。間違い程度では済まされない、傍迷惑な便乗犯です。
これを受けて内容をよくよく調べると
「レイプされた」云々って容疑、どうやら既遂っぽいと言えるのは5人目と3人目だけでした。
今日の冒頭に取り上げた1人目のフォードは、暴行されそうになってその家から(友達の女の子は放置したまま)逃げ出したという話。2人目は性器を目の前で見せられたという露出事件。4人目はバーの外に出たら乱暴に壁に押し付けて迫られかけたという話。
大手メディアの見出しに「私はカバノーにレイプされた」だの「レイプ」連呼の文言が踊っているから、すっかり既遂の重罪犯疑惑かと思い込んでおりましたわ。印象操作、恐るべし。
3人目の信憑性もかなり疑問
3人目も犯人がカバノーかどうかは全く不明で、とにかくカバノーがたむろしていた悪質なレイプパーティーに何度も通っていたら、自分も酩酊状態にされて誰かに襲われたという話。この3人目、ジュリー・スウェットニックについては、
元彼が名乗り出ました。別れた後に結婚した相手や子どもにまで脅迫したため、接近禁止令を出してもらったそうで、「彼女の言うことは全く信用ならない」と警告しています。
しかもスウェットニックは金銭的にとってもピンチだったらしく、2015年以来10万ドル以上の
税金を滞納していました。あと2014年時の税金の支払いも借金して、自宅に抵当権をつけられていました。でもその後完済して、今年の3月には抵当権が取れたのだとか。
» 続きはこちらから
25日、広島高裁で三木裁判長は運転差し止めを命じた仮処分を取り消し、再稼働を可能にしました。
続く28日、今度は大分地裁で佐藤裁判長は、運転差し止めを認めず、四国電力は再稼働を表明しました。昨年12月に広島高裁の野々上裁判長が出した運転差し止めを命じる仮処分を次々と否定した形です。
司法が原発推進におもねるのは想定内ですが、想定外に悲惨だったのが、その判断理由でした。
広島高裁三木裁判長の決定は、専門家から原発司法史上最悪とまで言われるお粗末な内容で、解説する弁護士も言葉を失うほど。中でももっとも批判を浴びたのが、三木裁判長の持ち出した「社会的通念」から判断して安全性に問題がないとした点です。「阿蘇カルデラの破局的噴火については、国が具体的な対策を策定していないし、国民の大多数も格別危険視していないことから、伊方原発の安全性は欠けていないというのが社会通念だ」と決めつけ、法律よりも科学的根拠よりも社会通念を元に「対応不可能な具体的な危険性は存在しない」と結論しました。有り体に言えば、国民が心配していないのだから安全と言い放ったのですね。「社会通念」と言い切れるほど国民は破局的噴火のことを知らない、社会通念で再稼働できるならば、社会通念で差し止めできるだろうという真っ当なツッコミも飛び出す有様です。
これで止まるどころか、28日の大分地裁の決定にも法律家が腰を抜かしました。
原子力委員会が審査に使う「火山ガイド」というものがあり、破局的噴火の時期や規模がかなり正確に予測できることを前提としています。しかし、火山学会などからの批判もあり、広島高裁ですら「不合理」だと判断していました。ところが大分地裁の佐藤裁判長は「合理的」だと判断を下しました。
判断の根拠や整合性などは日本の司法には無用らしいぞ。
どこまで劣化するのでしょう。