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里山社屋主義(12) 基礎ができました / 住宅基礎の寿命は30年?

基礎ができました
さて、基礎工事の方はどうなったかといいますと・・・。次にコンクリートを流し込む「立ち上がり部」の型枠が組まれました:

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雨中の作業、本当にご苦労様です。


晴れた日に、コンクリートの流し込みです:

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このコンクリートの上に「建前」をしていくわけですが、十分時間が経っていないのにいきなり木を乗せると、内部が損傷して寿命を縮める可能性があるようです。今回は、建前までの養生期間もしっかり取りたいとお願いしていました

忙しい業者の方だったので、希望を伝えていないと建前ギリギリになる可能性もあったと思います。このため他の工事より何とか優先して時期を早めてくださいました。

1週間以上経ってから、型枠が外れました:

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最後に、水はけの良い真砂土(まさつち)で全体を埋め戻して完了です:

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住宅基礎の寿命は30年?

これまで所々に入ったコンクリートに関する情報は、こちらの記事を参考にさせていただきました。すごい情報量で、ありがたいことです。こちらの記事に書いてあった所々のポイントだけ整理しますと、次の通り:

参考文献:「え!?基礎の寿命は30年?家の根幹をなす基礎の耐久性について」R*DESIGN

  • 今の住宅の基礎の設計上の寿命は30年
  • コンクリート自体はローマ時代から使われており、きちんと作れば寿命は半永久的なもの。基本的に中の鉄筋が錆びるまでが寿命となる。
  • コンクリート材料の強度だけでなく、鉄筋にどれくらいの厚さでコンクリートがかぶっているかもポイント
  • コンクリートが一見固まっても、すぐ荷重をかけないこと。湿潤養生といい7日間は水びたしにする。(これは竹下氏もどこかの講義で「コンクリートは1週間ゆっくり水を流しながら固めていったらもの凄く丈夫になる」と言っています。)
  • 最後のひと押しは液体ガラスでコーティング

「設計上の寿命30年」これは衝撃的ですね。折角、上の建物が長持ちでも(そうでないからこの寿命なのでしょうけど…)、その前に基礎が壊れたらかないません。

一方、これだけやれば本当に完璧ですね…とは思いますが、地元の、特に住宅の基礎を専門にされているわけではない業者の方なので、こんなのがいい、こうしてほしいとあまりうるさく言うと今度はやる気を無くしてしまいます。中々難しいところです。

今回はできるだけのことをしましたし、業者も信頼のおける方です。100年基礎とはいかなくても、さすがに30年ということは無いだろうと思っています。

(スタッフ・白井薫)

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里山社屋主義(11) 間取りはこうして考えた

間取りはこうして考えた
大工さんのお手伝いの話題が続いたので、少し視点を切り替えて間取り作りの話をしたいと思います。

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普通、工務店や建築士に依頼すると、こちらの希望を聞いて間取りを提案してくれるのが普通らしいです。らしいというのが、今回話を持っていった先はたまたま、工務店も個人の大工さんもどちらも「間取り図を考えて持ってきてください」というタイプの方でした。



間取り図の作り方は色々だと思います。手書きが慣れている人はそれが一番でしょう。私はパソコンで作りました。今の時代は便利な道具があるもので、お世話になったのは「3Dマイホームデザイナー」というソフト。

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部屋をポコポコと組み合わせて、ドア・窓・キッチンなどをくっつければ間取り図の出来上がり。また、何も知らない素人でも、在来工法の基本単位である「尺モジュール」の長さに勝手に合わせてくれます。立体化機能でシミュレーションできるのもいいですね。



最初に私がスタッフにメールで出した原案はこちら。集会所でしょうか?というレベルのもの:

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ここにスタッフからの意見が寄せられ、改訂したものを流すというメール+ファックスでのやりとりの繰り返し。特に竹下氏からはファックスで色々と優れた指摘がありました。

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窓や設備などの細かい所も煮詰めその結果、ここまで仕上げました:

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結果的に、横4間(7.28m)x縦3間半(6.37m) = 14坪の木造平屋(ロフト付き)という建物を計画することになりました。

商品の種類や数が増えても保管する余裕があることを重要視。また田舎という立地上、業務上遠方から来ていただいた方の宿泊も可能になるように(ロフトやシャワー、鍵付きの間仕切り)という点を考慮しました。

もちろん、私達は間取り図は描けても、柱がどこにどんな間隔で必要という"構造"の部分はさっぱり分かりません。この点は大工さんが木の組み方を考えて、それをお聞きして、改めた間取りをまた持っていくという形で対応しました

素人の知識不足と図を書く面倒臭さはソフトがある程度解消してくれるという凄い時代。間取りづくりは焦らずに何日もかけてじっくりやるのなら、とても楽しい作業だと感じました。

(スタッフ・白井薫)

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里山社屋主義(10) 大工仕事の手伝い:刻み

大工仕事の手伝い:刻み
墨付けをした木を実際に加工することを「刻み」といいます。重い電動工具を使うことが多い段階です。

角ノミという機械(重いです!)で、柱などが差し込まれる四角い穴を開けます:

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この穴に、柱などの先である「ホゾ」が入ります。大工さんはその「ホゾ」を加工中:

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手前の形がホゾです。向こうの機械はこれを作るための「ホゾ取り機」、4枚もの刃が回るちょっと恐い機械です。

その後で私がしたのは、ホゾ先の仕上げ作業:

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長さがバラバラなのを切り揃えて、入りやすくなるようにカドを削ります。



その後は、木に電動カンナをかけて削る作業だけになってしまい、この「刻み」はあまり手伝うことができませんでした。

ただ、角ノミでひたすら穴を掘ったり、木を同じ大きさや形で切っていく作業は、結構あると感じました。こうした素人向けの単純作業を手伝うだけでも、忙しい大工さんには大事な仕事に専念してもらえるのではと思います。

(スタッフ・白井薫)

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里山社屋主義(9) 大工仕事の手伝い:墨付け

大工仕事の手伝い:墨付け
木の皮むきが終わったら、今度は大工仕事のお手伝いです。

その前に、基本的なことを…。今回の建物の作り方は「在来工法」です。現在日本の木造住宅の主流となっている工法で、日本に以前からある作り方に、西洋の筋交いなどの技術が取り入れられ現代に残っているものです。

工場で木を加工し、建築現場で一気に組み上げてしまいます。これは私の自宅が組み上がったところです:

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注)この写真は "伝統構法"(在来工法の前身)ですが基本はほぼ同じ


小規模な建物なら約2日。基礎だけしかない場所に、あっという間に家の骨組みだけが完成する、日本では当たり前ですが非常に面白い作り方だと思います。



木を組み上げる「建て前」という行事の前に、工場でコツコツ木を加工し準備しておかなくてはなりません。時間の限られた現場で必死にプロの動きについていくよりは、素人が何とかマイペースでお手伝いできる部分です。(笑)

というわけで、まずは「墨付け」の手伝い:

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「こうするんよ」とご指導中。間竿(けんざお)という木に印を付けた定規をもとに、柱などが差し込まれる位置に印をつけています。

大工さんならではの道具、差し金(サシガネ)で線を引きます:

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線を引いたところを中心に("芯"といいます)、柱などを差し込む穴の線を引きます:

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※これはカーペンターゲージという定規。プレカット等の普及で手刻みの仕事が少なくなる時世、この道具も生産終了になってしまいました…

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お手伝いさせていただくのは墨付けの中でもこうした簡単な作業だけ。といってここを間違えると、建て前のときに木が合いません。怪しいところは大工さんに尋ねて確認!

最初は言われるままに書き込むだけですが、繰り返すうちに「家ってこういう構造で出来るんだ」とイメージが出来上がってきます。そうなると面白いですから手伝う価値のある作業だと思いました。

また、重い機械などを使わないため女性の方にも手伝えると思います。ただ、重たい木材を転がしたり、移動させるのは大変かもしれません。

(スタッフ・白井薫)

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里山社屋主義(8) 地鎮祭をしました

地鎮祭をしました
4月の初め頃に社屋の地鎮祭をしました。工務店に依頼していない関係で、地元の神社に直接相談に行きました。幾つか質問に答えながら日取りを決め、「奉献酒」(施主から神様に供えるお酒)を準備するだけで大丈夫でした。

地鎮祭はどのようなものかは、Google検索「地鎮祭 流れ」でご覧ください。地域等によって大きくは違わないようです。

これは前回掲載した写真ですが、最初に修祓(しゅばつ)といい参加者を清めているところ:

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この後、「降神の儀(こうしんのぎ)」といって、神主さんの掛け声(?)とともに神様が降りて来られるという場面があります。竹下氏が「明らかに波動が上がる。本当に神様が降りてくるのが分かった。」と驚いていました。

全員頭を垂れていたためその時の写真がなかったのが残念。替わりに、こちらが神様が降りて来られたすぐ後の行事「切麻散米(きりぬささんまい)」の写真です:

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施主がクワを入れる「斎鍬の儀(いみくわのぎ)」は竹下氏にお願いしました。さすが身体の使い方が見事です。身体の使い方についての講演映像はこちら

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ひと通りの儀式が終わって皆でパチリ。自然を切り開いた貴重な土地をお借りしての建築、素晴らしい社屋ができますように!:

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この後はスタッフ全員で、ここ一帯を鎮守する神様の社にご挨拶に行きました。

ちなみに終了後に出席者同士で分けあう神事へのお供え物は波動が上がっているそうです。一般にも神力が宿る縁起物ということですが、これも本当に云われるとおりなのですね。確かにお酒が美味しく感じました。

ここでお酒好きな施主の方は沢山奉献酒を用意しておこうと思われるかもしれませんが、施主からのものは全部神主さんが持って帰られてしまいますよ。(^o^;)

(スタッフ・白井薫)

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