[第31回] 地球の鼓動・野草便り
「シャーマンの弟子になった民族植物学者の話」を読んでーその(2)


「シャーマンの弟子になった民族植物学者の話」を読んでーその(2)

▶︎ 前回からの続きです。


私は自給自足を目指して、自然農法、炭素循環農法、自然栽培・・・いろいろ習うのですが、結局我流になってしまい、最近は果樹と野菜と草を一緒にして、あまり手をかけずにできたらいいなぁなどと考えていました。

すると・・・『シャーマンの弟子になった民族植物学者の話』の中で、インディオの農業についてのくだりがありました。


インディオの農地はいかにも手入れが行き届いていないように見える。マオニクの木の間に、パパイヤや白胡椒、サトウキビ、ヤムイモなどがてんでばらばら入り混じっている。(中略)
あまりにも生い茂った畑を見て、アンダーソンははじめ、放棄された畑だと思った。しかしよくよく調べてみて、この植え方はまさに農業の天才だと彼は悟ったのだった。

「アメリカやヨーロッパの言葉をあてはめれば、その畑は、菜園であり、果樹園であり、薬草園であり、ゴミ捨て場であり、堆肥の山であり、蜜蜂の楽園であった。畑は急峻な斜面の上にあったが、崩れる心配はない。土壌が文字通り全面的に覆われているから、どんな天候にも耐えそうに見えた。乾燥した季節でも湿度は保たれる。同じ種類の植物は離れ離れに植えられているので、害虫や病気が発生してもそう簡単に広がる心配もない。」(下巻97p)
<にゃんにゃん母さん注記> アンダーソン:植物学者のエドガー・アンダーソン


また、インディオが白人の畑を見て幼稚だと感じ、笑ってしまう場面があります。

「マニオクを見てみろ!あんなに間をあけちゃだめだ。おれたちの畑ではくっつけて植えてあるだろ。葉を重ね合わせて森の屋根みたいにするんだ。そうすれば直射日光や雨が地面にじかに当たらない。それにこいつらはひと種類しか植えてない。おれたちの畑には二十種類以上のマニオクを植えてある。種類を違えておくと、害虫が広がらないですむんだ」(下巻54p)
<にゃんにゃん母さん注記>
マニオクの別名:木芋、イモノキ、タピオカ、キャッサバ、カッサバ、マンジョカ・・・木にできる芋で有毒のものとそうでないものがあり、有毒のものはすりおろし水にさらして乾燥させてデンプンの粉にして、パンやビールに。
そういえば我が家にもいただいたタピオカ粉があり、片栗粉と同じように使っています。

また、雑草を綺麗に抜いてあるのを見て、雑草があれば雨季に土が流されないなど、雑草の必要性を指摘しています。


このインディオの畑の作り方を読んで、漠然と考えていたことがわかったような気がします。やってみなきゃわからないのですが、例えば・・・

  • 好きな果物の木を植えて、木の下にミョウガやミツバ、ハーブや薬草を生やす。
  • 日当たりには芋や豆や大根、人参やあれこれを少しずつ植える。
  • 出来るだけ野生種や生でいただけるものを植える。
  • 植えっぱなしで、必要分だけいただきながら、少しずつ手入れできるもの。果樹、ヤマブドウ、アオツヅラフジ、アケビ、マツグイビ、ニラ、ラッキョウ、ニンニク、ネギ、玉ねぎ、キクイモ、ジャガイモ、里芋、こんにゃく、ウコン、イチゴ類、ハーブ類、ミョウガ、ミツバ、薬草、他。
  • 自家採種または種が落ちて自然に生えてくるもの。 オオタカブナ、ニンジン、ダイコン、ゴボウ、トマト、キュウリ、カボチャ、トウガン、スイカ、ウリ類、ピーマン、ナス、トウガラシ、豆類、麦類、他。
  • もし湿地があれば、マコモ、セリ、ハス、クワイ、などを植える。



インディオの農法は自然の性質をありのままに受け入れて生かしているのでしょう。

インディオさんの域には到底及ばないかもしれませんが、自然を感じながら、近づけたらいいなと思います。そして年間通して食べる分が恵まれれば大成功ですね。
省力、省エネで外部への経済効果は0でも、自分たちへの経済効果は100。自然の生態系の一部になったようなインディオ式農法です。

それにインディオさん達は部族の誰かが植えた畑のものを、必要なら貰ってもいいことになっているのです。後で、持ち主に報告だけは必要です。私たちの日本でも、おすそわけ文化があり、出来すぎた野菜や果物を頂いたりしますね。
yasou
ところでこの頃、生食しているものに、栗、とうがん、とうもろこし、ピーマン、原木椎茸(傘の部分は半干しにして)、にら(塩もみしてシソの葉や穂、とうがらしを入れ漬物風など)、キクイモの花びら(醤油漬け)、ヒメムカシヨモギの綿毛と種(醤油漬け)、乾燥させた野草の粉などがあります。これが以外と美味しいのです。


無肥料の小さな玉ねぎも、水にさらさないでも苦味がなく、辛味も少なく甘くて美味しいです。さつまいもも生で食べると教えていただいたので、収穫したら食べてみようと思っています。

なんとなく火を通すのがいやだなぁと思う時、生でいただきます。ただし、発芽させた生玄米をあまり噛まずに食べ過ぎてちょっと胃にこたえました。生は少しの量をよく噛んでいただくと、少量で満足しますね。


yasou
自然賛歌

仲秋の名月

ツクバネ・・・ビャクダン科の寄生植物、樅(モミ)などの木の根に寄生



イヌザンショウの実



ガマズミ



ミゾソバにアオクサカメムシ



赤花ソバ




ナギナタコウジュ



フユノハナワラビ

ヌメリイグチ・・・フナバといって味噌汁に入れるとトロッとして美味しい(洗ってそのまま汁にしますが、図鑑にはゆでこぼしをするとかいてあります)松の木のあるところにはえる。


キバナアキギリ・・・花弁を押し下げると2本の雄しべが出て蜂を抱く






■ 参考文献

シャーマンの弟子になった民族植物学者の話 マーク・プロトキン/著、屋代通子/訳 築地書館
イー薬草・ドット・コム
「大地の薬箱 食べる薬草事典」 村上光太郎/著 農文協
「カラダ改善研究所 自然のチカラいただきます」中村臣市郎/監修 西日本新聞社



ライター

ニャンニャン母さんプロフィール

ニャンニャン母さん

プロフィール:1955年魚座生まれ、広島の県北 中山間地域在住、
体癖はおそらく2ー3種

20代の頃「複合汚染」有吉佐和子/著 を読んで、食の環境悪化を考えた時、野草を食べることを思いつき、食料としての野草研究を始める。
全くの素人ながら、健康住宅の設計事務所に入社し、健康住宅を学ぶ。
残された人生と限られた時間について気付かされ、仕事を辞め、自給自足を目指す。
平成22年頃、古民家を借り、Iターン。野草教室を開催。
「古民家カフェ・むす日」「山のくらしえん・わはは」「クリエイティブ・アロマ」等にて野草教室。

現在、野草好きになった87歳の母と、無関心な33歳の長男と猫3匹と暮らしています。

Comments are closed.