セス・リッチ殺害事件その1:フェイク・ニュースの製造元は大手

 翻訳者のYutikaさんが、現在、アメリカで話題になっているセス・リッチ殺害事件(※詳細は明日)を記事にしてくださっています。
 都合の悪い事実をスピン報道で捻じ曲げる手法はアメリカも日本も同じですね。
(編集長)
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セス・リッチ殺害事件その1:フェイク・ニュースの製造元は大手


◆日本◆



秋篠宮家に関する御目出度い話題が急に飛び込んできました。どこの王室の結婚話だろうが、あんま興味ない私としては基本的に「あっそう」でスルーする話なんですが、シャンティさんのNAVERまとめを見て驚きました。婚約の正式決定でもなく、その前段階の婚約内定でもなく、「婚約へ」現在移行中ってイミフ。


気になったのでkmokmosさんのツイートを更に追ってみることにしました:


加計学園と森友問題に加え、共謀罪審議潰しのために、民間人に会見開かせるんですねぇ。田布施町界隈ってば、芸能人の不倫ネタの内、自分たちに飛び火しないスケープゴートが無くなってきたんでしょうか。

まだ二人とも若いんだから、せめて話が100%固まるまでは見守ってやれよ……、と目頭を押さえたくなりましてよ。ある意味、公開プレイじゃないっすか。おまけに具体的に決定していないのに、もう破局出来ないという凄いプレッシャー。


……情報が氾濫する今日、冠婚葬祭で公共電波を使うのならば確定してからにして欲しい。


◆アメリカ◆



太平洋を越えて、アメリカでも一般国民への目眩ましが只今活発です。何故か。これまで大手メディアが「陰謀論」と一笑に伏してきた話題の一つが、一般人のシープルでも「その陰謀論の方が正しくね?」と思える新展開を遂げているからなんです。

今週、FOX5というワシントンのローカルTV局の報道によって、昨年7月にウィキリークスが大量公開した民主党全国委員会の内部情報の出所が、大手メディアがこぞって責めていたロシアではなく、セス・リッチなる内部告発者だという線が濃厚になりました。

ちなみに民主党がヒラリー側。民主党全国委員会の幹部連中はサンダースを蹴落として、ヒラリーを指名したがっていました。(※トランプさんは共和党。)

セス・リッチ殺害事件(殺されて犯人捕まってません)の内容に関しては明日詳しくご説明するとして。ま、当然、「ロシアのせいにしたのは誰や?」と、なっちゃいますよね。いやまぁ、民主党全国委員会自体と大手メディアがロシアを散々非難していたんですけどね。

民主党全国委員会はFBIの捜査を拒絶し、ただの民間会社クラウドストライクに情報流出の犯人調査を依頼しておりまして、そこって共同創業者がドミトリ・アルペロビッチなる人物なんです。ウクライナのオリガーキ、ビクトル・ ピンチュクが資金提供しているシンクタンクの上級研究員でもあります。ピンチュクはクリントン財団に大金を寄付しています。シンクタンクからはヒラリーに賞も贈りました。

クラウドストライク社の最大出資者はグーグルの持株会社のエリック・シュミット会長。もち、ヒラリーのお友達で大統領選も支えていました。簡単に言うと、アンチ・ロシアでヒラリー・ラブな会社です。そこが民主党全国委員会のハッキングの犯人はロシアのハッカー集団って適当な調査結果(※根拠にしたのは誰でも使えるマルウェア)を昨年発表しちゃっているんです。

この会社、ウクライナ軍を長期間追跡して榴弾砲を大量損失させたのは、同じハッカー集団だって調査も同時期に出しているんですが、データを使われたイギリスのシンクタンクからも、ウクライナのプログラム製作者からも、「何それ初耳、間違ってるし?」って反論されちゃってるお粗末さ。ウクライナ軍は、ハッキング事件の存在自体に首を傾げています。

そもそもね、同じような時期に平行して、ウクライナ軍のアプリにハッキングかけたり、アメリカ大統領選を妨害したり、そんな大忙しのハッキング集団がいるんですか。いるとして、ちゃんとした証拠が残っているなら当時のオバマ政権が大喜びで発表してますって。

元々ツッコミ所満載だったんです。さぁ困った。


◆ワシントン・ポスト◆



今週月曜日、FOX5の最初の報道から1時間足らずで何が起こったでしょう。ワシントン・ポストが突如としてスクープ記事を発表します:
トランプがロシアの外相と大使に極秘情報を漏洩

過激なヘッドラインですね。一国のトップが外患罪を犯しちゃいましたか。タレこんだのは「現役そしてかつてのアメリカの当局者複数」……誰やねん。とにかくなんか分からん人たちによると、このせいでトランプさんってばダーイッシュに対する諜報活動を危険にさらしちゃったんですって。同盟国からもたらされた貴重な内部情報で、ワシントンの政府内でも知らされていたのは極少数だったのに!

で、肝心の極秘情報の中身はというと、ダーイッシュが空港のセキュリティ・チェックを潜り抜けちゃう機内持ち込みノートパソコンの爆弾を作れるってこと。この記事を取り上げた独立系メディアの皆々さんに、「とっくの昔からそんな情報、出回っとるわ!」と嘲笑されていました。そして会談に出席した高官によると、トランプが言及したのはテロへの懸念だけ。

ちなみに米国大統領はどっちにせよ機密情報を開示してもいいんです。その権限が与えられているんです。オバマもちょいちょいやってました。第一、ロシアと協力しながらダーイッシュ捕まえるんでしょーが。ほな、教えとかなあかんやん。CNNもNBCも物凄く詳しく報道済ですけどね。RTは4月1日に記事にしています。ラブロフさん、そんな古い情報は要らないと思う。ググったらいーんだもん。


知ってます? ワシントン・ポストって2013年に買収されて、今はアマゾンの創業者ジェフ・ベゾスの単独所有なんですが、ベゾスって同じ年にアマゾン社の方でCIAと6億ドルの契約も結んでいるんですよね。ワシントン・ポストは2億5千ドルでご購入なので、倍以上の税金をCIAから獲得してます。ウハウハですな。

またワシントン・ポストは、今年の2月にはピザゲートでもヒラリーと仲良しなジョン・ポデスタを社説の特別寄稿者として雇うと発表。昨年の大統領選ではヒラリー陣営を統括する責任者で、偉く物騒な会話をお仲間としていたんです。昨年秋にウィキリークスがポデスタの個人メールを大量暴露して発覚しました。

2015年2月のメールなので大分前になりますが、「確実な裏付けがあろうとなかろうが、内部告発者とおぼしき人間を見せしめにすることに私は大賛成だね」と書いてまして、選挙活動委員長のロビー・ムークが「見せしめ、いいですね」と大乗り気。

ヒラリー陣営の一部がマスコミに情報を軽々しく漏らしてしまうことに憤慨し、これからは「内部規律を越える戦略が必要だ」と話していました。確実な証拠もないのに、内部規律の範囲を越えて罰してやるとか言う、マフィアみたいな連中だったんだ……え、もしかしてセス・リッチが見せしめだったの? と新たな憶測を呼んでいる渦中の人物です。



◆ニューヨーク・タイムズ◆



目眩まし報道に戻りましょう。流石に一時間以内の突貫工事はいけませんね。あからさまです。そこで翌日、ニューヨーク・タイムズへバトンタッチ
コーミーのメモ曰く、トランプがフリンの調査を打ち切るよう指示

コーミーってのは2013年から今月までFBI長官を務め、ヒラリーのメール問題の調査を勝手に打ち切りやがった人物です。トランプがいきなりクビにしました。フリンは同じくトランプがカッとなって、今年2月に採用一箇月足らずでクビにしちゃった国家安全保障担当補佐官です。

マイケル・フリン元陸軍中将のことは、シャンティさんの記事でも何度か取り上げられています:

    トランプ政権:国家安全保障担当補佐官にマイケル・フリン中将 軍事的緊張は緩和へ
    トランプ政権に不安を持つ米軍関係者ら、過激なマイケル・フリン氏
    核戦争を回避しようとしていたフリン米大統領補佐官が辞任 〜イエズス会がトランプ政権内部に送り込んだスティーブ・バノン〜
    北朝鮮の高度な弾道ミサイルとトランプに対する脅し、フリン氏の解任との関係


イスラム教徒に関しては短絡的ですが、少なくとも悪い人じゃなさそうです。

なのにロシアと通じているんじゃないかって叩かれています。トランプも心情的に、FBIがそこまで捜査に躍起になるような件じゃないだろ、と言いたかったのかもしれません。トランプ自身、ロシアのスパイ扱いされていますからね。フリンをクビにはしたものの、翌日にはコーミーに「彼はいい奴だよ。そっとしておいてやれ」と発言した、とメモに書いてあるそうです。

でもちょっと待って。この「メモ」ってトランプが書いたんじゃありません。コーミーがトランプと話した後に一人で書いたって主張しているんです。出張先のTV報道で自分のクビを知らされた人ですよ。部下たちの面前で恥かかされて(※本人は最初、冗談だと思って笑い飛ばしていた)、今は怒り心頭じゃないでしょうか。今年の5月じゃなくて、2月に書いた紙切れだって話、証明可能なのでしょうか。

そもそも、このニューヨーク・タイムズの記事も下の方までちゃんと読んでいくと、記事を書いた記者はメモを見せてもらってないと告白しているわ、政府は「大統領が司法介入して、捜査の打ち切りを指示したことはフリンの件に限らず一度もない」と全面否定のコメント発表しとるわ、FBI長官を現在代行しているマッケイブは11日に公聴会でトランプ陣営とロシアの繋がりを調査するにあたってこれまで妨害は無かったと証言してるわ……うん、だからさ。何、この記事。



◆まとめ◆



大手メディアは尻尾振って拡散しているようですが、トランプも対抗策は講じていたようです。12日の時点で自身のツイートにて「メディアに情報を流し始める前に、ジェームズ・コーミーは我々の会話の“テープ”が存在しないことをせいぜい祈っておくことだな」と呟いていました。録音してたんですね。

結局、「フェイク・ニュース」って大手メディアの書く記事のことみたいです。この点は日本も、その飼い主のアメリカも大して変わりません。戦後も大本営発表が続いているのです。

ふと、ドイツのジャーナリスト、ウド・ウルフコテ氏の告発を思い出しました。櫻井ジャーナルの「ジャーナリストがCIAに買収されている実態を告発した元FAZ編集者が13日に心臓発作で死亡した」という記事には、ワシントン・ポストやニューヨーク・タイムズとCIAの半世紀以上に渡る癒着の歴史が解説されています。

文・Yutika

※参考記事一覧は、明日の第2弾、セス・リッチ殺害事件の説明の終わりに纏めて載せます。

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