翻訳者の補足解説
ロシア国境、ウクライナ東部に位置するドネツク人民共和国にて、新しく8月に二代目首相として就任したアレクサンドル・ウラジーミロヴィチ・ザハルチェンコ氏(1976年生まれ、画面右)と、ウラジーミル・ペトロヴィチ・ココノフ新国防相(画面左)による、痛快記者会見をご覧ください。
基本知識として、
①
2014年5月に実施された住民投票により、親露派住民の多いドネツク(あるいはドネツィク)
州とルガンスク(あるいはルハーンシク)
州がそれぞれ“国”として、ウクライナから独立しました。
※各国名の読み方はロシア語、()内が州だった時の元のウクライナ語での発音。
②
この2国を合わせた、ウクライナで最も豊かな工業地域を、「ドンバス“盆地”」と言います。
③以上の2国と、
さらに他にもウクライナから独立を望んでいる州を合わせて、「ノヴォロシア(新ロシア)“連邦”」と称します。
【 】…翻訳者の補足
5:09
【記者団に向って】
首相:では、皆様の質問をお受けします。
5:23
記者:
民兵は住宅に発砲しましたか?
首相:
まず訂正させてください、10日前の我々は確かに「民兵」に過ぎませんでした。ですが今は、ドネツク人民共和国の「軍隊」です。
そしてドネツク人民共和国軍が、住宅地や家々に攻撃を試みることは絶対にありえません。現在も将来も、そのようなことを行うわけがありません。ここは我々のふるさとであり、我々の大地であり、母なる祖国なのです。今行われているのは、我々の領土での戦いです。
我々は守ろうとしているだけです。ケダモノでありません。キエフで戦っているのではなく、自分たちのところで戦っているのです。
6:09
記者:モスクワの【ロシア国営テレビ】チャンネル1です。あなた方の攻撃に対して、ウクライナ軍の反応をどう表現なさいますか?彼らは待ち構えていましたか?混乱、あるいは抵抗、あるいは後退していきましたか?
6:26
首相:別に隠そうとしていたわけではないので、我々が反撃することは彼らも知っていたことでしょう。その具体的な時と場所を知らなかっただけです。
不幸なことに、ソ連の陸軍士官学校や軍事アカデミー【上級指揮官を養成する陸軍大学】から卒業した職業軍人の将校もおり、彼らは複数の選択肢を想定して備え、また幾つかは当てて来ました。戦闘が激しいものとなったのは、【そういった将校の指揮するウクライナの】常備軍がよく戦ったからです。常備軍は本当によく戦い、破られたとしても、決して諦めることがありません。
後退したのは、シャフタール【露:シャフチョルスク】やアイダルなどの大隊です。あそこの殆どが簡単に攻撃できたのは、彼らが最初の一発で撤退し、直接の銃撃戦には決して挑もうとしなかったからです。彼らは大概、撤退しては常備軍を待ち、一緒になってから攻撃を始めるのです。
7:27
もう一度申し上げますが、戦いはかなり激しいものとなっています。装備の面では、敵の方が優位であることがはっきりと感じられます。我々が一日で約40キロ横断したと言えば、皆さんに戦いの凄まじさを分って頂けるでしょう。
7:45
記者(英語→通訳):
今日の午後、私達も見せられた戦争捕虜の行進ですが、【捕虜の】人道的取扱いに関する諸条約と尊厳に関する宣言すべてに反するものではありませんか?
首相:
法律家として申し上げますが、我々は国際法に違反するようなことは何もしておりません。
【※英語版では「弁護士」と訳してあるのですが(「法律家」は仏語版)、首相は、電気技師とも炭鉱技術者とも独立支持派民兵グループのリーダーとも言われ、経歴がはっきりしません。直近の肩書としては、ドネツク人民共和国軍の少佐で、副内務大臣も兼務していたそうです。】
捕虜たちは、服を脱がされていたわけでも、飢えていたわけでもありません。国際法でどれか1つでも、捕虜の行進を禁じているものがあるのなら教えて頂きたい。我々は何も違法なことはしていない筈です。
8:34
記者(米語→通訳):
今日の行進の目的は何だったのですか?キエフに何らかのメッセージを送ろうとしたのですか?戦争捕虜を行進させる決定をしたのは何故です?
首相:
キエフ【のウクライナ政府】が言ったからですよ、24日にはドネツクで行進してやると。なので彼らにしてもらいました。これでポロシェンコ【ウクライナ大統領】は嘘をつかずに済んだわけです。彼らは自分たちの兵器類ごと、ここに来れたのですからね。
【※つまり、愚かにも勝利宣言していた敵に花を持たせてやっただけだ、ついでにウクライナ軍の武器もしっかり押収させてもらったけどね、と嫌味を言ってる(笑)】
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以前からお伝えしていたように、大災害は国の指導者の愚かさが引き寄せるのです。本日、原子力規制委員会が川内原発再稼働への審査を承認しました。安倍政権としては予定の行動だと思います。これで何が起こってもおかしくない状況になったと思います。
ポジティブに考えるなら、核戦争で大変なことになるよりはましだという見方もあります。