ドイツで10年生(中3程度)の息子が政治経済のテストがあったというので内容を聞いてみて驚いた。実存する極右政党の綱領のどこが憲法に違反しているか、具体的な条項を引いて指摘しろというもの。そしてその違憲政党の存在がなぜ容認されているかをさらに憲法を引用して説明するというもの。すげえ。
— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) November 10, 2020
週末に「永久条項」の部分を一生懸命暗記していたのは知ってたんだけど、日本式でいうところの「〇条を正確に書け」みたいな設問なのかと思っていた。実際に使ってみる、しかも実在の政党を例に!というのがものすごい驚きだった。
— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) November 10, 2020
毛ば部ラジオ📻UPしました。
— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) November 11, 2020
201111 ドイツの主権者教育 https://t.co/63aZJITTWx
⇒少し前にツイートしたドイツ基本法について語ってみました。
山添拓議員が憲法審査会と自民党改憲案の両方をクールにぶった切っていてめっちゃカッコよかった
— EMIL@予備費7兆円を今すぐ医療現場に!! (@emil418) December 3, 2020
(2014.11.21参・憲法審査会) pic.twitter.com/rAkSZMH6X7
日本だったらさしずめ憲法の条項の穴埋め問題で、暗記した条項や文言を書き込む式、でしょうか。
出題は、ドイツに実在する極右政党(NPD)の綱領を提示して、この綱領のどこに憲法上の問題があるのかを具体的な条項を使いながら述べさせ、さらに、ではなぜその違憲な政党が存在するのかも憲法の条文を引用して説明させる、というかなりレベルの高い問題だったそうです。中3です。憲法の条文を暗記するだけでなく、現実に照らして「使わせ」理解させる教育が主権者意識を育むのかもしれません。国民主権がお題目ではなく、主権者として自分で判断できるような学びになっていることが衝撃でもあり、羨ましくもありました。
さらに毛ば部とる子氏は余談として、非常に重要なことも述べておられました(7:50〜)。今、日本の改憲派は「ドイツでは通算で50〜60回も改憲をしている」ということを引き合いに出して、日本が戦後一度も憲法を変えないのは時代遅れだという主張をしますが、実はドイツ基本法には「永久条項」という絶対に変えられない条項があり、それこそまさに人権、表現の自由、学問の自由、法の下の平等など主権者の権利を守るものが定められ、その部分は仮に国会で満場一致で改憲賛成になったとしても「絶対に」改憲できない鍵がかけられている、と話されています。ドイツで何度も改憲されたのは末端の条項で憲法の根幹になる部分ではなかったのです。今の自民党の改憲草案は、憲法の基本理念を全て剥奪するもので、ドイツで言えばまさしく永久条項に当たる部分です。ドイツの改憲を根拠にするのは誤解を生むトリックだと喝破されました。
さて、日本の実例を見ると。
12月2日に維新から憲法審査会会長不信任案が出されました。その趣旨説明の中には「審議拒否をする会派は委員の資格を返上すべき」など議論を深める姿勢のない高圧的なものもありました。憲法を尊重し擁護すべき国会議員のこのような状況を見て、さあどこが違憲か考えてみよう。