ロシアが朝鮮半島情勢に深刻な懸念を表明 ティラーソン米国務長官「軍事行動の可能性を除外しない」 武力行使となると自衛隊が戦闘に参加へ

竹下雅敏氏からの情報です。
 ロシアは、朝鮮半島情勢に深刻な懸念を表明しています。ロシアはあくまで、“外交的手段による平和的な問題解決”を目指しています。
 ところが、トランプ政権はそうではないのです。ティラーソン米国務長官は、“北朝鮮に対する軍事行動の可能性を除外しない”と発言しています。ティラーソン氏のアジア歴訪の目的は、北朝鮮をどうするかについて、中国との合意を得るためだと思われます。実のところ、習近平氏も金正恩排除を考えており、そのためにはアメリカと同様、武力行使もやむなしという考えではないかと思います。
 トランプ政権は軍事政権であり、金正恩を特殊部隊で暗殺するか先制攻撃で排除することを考えているはずです。ただ、ティラーソン国務長官とその背後にいるキッシンジャーは、平和的解決を目指していると思います。しかし、あくまで武力行使を排除しないという観点です。これは非常に危険な状態です。
 私の考えに間違いがなければ、プーチン大統領を含むほぼ全員が、金正恩を指導者として認めていないと思います。ロシア、中国、アメリカは南北の統一が望ましいと考えており、統一後の王として、金正恩は排除されるべきだと考えているはずです。ただ、ロシアはあくまでも外交的な手段で、中国、アメリカは武力行使を厭わないという形で、実現しようとしているように見えます。
 武力行使となると、自衛隊が戦闘に参加する形になります。今のままでは具合が悪いです。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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露外務次官 朝鮮半島情勢に深刻な懸念を表明
転載元)
© Sputnik/ Aleksei Kudenko

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朝鮮民主主義人民共和国の核プログラムをめぐる6か国協議でロシア首席代表を務めるイーゴリ・モルグロフ外務次官は、朝鮮半島情勢に関する時事通信の書面インタビューに応じた。なおモルグロフ外務次官は、明日18日に東京で開かれる南クリル(北方四島)での共同経済活動に関する公式協議に出席する。 インタビューでの次官の答えの要旨を、以下抜粋して、お伝えする。

スプートニク日本

最近の朝鮮半島情勢に、深刻な懸念を抱いている。20日に東京で始まる露日両政府間の『2+2』会合(外務・防衛担当閣僚協議)で、北朝鮮問題に関し、議論が深まってほしい。

ロシアは、緊張の悪循環を断ち切るために、半島情勢を総合的に見るよう提案している。米国とその同盟国が、軍事演習や軍事行動を活発化させていることが、北の核実験やミサイル発射といった行動を呼び起こしている。我々の共通目標は、外交的手段による平和的な問題解決である。

その意味で、東京での『2+2』会合の再開は、ロシアのやり方を日本側に伝える良いチャンスになるだろう。

ショイグ国防相が、年内に南クリルなどに1個師団を配備する方針を示したことについて言えば、肝心なのは、一連の方策はロシアの主権に従い行われているという点だ。配備方針には、何ら問題はない。もし日本側が会合で、この問題を提起するならば、日本側も、ロシア側が懸念を持っている日本の軍事的発展に関する問題に対する、しかるべき説明を用意すべきである。」

「2+2」会合には、ロシアからはラブロフ外相とショイグ国防相が参加する。

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朝鮮半島問題解決のための米国のアプローチは誤りー露外務省
転載元)
© Sputnik/ Vitaliy Belousov

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朝鮮半島の情勢は深刻化していく一方であり、これは米国の朝鮮半島問題解決アプローチは間違っているとの証左だ。ロシア外務省のザハロワ報道官が16日、記者会見で次のように述べた。

スプートニク日本 

残念ながら、例えば、この地域(朝鮮半島)の情勢は緊張という面で深刻化していく一方だということは、特に米国のアプローチがそれほどの深みを持つものではないと示すものであり、また、その証拠である。我々は腹蔵なくこのことについて様々な米国の代表者たちを話してきた。」

北朝鮮の金衡俊(キム・ヒョンジュン)駐ロシア大使もまた、朝鮮半島の情勢にコメントして、「朝鮮半島の情勢は非常に複雑で、爆発の危険がある段階にあると言える」と述べた。

その上で金大使、は米国のMDシステムの要素であるTHAADを韓国に配備することは朝鮮半島の情勢を極限まで白熱させると付け加えた。


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「北朝鮮抑制」のため、米国は同盟国を核武装する可能性
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ティラーソン米国務長官は、北朝鮮封じ込めのために核武装を含む東アジアの同盟国の今後の軍備増強、との可能性を除外しないと発言。フォックスニュースが17日に報じた。

同テレビ記者の、ティラーソン氏が朝鮮半島の同盟国の核武装という可能性を除外できるかとの質問に対し、ティラーソン氏は、「何も除外されない」と答えた。

先にティラーソン氏はソウルで開かれた記者会見で、北朝鮮にとって非核化は安全保障と経済的発見を達成するための唯一の方法だと述べていた。その上でティラーソン氏は、米国政府は韓国とそこに駐留している米軍が脅かされる場合、北朝鮮に対する軍事行動の可能性を除外しないと付け加えた。

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転載元)
米国のヘイリー国連大使は、CNNのインタビューに応じた中で「米国はもはや、北朝鮮の核問題調整に関する6者協議継続に意味を見出せない」と述べた。

スプートニク日本

ヘイリー大使は、次のように発言した-「米政府は、北朝鮮に対し圧力を加えるプロセスに、中国やロシアがさらに積極的に加わるよう期待している。両国は、北朝鮮指導部の行動に、米国に劣らず自分達も憂慮していることを示すべきだ。」

北朝鮮の側からの核の脅威に対抗する問題は、土曜日に北京を訪れるティラーソン米国務長官のアジア歴訪において、関心の中心となっている。

観測筋は、中国外務省の声明から判断して、米政府は、北朝鮮問題解決に向けた新たなイニシアチブを中国側に示さない模様だ。

昨日中国の華春瑩報道官は、北京でのブリーフィングで「もし米国あるいは他の国に、もっとよい計画があり、よりよい提案があるのであれば、言ってほしい」と述べていた。

6者協議のメカニズムは、2003年に始動したものだ。

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日米外相 北朝鮮の核・ミサイル「容認できず」 2プラス2早期開催へ
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岸田文雄外相は16日、ティラーソン米国務長官と東京都内で会談した。北朝鮮の核・ミサイル開発は「断じて容認できない」として、北朝鮮に挑発行動の自制と国連安全保障理事会決議の順守を求めることで一致した。核開発阻止に向け、中国に建設的な役割を果たすよう働き掛ける方針も確認した。中国が軍事拠点化を進める南シナ海問題への懸念を共有。外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)の早期開催へ調整を加速させる方針を申し合わせた。共同通信が報じた。

スプートニク日本 

ティラーソン氏はこの後、安倍晋三首相とも会談した。

両外相は会談で、米国が検討に着手した北朝鮮のテロ支援国家再指定に絡み、緊密に意思疎通を図ることを確認。対北朝鮮で日米韓3カ国の連携強化が重要だとの考えで一致した。沖縄県の米軍基地負担を目に見える形で軽減することでも合意した。

会談後の共同記者会見で岸田氏は「北朝鮮問題の解決に中国の役割は大変重要だ。中国が建設的な役割を果たすよう、米国とともに働き掛けていく」と述べた。

ティラーソン氏は、慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的解決」で一致した2015年12月の日韓合意への支持を表明した。

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