自殺率が最も高くなる新学期…専門家の助言「学校に行きたくなかったら、行かなくてもいい」 〜“積極的不登校”のすすめ〜

竹下雅敏氏からの情報です。
 新学期前には、子どもの自殺が増えるということです。学校でイジメに遭っている子どもたちなら、なおさら、その傾向が高くなると思われます。
 記事の中の上野動物園[公式]のツイートは、とってもいいですね。この前、パンダの赤ちゃんが生まれた時のニュースで、園長は、“母親が子育てに専念できる環境をまずはしっかり作り、しばらくは不安定な時期も続くので、観察をしっかりしていきたい”と話していました。
 このニュースを夫婦で聞いていて、“パンダだったら、本当に大切な事は何かがわかってるね”と話しました。“子育てに専念できる環境”は、パンダのためには最も大切なことなのです。
 ですが、人間の子の場合は、そうではないようです。母親は子どもを保育園に預けて、出来るだけ早く社会復帰することが望ましいようです。このパンダと人間の扱いの違いは何なのか? ここを少し考察すると、物事の本質が見えてくるのではないでしょうか。
 記事の最後のあたりで、“しばしば自殺へと未成年の背中を押すのは…無関心であること…ほぼ全ての子どもは自殺前に注意を引こうと試みる”とあります。ほとんどの親は、子どもの成績には関心が高いものの、子どもの幸せのこと、あるいは子どもそのものには全く無関心なのではないでしょうか。
 うちの家では、子どもが幸福であることを最優先にしていましたので、“学校に行きたくなかったら、行かなくてもいい”という専門家の助言を実践していました。“息子は週2回なら学校に行っても良い”ということで、小学校低学年では週休5日でした。そのせいか、実にのびのびと良い子に育ちました。つくづく、学校に行かなくて良かったと今でも思っています。
 在学当時は、我が家の“積極的不登校”を批判的に見ていた担任の先生も、その後、ご自分の息子が不登校になるや考えを改めたようで、うちの息子が立派に成長したのを見て、羨ましがっていました。
 この意味で、大人も子どもも、社会の枠から外れることを恐れたりすべきではありません。最も大切な事は、一人ひとりが輝くことで、成績や学歴等ではありません。その意味で、“積極的不登校”、あるいは“ポジティブな引きこもり”という概念は、推奨すべきものだと思われます。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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【埼玉】所沢パークタウン武蔵野団地で高校1年の男子生徒が飛び降り自殺 新学期前に急増する自殺に林文科相「きっと誰かが助けてくれます」
転載元)
どんなにゅーす?

2017年8月31日、所沢パークタウン武蔵野団地の非常階段付近で、公立高校1年の男子生徒が倒れているのが見つかり、その後死亡が確認された。飛び降り自殺をした可能性が高いという。

・厚労省などのデータによると、新学期前(夏休みが終わる直前)に学生たちの自殺が増える傾向が強いとのことで、林芳正文科相は「誰にでも良いので、悩みを話してほしいと思います。誰かがきっと助けてくれます 」などとコメントした。

埼玉で高1生徒死亡飛び降りか、文科相「24時間相談窓口に」

31日午前2時ごろ、所沢市にある県営住宅の非常階段の近くに若い男性が倒れているのが見つかり、その後、死亡が確認されました。飛び降り自殺をした可能性が高いとみられていますが、警察は1日、死亡したのは県内の公立高校に通う高校1年で16歳の男子生徒と発表しました。

(中略) 

夏休み明けに子どもの自殺が増える傾向にあることから、林芳正文部科学大臣は、1日の会見でこのように述べました。
誰にでも良いので、悩みを話してほしいと思います。誰かがきっと助けてくれます 」(林芳正文部科学相)
林大臣は、周りに相談しづらい場合は、文科省の24時間相談窓口に電話して欲しいと子どもたちに呼びかけました。

【24時間相談窓口】 0120-0-78310



【TBS News 2017.9.1.】


(中略) 

今の日本に定着してしまっている教育は、「いかに社会の枠から外れずに、自らの感情を上手にコントロールし、大きくのしかかるストレスに耐えながら、権力の言う通りに働く従順な人間(いわば奴隷)を量産するか」という点に主眼を置いたものになってしまっており、これは実のところ、(お国のために自らの命すらも進んで捧げた)大日本帝国時代ともその根本はあまり変わっていない。

【貴重動画】戦時中のアメリカが製作したプロパガンダ映画「汝の敵日本を知れ」で描かれている内容が、「今の日本と酷似している」と話題に! 

だから、恐らく、このように自らの命を絶ってしまう子供たちは、大人が作り出した「社会の枠」から外れそうなところを、何とか必死に自らの存在を枠の中に収めようと努力し、それでもどうにも自らの心をコントロールできなくなった子供たちが、「最も選んではいけない選択肢」を選んでしまうのだろう。

(以下略、続きは引用元でご覧ください) 


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子へのなおざりな態度が、取り返しのつかない行動へと背中を押す
転載元)
リュドミラ サーキャン
8月31日、埼玉県の県営住宅の敷地で男子高校生の遺体が発見された。警察は飛び降り自殺と見て調べている。未成年の自殺というニュースは、どの国で起ころうと衝撃を与える。学校の新学期が始まる日の9月1日は、日本の子供たちの自殺率が最も高くなるというデータがある。これは、学業不振や人間関係など学校でのマイナスの経験から来るストレスによるものだと推測されている。夏休み後に学校に対する恐怖が高まるのだ。

スプートニク日本

日本の警察庁の統計によると、自殺者全体の数は03年をピークに減少傾向にあるが、小中高生の自殺は年間300人前後と、この10年間変化がない。

(中略) 

厚生労働省のデータでは、15~19歳では自殺が死因の1位で、10~14歳が2位となっている。この年齢層の子供たちは内面がまさに形成されているところで、非常に繊細。何気ない出来事でさえ、自殺のきっかけになりうるのだ。

警察庁の統計によると、小中高生の自殺の原因で最も多いのは学校問題(36.3%)で、家庭問題(23.4%)、うつ病など健康問題(19.7%)が続いた。学校問題で、悪名高いイジメが原因とされたのは全体のわずか1.9%だった。

日本政府は2007年6月初めて、自殺防止の指針となる自殺総合対策大綱を定めた。学校でのいじめは調査され、いじめ予防策が取られている。しかし、小中高生のいじめは減っていない。自殺予防に詳しい高橋祥友・筑波大教授(精神科医)によると、子どもの自殺リスクは、いじめなどの学校問題のほか家庭や精神疾患など複数のファクターから高くなり、そこから何かをきっかけにして自殺が起きる。高橋教授はそのため、いじめが深刻な問題であることを認めつつ、いじめ予防策だけでは自殺防止としては不十分だとの見方を示した。

東京都監察医務院の福永龍繁院長は、10代の自殺の動機はわからないことが多いが、動機が不明なことを前提に対策を考える必要があると指摘する。

いじめ問題に取り組むNPO「いじめから子供を守ろう!ネットワーク」の児童・生徒向け掲示板では、小中高生の保護者たちがいじめ被害者の相談に乗り、自身の経験や助言を共有している。いじめの相談は長期休暇終了前に増える。いじめ解決を支援するNPO法人ユース・ガーディアンは、いじめ自殺防止のための共同宣言を策定。次のような助言が載っている。

学校に行きたくなかったら、行かなくてもいい。 
学校が君にとっての地獄なら、行かなくてもいい。
ただ、教えてほしい、何があったのか?何が起きたのか?
もし、今、話すことがつらかったら、話せるときまで私たちは待っている。命はリセットできない。」

世界精神医学会(World Psychiatric Association)のデータによると、しばしば自殺へと未成年の背中を押すのは、両親が常に多忙であったり周りの人が子どもの問題や心配に無関心であること。また、各国で行われた実験が示すところ、ほぼ全ての子どもは自殺前に注意を引こうと試みる。何らかの問題があるという信号を出すのだ。自殺願望をはっきりと告げる子どももいる。子どもからの信号に対する完全な無視は言うまでもなく、注意を払わない疎かな態度は、取り返しのつかない行動へと子どもの背中を押すのだ。

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