[第9回] 地球の鼓動・野草便り 今、美味しい春の野草5種(7)


今、美味しい春の野草5種(7)

今回はとっておきの春の山の幸をご紹介します。

(1)ウルビ(ギボウシ)


山に毎年群生する場所があります。よく、斑入りなどのギボウシが庭に植えられています。

茎の根に近い部分が柔らかく粘りがあり美味です。生茎を切って塩を混ぜるだけの即席漬けがおすすめです。
癖がなく、汁の実、お浸し、炒め物にもできますが、生で漬物にもします。

だんだん筋張ってくるので、5~6月頃の茎をいただきます。
葉は黄緑色の柔らかいうちは食べますが、大きくなった葉は飾りや、食べ物を乗せたり、包んだりします。



  1. 生茎を切る。
  2. 塩を混ぜる。

(2)コシアブラ


コシアブラの天ぷら

木肌が白い木、白木の芽のコシアブラは山菜の女王といわれ、最近よく売られています。
タラと同じウコギ科で、新芽を摘んでしまいますので、全部は取らずに味見程度にいただきます。
田舎では昔から食べていたようですが、市場に出回るまで食べたことがありませんでした。
天ぷらにしたら、苦味もなく、独特の風味も今ひとつでした。




(3)ウド


ヤマウドは特に香りが強く個性的なのですが、かなり奥山に行かないとめったに採れません。地元で栽培された、比較的野性味のあるウドを買いました。



  1. 茎の太い部分の皮をむいて、短冊に切る。
  2. とぎ汁または、酢水に浸けてアクを抜く。
  3. 酢味噌和えにする。

わたしはあく抜きなしでそのまま酢味噌和えにして、個性的な味を楽しみます。
皮と葉っぱはきんぴらにすると美味しいです。


(4)サンショウ


山のサンショウはとても香りが強く、いろいろな料理に合います。お寿司、すまし汁、タケノコと一緒に天ぷらに。ヒメジョオンなど野草と一緒に天ぷらにしても美味しいです。
たくさんあれば佃煮にもします。柔らかい新芽の花が付いてないところをいただきます。

イヌザンショウ


花は実がつくので、残しておきます。雌雄異株で、雄株には実がつきません。

よく似ていて間違えやすい、イヌザンショウがありますが匂いを嗅げばすぐ分かります。匂わないだけで毒ではなく、薬効もあります。



(5)ワサビ


ワサビは根塊を使いますが、貴重で絶やさないために、ほとんど葉ワサビだけをいただきます。
ワサビの辛味が出て、とても美味しいです。

  1. 葉っぱを70~80℃くらいの(熱すぎない)お湯にくぐらせて、少ししんなりさせる。
  2. 熱いうちに適当な大きさに切って、瓶に入れる。
  3. 上から醤油をふりかけて、蓋をして、シャカシャカ20~30回くらい振る。
  4. 蓋を開けて匂いを嗅ぐと、ツーンとしたら成功!


yasou
教えて!ニャンコ先生!
自然豊かな大地を毎日かけまわっているミヨ(ニャンコ・2才)がお答えします!

質問者
野草カレー作ってみたいんだけど、ニャンコ先生の作り方教えて~?

ニャンコ先生
スイバやギシギシ、イタドリを入れて酸味を効かせると美味しいにゃ。 あとは好きな野草を入れるにゃ。

辛味は唐辛子は使わずに生姜を使うにゃ。生姜の加減で大人も子供も食べれるにゃよ。

スパイスはクミンシード、クローブ、フェンネルシード、ディルシード、などと、ローリエ、ヤブニッケイもあれば入れるにゃ。調合してあるカレー粉も入れてウコンを効かせるにゃ。
家にある豆類を先に柔らかく煮ておくにゃよ。
ニャンコ先生
①多めの油を熱して、クローブ、クミン、フェンネル、ディルシードなどと、おろし生姜を入れて弱火で香りを立てたら、細切りの玉ねぎを入れて炒めるにゃ。炒め加減は、飴色になればいいけど、時間や体力と相談してお好みでにゃ。
ニャンコ先生
②に他の細かく切った野草を入れてよく炒めてにゃ。スイバ、ギシギシ、イタドリ(カッポン)(どれか1つでもいいにゃ)を塩茹でして切っておいたものと、柔らかく煮た豆類を入れて、カレー粉と塩を混ぜ込むにゃ。(かっぽんは切って茹でた方が破裂してお湯が飛ばないにゃ)
ニャンコ先生
③豆の煮汁とお湯で溶いた酒粕(多少かたまりがあっても大丈夫にゃ)と味噌を②に入れて(足りなければ水を足すにゃ)、ローリエ、ヤブニッケイの葉を入れて、沸騰したら弱火で少し煮込むにゃ。
ニャンコ先生
④塩加減を見て足してにゃ。カレー粉や酒粕、味噌などの分量もお好みでにゃ。
ニャンコ先生
今回使った野草はスイバ、ギシギシ、イタドリ(カッポン)、ヒメジョオン、ウシハコベ、ヤブジラミの花と未熟な種、ノゲシ、アメリカセンダングサ、イノコズチ、ミゾソバ、ウルビ(ギボウシ)の葉っぱとハーブのオレガノ、マロウ(銭葵)の葉、サンショウ、豆は小豆と紫花豆(いただいたのがあったので)を使ったにゃ。きのこや残り野菜をいれてもいいにゃ。
ニャンコ先生
食べるときにローリエやヤブニッケイの葉は出して食べてにゃ。クローブも子供には辛いから気をつけてにゃ。

インドの本場のカレーっていろいろな作り方があるにゃ!市販のカレールーには動物性の脂とか色々入ってるから、できればカレー粉(スパイス)で作るといいにゃ。

スパイスは肝機能を活性化するウコン(ターメリック)をはじめ、抗菌、抗酸化、血行促進、食欲増進、風邪予防、発汗など薬効が高いにゃ!

インドでは家庭で体調に合わせてスパイスを調合してカレーを作るそうだにゃ。
ニャンコ先生
カレー・・・見た目がイマイチだにゃ。

花でカバーできたかにゃ?
大根の種の未熟果は大根の味がして美味しいにゃ。
大根の花のピンクは赤大根、花も実も生でいただくにゃ。
質問者
アーユルベーダ本場のインドのカレースパイス・・・奥が深そうだね!


■ 参考文献
イー薬草・ドット・コム
「大地の薬箱 食べる薬草事典」 村上光太郎/著 農文協
「カラダ改善研究所 自然のチカラいただきます」中村臣市郎/監修 西日本新聞社

ライター

ニャンニャン母さんプロフィール

ニャンニャン母さん

プロフィール:1955年魚座生まれ、広島の県北 中山間地域在住、
体癖はおそらく2ー3種

20代の頃「複合汚染」有吉佐和子/著 を読んで、食の環境悪化を考えた時、野草を食べることを思いつき、食料としての野草研究を始める。
全くの素人ながら、健康住宅の設計事務所に入社し、健康住宅を学ぶ。
残された人生と限られた時間について気付かされ、仕事を辞め、自給自足を目指す。
平成22年頃、古民家を借り、Iターン。野草教室を開催。
「古民家カフェ・むす日」「山のくらしえん・わはは」「クリエイティブ・アロマ」等にて野草教室。

現在、野草好きになった87歳の母と、無関心な33歳の長男と猫3匹と暮らしています。

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