ドル離れと金に裏付けられた新金融システムの出現…ドルの大幅な切り下げで新興国や日本は大混乱

竹下雅敏氏からの情報です。
 昨日取り上げたスプートニクのピーター・ケーニッヒ氏のインタビュー記事の続きです。記事をご覧になると、世界情勢の方向性がよくわかると思います。
 フルフォード氏がこれまでに何度も言及していたように、“今やSCOとBRICS諸国は、世界の人口の約半分を占め、世界のGDPの三分の一を支配しています。彼らは生存のために西欧を必要としてはいません”。なので、貿易にドルを使う必要は無いのです。
 ただ、急激な新金融システムへの転換は、ドルに依存している新興諸国に大きなダメージを与えるので、“慎重かつ徐々に行わねばなりません”。そうした国々の準備金は、ほとんどドル建てなので、金融システムが崩壊すると、これらの新興国も破綻してしまう可能性が高くなります。そうしたことが起こらないように、事前の合意と入念な準備が必要なのです。
 金に裏付けられた新金融システムの出現で、世界は多極化に向かいますが、そうした中で、アメリカが大国として生き残るためにも、金で裏付けられた新しい財務省通貨を発行しようとするのではないかと思います。いわば、ドルの大幅な切り下げという形になりますが、これは、膨大な量の米国債を保有している日本や、ドルの準備しか持っていない新興国にとって、大打撃となります。事前の調整をしっかりとしておかなければ、新金融システムが始動した際に大混乱になってしまいます。
 トランプ政権の後ろ盾である軍部は、これまで、新金融システムを立ち上げるために努力して来たグループなので、方向性としては、ロシア、中国と協調していると思われます。
 下のツイートでは、ベネズエラのマドゥロ大統領が、“石油取引をドル以外にすると宣言”とあります。トランプ大統領は、ベネズエラに対して強硬な発言を繰り返していますが、ベネズエラはロシアが守ることになっているはずで、裏ではロシアと米軍の合意があるものと思われます。
 こうした流れの中で、上のツイートの“北朝鮮への制裁を守らないなら、中国にドルで取引することを禁止する”という米財務省の中国に対する脅しは、どう理解すれば良いのか。これはほとんど、アメリカの経済的自爆攻撃のようなものです。逆に言うと、それだけアメリカが追い詰められているということで、さらにはFRBを所有している銀行家連中が、追い詰められているという証だと思います。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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ロシアと中国間の金取引 - ドル離れに向けて前進?
スプートニク、スカイプ・インタビュー書き起こし、2017年9月6日
ピーター・ケーニッヒとスプートニク
Global Research
2017年9月7日

(前略)

ピーター・ケーニッヒ:(中略)… 中国とロシアは、欧米経済からの完全独立に向けて急速に動いています。(中略)… 今やSCOとBRICS諸国は、世界の人口の約半分を占め、世界のGDPの三分の一を支配しています。彼らは生存のために西欧を必要としてはいません。その逆です。(中略)… しかしBRICSやSCOに参加したいであろう、あらゆる新興諸国の経済は、依然相当程度アメリカ-ドルに依存しているので、慎重かつ徐々に行わねばなりません。こうした国々の準備は、依然ほとんどドル建てです。そして、もし欧米のシステムが急速に崩壊すれば、そうした国々は大損することになるでしょう。

(中略)

スプートニク: 今、まもなく中国が、元建て、金兌換の原油先物契約を始めるものと予想されています。この構想はグローバル石油ゲームのルールをどのように変え得るでしょう?

(中略)

PK: あらゆることを変えるでしょう。(中略)… ドルを基本とする欧米通貨制度から離脱し、そのかわりに元やルーブルや金や他の国の通貨で貿易をすれば‘経済制裁’が全く無効になります。(中略)… 欧米のドルを基本とする通貨制度は、ドル以外の国際貿易契約によって、徐々に権力の座から降ろされ、解体されるのです。

(以下略)

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配信元)

 

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