2015年6月12日
著者: F. William Engdahl
以下は、ハンガリー生まれの億万長者で、今は帰化した
アメリカ人投機家ジョージ・ソロスの手紙に書かれていたものだ。
ハッカー集団サイバーベルクートが、オンラインで公開した、ソロスが書いたとされる手紙は、彼がアメリカが支援するウクライナ政権のただの人形遣いではないことを明らかにしている。
手紙は、もし彼が成功すれば、ウクライナ資産を何十億も略奪することが可能になるたくらみでの、
アメリカ政府や欧州連合高官と彼の策謀も明らかにしている。もちろん、全て、ウクライナ国民とEU納税者を犠牲にしての話だ。
ハッキングされた三つの文書が暴露しているのは、ニューヨークの億万長者による、極めて詳細にわたる、舞台裏でのキエフ政権操縦の度合いだ。
2015年3月15日付けの“秘密”と記された一番長い
メモで、ソロスは、ウクライナ政権の行動計画詳細概要を書いている。題名は“新ウクライナの為の短期的・中期的な包括的戦略”だ。
ソロスのメモは、“ミンスク合意に違反せずに、ウクライナの戦闘能力を回復させる”対策を呼びかけている。回復させる為に、ソロスは“アトランティック・カウンシルの後援の下で[強調は筆者]ウェスリー・ クラーク大将、ポーランド人のスクリプチャク大将と、少数の専門家が、ミンスク合意に違反せずに、いかにしてウクライナの戦闘能力を回復するか、ポロシェンコ大統領に助言する”と平然と書いている。
ソロスは、ウクライナに、殺傷兵器を提供し、ウクライナへの直接のNATO駐留を避ける為、ルーマニアで、ウクライナ軍要要員を秘密裏に訓練することも呼びかけている。アトランティック・カウンシルは、主要なワシントンの親NATOシンク・タンクだ。
むき出しの資産略奪
2015年3月のメモで、
ソロスは、更にウクライナのポロシェンコ大統領の“最優先事項は、金融市場の支配を再び取り戻すことでなければならない”と書き、ポロシェンコに、支援する用意があると請け合った。“私は、アメリカ財務省のジャック・ルーに電話をして、スワップ協定について打診する用意がある。”
ウクライナに、特別EU借入枠で、110億ユーロという金額の年次支援を与えるよう、彼はEUに呼びかけた。ソロスは、実質的に、ウクライナへの投資に損害保険を付ける為に、EUの“AAA”という最高の信用格付けを利用するよう提案している。
EUは、一体誰のリスクを保険にかけるのだろうか?
ソロスはこう詳しく
述べている。“私はウクライナでの事業に、10億ユーロまで投資する用意がある。これは投資コミュニティーの興味を引く可能性が高い。上記の通り、ウクライナは、魅力的な投資先にならねばならない。”いかなる疑問も残さぬ様、ソロスはこう続けている。“投資は営利目的だが、利益は、私の財団に寄付すると約束する。これで、私が個人的な利益を求めて、諸政策を唱導しているという疑惑は和らぐだろう。“
1980年代末以来の、東ヨーロッパと、世界中におけるソロスのオープン・ソサエティー財団の歴史を良く知る人々にとって、1990年代のポーランドや、ロシアや、ウクライナにおける
彼の慈善事業とされている“民主主義構築”プロジェクトが、ハーバード大学の“ショック療法”救世主で、ソロスの友人、ジェフリー・サックスに、ソ連後の政府に、徐々にではなく、一気に民営化し、“自由市場”にするよう説得させるのに起用して、実業家ソロスが、
文字通り、旧共産主義国を略奪することを可能にしたことが知られている。
標的はナフトガス
ソロス・メモは、ウクライナ国営ガスと、エネルギー独占企業ナフトガスに、彼が目をつけていることを明らかにしている。彼はこう書いている。“経済改革の最重要項目は、ナフトガス再編と、目に見えない助成金を置き換えるあらゆる種類のエネルギーへの市場価格導入だ…”
それより前に書いた手紙で、
2014年12月、ポロシェンコ大統領と、ヤツェニュク首相の両方に、ソロスはあからさまに、ショック療法を呼びかけている。“あなた方の政府における改革の為に、二人が団結し、根本的‘ビッグ・バン’風手法を全面的に支持するようお二人に訴えたい。
つまり、行政監督を無くし、経済を、徐々にではなく、急速に、市場価格に移行させる…ナフトガスは、目に見えない助成金を置き換えるビッグ・バンによる再編が必要だ…”
ナフトガスを別々の企業に分割すれば、ソロスが新しい分社の一つを支配し、基本的に利益を私物化することが可能になる。彼は既に、間接的に、ナフトガスの民営化“ビッグ・バン”に助言を与えるよう、アメリカのコンサルタント会社マッキンゼーを招くよう示唆していた。
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以前からコメントしているように、本来の経済システムであれば、"利子をつけて金を貸す"必要などありません。ゴールドを裏付けとした金融システムは経済を安定させますが、中央銀行が国有化され、開かれたものにならなければ根本的な変革になりません。
本来であれば、ゴールドではなくGDPが裏付けになるべきだと考えます。中央銀行がGDPに基づいた紙幣を発行すれば良いわけです。
フルフォード氏の提案する"将来計画機関の設立"は、この意味で、根本的な金融システムへの転換の次の段階となるものです。