アーカイブ: シャンティ・フーラからの記事

里山Ubuntu通信:5日目  インストールDVDを作る

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インストールDVDを作る
今回はUbuntuのインストールDVDの作り方を詳しく説明します。事前に、前回の記事の「必要な準備物」にあるものをご用意ください。

1. ISOファイルをダウンロードする

最初にインストールDVDの「素」となるISOファイルをダウンロードします。まず、ブラウザでUbuntu Japanese Teamのホームページ, https://www.ubuntulinux.jp/を開いてみてください。このページはUbuntuに関する貴重な情報源なので、お気に入りに登録しておきましょう。

Ubuntu Japanese Teamのホームページ

Ubuntu Japanese Teamのホームページ


この画面で、「Ubuntuのダウンロード」と書かれたリンクをクリックしてみてください。次の画面が表示されます。

イメージファイル(ISO)のダウンロード
この画面では、「日本語Remixイメージのダウンロード」をクリックします。ここで「日本語Remixイメージ」こそが、「Ubuntu Japanese Team監修による日本語対応がなされたUbuntuインストール用のISOファイル」です。すると、次のような一覧が表示されます。

イメージファイル(ISO)の一覧
なにやら難しいことが書かれていますが、新しく発表された順にUbuntuをインストールするためのISOファイルのリンクが並んでいます。本連載では「ubuntu-ja-16.04-desktop-amd64.iso(ISOイメージ)」 を使用します。リンクをクリック、あるいは右クリックでコンテキストメニューを表示して、「対象をファイルに保存」からISOファイルを保存してください(いつものように)。イメージファイルはサイズが大きいので保存には多少時間がかかります。気長に待ちましょう。

ファイル名を指定して保存する

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里山Ubuntu通信:4日目 Ubuntuをインストール(または体験)するには?

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Ubuntuをインストール(または体験)するには?
第3回の記事を読んで、確かに「インストール」や「アプリケーション」という言葉はわかりにくい、もう少しどうにかならないだろうか、と思いました。しかし、いくら考えても適当な日本語やわかりやすい説明を思いつきません。土台に相当すると説明した「OS」についても、家の土台であれば住む人は通常意識しないわけですが、残念ながらパソコンではどうしてもそれを意識しなければなりません。この分野は、あと何人かのスティーブ・ジョブズを必要としているようです。

OSをインストールする方法とは?

Windowsを使われている方であれば、「OS」のインストールは経験がなくても、アプリケーションのインストールはご経験があると思います。アプリケーションのインストールは、製品の箱に入っているDVDを挿入して「セットアップ」プログラムを実行、あるいはブラウザを用いてインストール用のファイルを保存して、実行するのが一般的です。このどちらも土台であるWindowsの機能を用いて行われます、つまりWindowsには「Windows用のアプリケーションをインストールする」という機能があるわけです。Ubuntuのインストールはそれと同様にはならないということは、なんとなく想像がつくと思います。結論としては、Ubuntuのインストールは、インストール用のDVDをDVDドライブにセットして、パソコンを再起動することによって行います(これは唯一ではなく、他の方法も存在します)。

実は、パソコンは、OSが存在する候補の場所を覚えていて、電源が入るとその候補の場所を順番に探していき、最初に見つかったOSを実行するように作られています。この場所は、DVD、外付けのUSBハードディスク、ネットワーク、そしてパソコンに内蔵されているハードディスクというのが一般的です。したがって、DVDの中にUbuntuをインストールするためのDVDがセットされていると、その中に記録されているプログラムが実行され、Ubuntuのインストールが始まるわけです。

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UbuntuのDVDを入れて電源をONにすると、
Ubuntuシステムが起動する


さらに、このインストール用のDVDを使えば、インストールはせずにUbuntuを体験(試用)することもできます。Ubuntuへの移行は検討中という方も、何はともあれまずこのDVDを用意しましょう。

インストール用のDVDを手に入れる方法

ではUbuntuのインストール用のDVDをどうやって入手するかというと、もっとも手っ取り早いのは、書店に行って本(ムック)を買ってくることです(竹下家からの情報提供です)

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DVDの付属した本(ムック)の一例「初めてでも使える!Linux超入門

Ubuntuの本にインストール用のDVDが付録としてついたものが、2000円もしないで販売されています。これが一番簡単で、パソコンに不慣れな方でも問題なく実行できます。ただ、UbuntuのインストールのためのDVDは、自分で作ることができて、手順も難しくありません。今回はその方法について説明しますから、是非挑戦してみてください。

POINT! DVDのバージョンについて

そうそう、楽をして本を買ってこようと思っているあなた、購入する際にはUbuntuのバージョンが「16.04 LTS」となっていることを確認ください。数値の16はバージョンで、LTSは"Long Term Support"(長期サポート対象)を意味します。数値が14や12で始まるものは旧バージョンで、LTSがついていないものは本連載では扱いませんのでご注意ください。

必要な準備物

最初に必要なものから。インストールDVDの作成を行うためには以下のものが必要です。

1. インターネットにアクセスできて、書き込み可能なDVDドライブがついたパソコン

一般的なデスクトップ型(パソコンとモニターが独立したタイプのパソコン)ではほとんど満たされているはずです。ノート型のPCにはDVDドライブを内蔵していないものがありますが、その場合は、USB接続のドライブを購入しても大丈夫です(「dvdドライブ usb3.0」などのキーワードで検索してみてください。3千円程度で購入できます)。「映画のDVDを観たことはあるけれど、書き込み可能かどうかわからない」と思われる方があるかもしれません。現在市販されているPCに付属するDVDドライブや外付けのDVDドライブのほとんどは、「読み書き両用」タイプです。不安な方は説明書を探して、DVDの書き込みに対応しているかご確認ください。

2. 未使用のDVD-Rのディスク

コンビニやTSUTAYAなどで入手できる「普通のDVD-R」で結構です。本当は「データ用(あるいはPC用)」というもので十分なのですが、家電量販店以外ではあまり売られていないので、それ以外(「デジタル放送録画用」とか「CPRM対応」)と書かれたものでも構いません。使用する枚数は、ISOごとに一枚なので、Ubuntuインストール用は一枚で十分です。

DVDの作成手順(おおまかに)

インストール用DVDの作成手順は、次の2段階です。

  1. ISOファイル(※)をダウンロードする※ISOファイル(「アイエスオー」ファイル)とは、DVDに入るすべての情報が、パソコン上で1つのファイルになったもの。
  2. ダウンロードしたファイルをDVDに書き込む

これだけです(簡単ですね!)。ファイルのダウンロードは、読者の方々が普段行われているのと同じです。DVDへの書き込みは、聞いたことがない方が多いと思いますが、実はWindows 7以降が持つ標準機能なので、操作手順さえわかれば問題ありません

次回では、筆者がWindows 8.1で作業した際の画像を示しながら手順をご紹介しますので、お手持ちのパソコンで作業してみてください。

(Haru)

著者:Haru(ペンペン先生)

1962年、北海道生まれ。うお座。
1985年、北海道大学工学部卒業、IT系企業に入社。
2003年、業務テーマとしてLinuxに取り組む。
2015年、関東地区交流会参加をきっかけに上映会スタッフに参加。
横浜市在住

*ペンペン先生への感想や質問はこちらのフォームからお願いします。


里山社屋主義(26) サッシが届きました

サッシが届きました
前回、サッシを発注した所からの続きです。

ありがたいことに、今回サッシを発注した通販ショップでは、「納まり図」やポイントなど、かなりの情報を出してくれていました。また、サッシメーカー(YKKAp、LIXIL)のホームページでは、建築関係者向けに図面や施工説明書を提供していますのでそちらのデータも入手。

これらの情報をもとに、大工さんに事前に下地を作っていただくことができました。



そしていよいよサッシが届きました。

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玄関・勝手口を入れて全部で8窓分のサッシ


障子が割れたりしていないかどうか検品し、場所を書き込んでおきます:

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今回はサッシ屋さんから仕入れていないので、サッシの枠部分は自分で組み立てる必要がありました。(組み立て方はこちらの動画が参考になります)工具は、DIY用の12Vのインパクトドライバーがあれば十分でした。

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説明書とにらめっこしながらの初めての作業で、とても時間がかかります。8窓分の枠の組立と検品で丸一日かかりました。

後は大工さんにお渡しして取り付けていただき:

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すべてのサッシが想定どおりにピッタリ! よかったです。 (^^)v



悩んだサッシの性能、今回は、玄関や勝手口も含めてすべて断熱性に優れたペアガラスを採用しました。

また、窓には Low-E(赤外線を通さない金属皮膜)入りを採用しました。西日の当たりが強い西・南側の窓は Low-E の遮熱タイプ、東側・北側は室内の熱を逃さない断熱タイプとしています。

(スタッフ・白井薫)

◇ お願い ◇
対応できないため、見学・来訪はなにとぞご遠慮ください。ご理解のほどをよろしくお願いいたします。

里山Ubuntu通信:3日目 竹下氏、Ubuntuをインストール

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竹下氏、Ubuntuをインストール
スタッフ白井より、竹下氏の導入レポートです。

前回、「しばらくは使い慣れているパソコンでUbuntuを試しつつ、困ったらWindowsですぐこれまで通りの作業をすることもできる」と書いた方法で、竹下氏のパソコンにUbuntuを導入してもらうことにしました。

そう、竹下氏にです。え?私が行って導入してあげるんではないの? とお思いの方。いやいや、今回のポイントは「カエルアンコウでもわかるLinux」であります。私は手順をメールなどで案内するだけ。苦労してでも、1から10まで自らの手で行なっていただくのです。

というわけでまずは導入。試しにしても、本格的にしても、何かしらソフトを導入することをインストールといいます。

竹下氏=我が夫は、インストール、アドオン、アプリケーション…と言う言葉の意味すら、よく分かっていない人です。
以下夫より、
『おそらく、インストールとは電子的憑依のことである。
 アドオンは訪問販売に違いない。
 アプリケーションはケーキの上に載っているトッピングであろう。』
(パータより)

まったくもう…これはどうなることやら。(^o^;)



今回竹下氏のパソコンでUbuntuを導入した方法とは、VirtualBoxというソフトでパソコンの中に仮想のコンピュータを動かすというものです。

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Windowsの中で動いているUbuntu


OSであるUbuntuは2日目でペンペン先生が説明されている通りソフトの土台です。この土台部分をインストールする行為は、パソコンにとっては一大事。データをバックアップする必要もありますし、一度行なってしまうと簡単には元の状態に戻せません。しかしパソコンそのものではなく、仮想のコンピュータになら気軽にインストールを試すことができます。

竹下氏には、

・VirtualBoxのインストール
・Ubuntuの"仮想マシンイメージ"のインストール方法(仮想マシンイメージとは、Ubuntuが動いているパソコンの状態をパックした青写真データのようなもの - 参考
・Ubuntuの起動方法

これらの操作方法を動画に撮ったものを、メールで送りました。動画の通りに操作をしてみたところ、無事にUbuntuが起動する所までできたようです!

「VirtualBoxのインストール」から「VirtualBoxとUbuntuを立ち上げる」までの動画を、シャンティ・フーラ・白井薫代表が作ってくれました。

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私のパソコンでそれらの6本の動画を再生しつつ、2人がかりで画面を見つめ、夫の作業の進み具合を確認しながら、一時停止する必要がある時にすぐクリックして動画を停止、再生出来るよう、私も自分のマウスを握りしめ…。やっぱり2人で1人前ですが、アドレスバーと検索バーを勘違いするミス以外は、無事にインストールできました。

(パータより)
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仮想マシンイメージを入手するアドレス(URL)を入力する時の間違いでした。
アドレス欄と検索の違いは…普段は意識しないかもしれませんね。


竹下氏がUbuntuで仕事ができるようになるまでには、まだ様々な操作が残っています。道のりは続きます。

(スタッフ・白井薫)

里山Ubuntu通信:2日目 「他者への思いやり」という名のOSを始めよう

 いつもご愛読ありがとうございます。“里山Ubuntu通信”、今回よりパソコンに大変詳しいHaruさんにライターをお願いしまして、Ubuntuについての解説や導入方法などをご紹介してまいります。
(スタッフ・白井薫)
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「他者への思いやり」という名のOSを始めよう
「(マイクロソフト)Windows」は正式には「マイクロソフトWindowsオペレーティングシステム(OS)」と呼びます。OSとは何かということから話を始めたいと思います。

読者の方々には、Excelで家計簿を書いたり、Wordで手紙を書いたりしている方が多いかもしれません。ExcelやWordは、アプリケーションと呼ばれるソフトウェアで、ご存じInternet Explorerもアプリケーションのひとつです。一方、OS(「オーエス」、オペレーティングシステム)は、アプリケーションが動作するための環境を提供するソフトウェアであり、アプリケーションにとって土台のようなものです

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俗に言う「Windowsパソコン」とは、Windowsという土台が導入されているパソコンです。世界で多く使われているOSは、なんと言ってもマイクロソフト社のWindowsです。Windows以外では、アップル社が開発したOSX(「オーエステン」)が有名です。アプリケーションは実行されるOSごとに作られており、それ以外では動作しません。Windows用のアプリケーションは、Windowsという土台の上でしか動作しませんし、OSX用のアプリケーションはアップル社のパソコンでしか動作しません。

Windowsはマイクロソフト社が、OSXはアップル社がそれぞれ開発した有償の製品ですが、現在世界中で急速にシェアを増やしている無償のOSがあります。1991年、フィンランドの学生だったリーナス・トーバルズが書いたLinux(「リナックス」)です。リーナスが自作のプログラムをネットワーク上に公開、意見を求めたことがきっかけとなり、世界中の不特定多数の協力者達(コミュニティ)が始まり、進化を続けています。
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Linuxの開発者リーナス・トーパルズ氏
(出典:By Alex Dawson CC BY-SA 2.0)


「へー、そうなんだ」と思いながら読まれているあなたも、きっと知らないうちにLinuxを使っています。実は、デジタルテレビやビデオカメラなどの家電には多くLinuxが用いられています(「組み込み家電」と呼ばれます)。「本当かな?」と思ったら、テレビの説明書を開いてみてください(Linuxを搭載した製品は、利用者がプログラムを入手するための情報を提供することが義務づけられています)。

最初はひとつだったLinuxは、今や無数の派生バリエーションが存在します。Ubuntu(「ウブンツ」「ウブントゥ」)はその一つで、これはアフリカの単語で「他者への思いやり」や「皆があっての私」という意味を持ちます。一見、UFOのように見えるロゴは、人が手を取り合った「友達の輪」です。

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Linuxのバリエーションの一つ「Ubuntu」のロゴ(出典)


Windowsはマイクロソフト社が開発しています。Windowsのプログラム(「ソースコード」と呼ばれます)は、マイクロソフトの社内で管理されており、関係者以外はそれを読むことはできません。製品として出荷されたものを利用するだけです。一方、Linuxはプログラムがネットワーク上で共有されています。インターネットを利用する環境があれば誰でも(無償で)読むことができますし、プログラミングを勉強すれば機能を追加したりすることも可能です。こうしたプログラムを「オープンソース」と呼びます。Linuxはその代表と言って良いでしょう。

ご縁により、里山Ubuntu推進計画(脱Windows?)のお手伝いをさせていただくにことになり、久しぶりにUbuntuをインストールして試してみました。昔のLinuxはインストールというと呪文のようなコマンドを実行しなければならず、日本語表示や日本語入力の設定は難解、使えるアプリケーションは少数、でした。それがインストールは今やWindowsと同等の容易さ、日本語読み書き当たり前、ブラウザはもちろんオフィス互換ソフト(WordやExcelのデータを読み書きできるソフト。無償です)は豊富。動作も軽快で、個人利用であればWindowsにまったく遜色ないレベルに到達していることを実感しました。

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親切なインストール画面など、以前から格段に進化したLinux


そんなクールなUbuntuですが、残念ながらUbuntuが導入されたパソコンは、家電量販店では売られていません。だから、自分でインストールする必要があります。インストールには、Windowsの土台を更地にしてから行う方法(当然Windowsは使えなくなります)、Windowsの区画を狭くして新たに区画を追加して行う方法(パソコン起動時にどちらを使うか選択します)、Windowsの区画はそのままにテントのようにUbuntuの領域を作る方法、さらにはWindows環境はそのままでインストールしないで「体験」してみる、など多くの選択肢があります。

冒頭、OSは土台のようなものだと書きました。家造りで土台と言えば「基礎」ですが、皆さんは基礎に何を求めますか?私の場合は、「永く家とそこに住む家族を支える」、それ以外ありません。「無償だから、上(環境)はそのままで良いから」といって替えるものでは本来ありません。ましてや、施主の許可なく勝手に施工するなど言語道断です。

この連載では、パソコンに詳しくない方でも理解できるよう、情報を提供し、皆様のUbuntu化(住み替え)を支援させていただきたいと思っています。どうぞおつきあいください。

(Haru)

著者:Haru(ペンペン先生)

1962年、北海道生まれ。うお座。
1985年、北海道大学工学部卒業、IT系企業に入社。
2003年、業務テーマとしてLinuxに取り組む。
2015年、関東地区交流会参加をきっかけに上映会スタッフに参加。
横浜市在住

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