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独逸の伯林で見た、聞いた、感じた社会問題、教育問題 ~第12楽章 オーストラリアで学んだ食生活のこととケアンズの皆既日食

 第11楽章は、ドイツ人の家庭から学んだこと!を書きました。
 第12楽章は、オーストラリアで学んだ食生活のこととケアンズの皆既日食です。
(ユリシス)
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食に関する快進撃のはじまり


我が家は、ドイツ人のご家庭から、いろいろな価値観について学び、開眼させられましたが、

次に行ったオーストラリアでは、オーガニックを選択する人たちに出会い、食生活の変更を自然と迫られて行ったのです。

オーストラリアのオーガニック市場は日本より15年進んでいるのではないかとも言われています。

オーストラリアの広大な大地では、自然が豊かだと一般的には思われていますし、オーガニックでなくても大丈夫では?とも思ってしまいます。

実際に住んでいた家の周りにもたくさんのヤシの木、ユーカリの木もありましたし、マンゴーの木もありましたし、レモンの木もありました。

ユーカリの木 pixabay[CC0]


しかし、しかし、私は、実際に自分で確かめようと、地元のファーマーズマーケットのおじさんに直接聞いてみました。

「除草剤のラウンドアップなど、グリホサートを使用している?」

おじさんはすぐに答えました。
「ごめん。申し訳ない。使っているよ。使わなければいけないんだ・・」

ラウンドアップ (英:Roundup)は、1970年にアメリカ企業のモンサント社が開発した除草剤(農薬の一種)。
有効成分名はグリホサートイソプロピルアミン塩。グリシンの窒素原子上にホスホノメチル基が置換した構造を持つ。イソプロピルアンモニウム塩ではないグリホサート自体の分子量は169.07で、CAS登録番号は1071-83-6である。


Author:bdk[CC BY-SA]



非常にショックでした。いかにも自然そのままの雰囲気のマーケットで、
除草剤を使用していることが当たり前であった
ことが驚きでした。

シャンティフーラの記事でも以前に書かれていました。
https://shanti-phula.net/ja/social/blog/?p=162789

これを聞いてから、もうすべてにおいて、なにがなんでも、オーガニックを選択するしかないと、食に関する快進撃がはじまりました。もちろん、子供を守るためです。

毎日、オーガニックストアで買い物をしていると、面白い人々を見かけました。

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日本の科学技術「力が急激に弱まった」ことを認めた白書 〜 原因は教育行政の失敗か

 2018年版の科学技術白書で、日本の科学技術力が急激に弱まったとする報告がなされました。
影響力のある論文数が2004年をピークに減少しており、5倍に増えた中国など主要国の中で減少しているのは日本だけという有様です。この科学技術白書とは、文科省が日本の科学技術を発展させ役立てる目的で発行されます。つまり、大学を始めとするこれまでの教育行政を行ってきた当の本人が、この結果を認めたわけです。ネット上では、大学職員を非正規化し、予算を削減し、研究内容にも締め付けを入れておいて何を今更、という呆れと怒りが飛び交っています。論文数が減り始めたという2004年以降は、大学が独立行政法人化したことを指摘する鋭いコメントもありました。内田樹氏の言葉を借りれば「戦略的な経営力の強化、国際頭脳循環への参画などというどこかのコンサルが鼻歌交じりで書いたようなことが大学や研究機関の責務」とされています。教育と市場原理は本来馴染まないものなのに、これでもまだ足りないという政治家も居て、安倍政権の教育破壊力は凄まじいものです。
海外では、日本の大学の状況が「当然の悪い例」として教訓にされているという現実を認め、さあ、文科省は日本を立て直す方針を打ち出せるのでしょうか。
 
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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日本の科学技術「力が急激に弱まった」 白書を閣議決定
引用元)
 政府は12日、科学技術について日本の基盤的な力が急激に弱まってきているとする、2018年版の科学技術白書を閣議決定した。引用数が多く影響力の大きい学術論文数の減少などを指摘している。

 白書によると、日本の研究者による論文数は、04年の6万8千本をピークに減り、15年は6万2千本になった。主要国で減少しているのは日本だけだという。同期間に中国は約5倍に増えて24万7千本に、米国も23%増の27万2千本になった。

(中略)

 海外の研究者と共同で書いた論文ほど注目を集めやすいが、日本の研究者は海外との交流が減っている(中略)

 白書は大学に対し、会議を減らして教員らが研究に割ける時間を確保することなどを提言。政府には研究への十分な投資や、若手研究者が腰をすえて研究に取り組める「環境の整備」などを求めた。(小宮山亮磨)

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[HARBOR BUSINESS Online] 東京・中野区で「オリンピックのために」樹齢100年を含む中高木470本が伐採。低木1万7450本はなんと「産廃」扱い

読者からの情報です。
 しばらく前に、読者の方から「こんなオリンピックはいりません。」というコメントと共に情報提供いただきました。東京都中野区にある緑豊かな平和の森公園が、2020年の東京オリンピック・パラリンピックのために無残に破壊されてしまったというニュースでした。
 中野区の平和の森公園は、かつて区民が20年もかけて国と交渉し、ついに払い下げを実現した緑と水の防災公園です。公園面積の少ない中野区民にとっては、かけがえのない自然で古墳時代の遺跡も多数ある貴重な場所だったそうです。
 ところが2015年に東京オリンピックに向けた再開発計画が浮上し、結果、樹齢100年のヒマラヤスギなど2万本近くの樹木が伐採され、絶滅危惧種のアズマヒキガエルなどの生息する水辺も工事されてしまいました。そうまでして作ったものは体育館、陸上競技場、野球場、コンクリートの滑り台や人工的なバーベキューサイトでいずれも近隣に同様の施設が有り、全く不毛な税金の無駄使いと環境破壊でした。伐採の現場では、区民が涙を流し、公園のシンボルだったカワセミの死骸も見つかったと言います。
 なぜ平和の森公園が破壊されたのか。「公園内で」オリンピック関連施設の建設を行えば、国交省から最大50%、東京都から最大25%の助成金が見込めるからというのが、その理由です。
しかし、平和の森公園に整備されたものは、オリンピックにもパラリンピックにも使いづらい中途半端なもので「区民体育大会も開けない」レベルらしく、区民に納得は得られませんでした。
 すでに始まった工事ですが、今後の伐採工事中止を求めて4月から住民訴訟が始まっています。
さらに先日行われた中野区長選挙では、工事を強行した現職区長を破り、野党統一候補の酒井氏が当選し、大きく流れが変わります。区長が工事反対派となることで、今後始まる2期工事が見直しされ、また裁判も和解の可能性が出てきました。
 国政に踏みつけにされた住民自治が、自然と共に再び回復するとしたら、とても象徴的な出来事になりそうです。民意がカワセミを呼び戻せますように!
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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東京・中野区で「オリンピックのために」樹齢100年を含む中高木470本が伐採。低木1万7450本はなんと「産廃」扱い
引用元)
 東京都中野区にある平和の森公園で多数の樹木が伐採され、区民たちが悲鳴を上げている。同公園では2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、体育館や陸上競技場の建設、野球場の拡張工事が進められているのだ。
 かつては森のように茂っていた木々が根こそぎなくなり、むき出しとなった地表が痛々しい。2015年の構想段階から再開発に異議を唱える中野区民たちは、学習会や署名など頻回な住民運動を経て昨年11月に住民監査請求、今年4月には田中区長を被告に住民訴訟を起こした

(中略)

戦後の急速な宅地化で、中野区の1人当たりの公園面積は1.4㎡と都内ワースト2位の狭さとなった(2017年現在)。それだけに「自然を残してほしい」という区民の思いは切実だ

 そんな公園が今、2年後の東京オリンピック・パラリンピックの助成金を見込んで、区民の関心喚起、選手の練習場にと体育館と陸上競技場の建設、野球場の拡幅工事が行われている(中略)

(中略)

 しかし、何の譲歩もないまま池の水は抜かれ、今年1月15日に樹々の伐採が強行された。区長は「森を残す」と言っていたが、森は森の姿ではなくなった。時折姿を見せていた、公園のシンボル的存在のカワセミが4月10日、死骸となって公園内で見つかった。急激な環境の変化に順応できなかったのだろうか。

(以下略)


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ぴょんぴょんの「食い物にされるロヒンギャ」

 国際情勢は難しくて、私の歯には硬すぎる〜のですが、よわよわの歯でもかめる範囲で、ロヒンギャ難民、そして今のミャンマーについて調べてみました。
 イギリスから独立して、苦しかった軍事政権からようやく民主主義に生まれ変わったかと思えば、まさか英雄・アウンサン将軍の娘によって、ふたたび植民地に逆戻りさせられるミャンマー。
 現在、ミャンマー中心部は経済的な発展を見せていますが、ロヒンギャ問題に不満をいだくイスラム過激派テロ組織が、いつ国内で暴れだすかわかりません。
 そうなった時には、すべての企業がミャンマーから逃げ出していくでしょう。
 ロヒンギャ問題を、早く解決することはミャンマーにとっても重要なことです。
(ぴょんぴょん)
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ぴょんぴょんの「食い物にされるロヒンギャ」


ロヒンギャへの迫害


あれからロヒンギャはどうしてるんだろう?

去年8月の大規模な迫害によって、2ヵ月間で約53万人が難民になったロヒンギャ

船で逃げた人びとのほとんどが海底に沈み、難民キャンプに逃れた人びとは、不衛生で食べ物もろくにない収容所に押し込められている。

Wikimedia[Public Domain]


なんでそこまでひどい迫害を受けたの?

2017年8月21日、ロヒンギャの武装組織「アラカン・ロヒンギャ救世軍(ARSA)」が、ミャンマー軍の基地と警察を襲撃した。
その報復として、「ロヒンギャ掃討作戦」が行われた。

そうとうな被害だったそうだね。

村々は焼き討ちにあい、男性たちは殺され、女性や少女はレイプされ、赤ん坊は炎に投げ込まれた。ロヒンギャはなだれを打つように逃げ出し、バングラデシュとの国境へと向かった。家族とはぐれた子どももたくさんいた。そんな中で、人身売買の業者も暗躍した。」(DAYS JAPAN)

まるで地獄絵だ!

現地に入った「国境なき医師団」の助産師は、「多くの人が、家族の前でレイプされたり、閉じ込められて繰り返しレイプされたりしたと語りました。そして、家や遺体に火をつけられたと語る人が多い」。
被害女性たちは、「制服を着た男たちに襲われた」と証言しており、「女性に対する性暴力が、組織的に行われたことは明らかだと感じます」。(BuzzFeed NEWS)


警察や軍が、そんな残虐非道なことをするなんて! 
しかも彼らは仏教徒なのに、こんなに暴力的だなんて信じられない!

実はこんなことは、これまで何度も起きている。
2016年10月、9人の警察官が武装したロヒンギャに殺害された。
このときも報復として村の破壊、レイプ、殺人が当たり前のように行われた。
その結果、数百人から数千人のロヒンギャがバングラデシュに逃げた。

こんなことを何度もくり返す原因て、なんなの?

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”暴走するゲノム操作技術” (前編) ~分子生物学者からの警告~ 河田昌東氏

 ゲノム編集(操作)された作物には危険がある!という分子生物学者である河田昌東(かわだまさはる)氏からの警告です。驚きました!!
 ゲノム編集には生命操作に関しての倫理的な問題があるのはもちろんのことですが、それ以前にその手法に関して遺伝子組み換えと同様の危険があり、そしてその他にも検討すべきだとわかっている問題が多々あるにもかかわらず規制がまるっきりないというのです!
 遺伝子組み換え作物は、他の作物からの遺伝子を導入するために予期せぬ危険が想定され得るとして安全規制(まがりなりにも)がありますが、ゲノム編集ではそれ自体の遺伝子をピンポイントで操作するためにそうした危険は無いとして規制が無いようです。しかしこれはとんでもない話なのです。
 河田氏はゲノム編集の手法をつぶさに調べてみて、公表されていない危険な事実を知りたいへんに驚かれ、こうして警鐘を鳴らすために立ち上がられました。こうした真実を暴露してくれている研究者は、河田氏しかいないのではないでしょうか。(少なくとも日本では)

 DNAの難しい話もありましたが、かいつまんで素人なりに理解したことをお伝えさせていただこうとおもいます。ゲノム編集、RNA編集、DNAを切断しないゲノム編集等々、新技術はどんどん出てきています。専門的とはいえ、問題点を理解するのに必要なワード等もありますので、まずはDNAの構造から追ってみたいとおもいます。
(しんしん丸)
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『ゲノム編集を考える』(前編)

・遺伝子組み換え食品が商品化されたのは1996年です。当時、名古屋大学で遺伝子組み換え技術の研究に取り組んでいた河田氏は"これは大変なことになるな!"と感じたそうです。以来、その危険性を世に問い続けています。遺伝子組み換え食品を考える中部の会代表をされています。

1.タンパク質の生合成プロセス(セントラルドグマ)


DNAの遺伝情報がタンパク質へと生合成するプロセスをセントラルドグマといいます。分子遺伝学の基本原理です。
・生命活動はタンパク質の調節によって行われていますが、その調節の情報はDNAが持っています。
・いわば、DNAという設計図でタンパク質(細胞)という家を建てるのです。途中、RNAによるさまざまな段取り(触媒の作用)があるわけです。近年、このRNAには重要な働きがあるということが次第に解明されてきました。

RNAの役割
tRNA(トランスファーRNA)
...DNAの塩基配列をタンパク質のアミノ酸配列に翻訳する。
mRNA(メッセンジャーRNA)
...DNAの塩基配列をタンパク質に伝達する。直接タンパク質に反映されるRNA。
rRNA(リボソームRNA)
...タンパク質を合成(アミノ酸どうしを繋げたり)する、いわば工場
miRNA(マイクロRNA)
...どういう遺伝情報をどういうタイミングで発現するか等を調節する。重要な働きをすることが近年わかってきた。イントロン(後述)からつくられる。
snRNA(スモールニュークリアRNA)
...スプライシング(後述)により、一個のDNAから複数のタンパク質を生成する。

※十数年前までは、遺伝情報をタンパク質に伝達するmRNA(2%)だけが重要で、その他の98%はジャンクだと考えられていました。しかし用無しとみられていたそれらの部分も実は調節機能を持つ等の重要な役割があったのです。

2.遺伝子の基本構造


遺伝子はエキソンとイントロンで構成されています。
エキソン・・・タンパク質になる
イントロン・・・調節の働き
スプライシング(切り貼り。イントロンを除去する)により、一個の遺伝子から複数のタンパク質ができます(エキソンの組み合わせによる。mRNAはエキソンだけで作る)

3.タンパク質合成のまとめ


DNAの遺伝情報は、スプライシングにより成熟したmRNAとなり
核膜を通り細胞質へと輸送されて、タンパク質となります


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