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「ワインは、人である。」
直前に調整がとれた私は、早速2日目のチケットをゲットしました。初日分は完売でしたが、初日の夜はヴィナイオッティマーナB面として、造り手さんたちが色々なお店に分散するとのこと。予約無しでも大丈夫なところを調べると、なんとカーザ・デイ・タヤリンのマウロ・ムッソ氏も来ているではないですか。
早速、初日、B面に突入です。
穏やかで静かでちょっとふかふかのお相撲さんのようなマウロ・ムッソ氏。
「古代小麦の原種は味わいが深く、栄養価も高い。ただグルテンがあまり無いので、他の小麦数種類と混ぜ合わせる、その配合を研究して美味しさを追求したのがこれです!」とパスタを手に説明してくれました。品種改良されていない小麦を無農薬で栽培し、調理方法も最善を研究されるマウロ氏。
なぜパスタを湯に入れてからかき回さないのか聞いたところ、
「グルテンがあまり無く弾力がないので、形を壊さないためです。体によく消化吸収するための工夫は大切です」と。氏は通訳を交えて私と店で知り合ったもう1人の問いに真摯に、そして熱く語ってくれました。
そしてついにマウロ氏が着替えて調理台に立ちました!湯加減を見張る眼差しは、哲学者です。
写真は、春菊のソースとカラスミのソース!
ツルツル飲むかのようないつものパスタとはまるっきり違って、しっかり噛みしめて食べるパスタです。パスタという既成概念がぶっ壊れました。美味しいソースを引き立てる、深くて濃い味わいに細胞も大喜び!
マウロ氏とともにワインの造り手であるカノーニカ氏一家も一緒でした。奥さん、娘さんと来られていました。
イタリア北部のピエモンテ州、バローロ村で生産する赤ワインをバローロというそうです。何も知らないで参加している私。
地震は大丈夫だったのか聞いたところ、地震は中部だったので北部は大丈夫だったとのこと。この日の東京は寒かったのですが、イタリアでも北部の山の方は東京より寒いそうです。ブドウ畑の写真があれば見たい!といったところ、イタリアに戻ったらメールしてあげるよ!と。おお、グラッチェ!!
得意ではないのだが、といいながらも英語でいろいろと説明をしてくれて(私は英語もよくわかっていないのだが汗)・・・思い返すと、太田氏の言葉がぴったりです。「謙虚、実直、誠実・・・ジャンニ本人にも彼のワイン自体にもいえる事」まさにワインと同じようにすうっと身体に染み込んでくるようでした。
この優しい眼差しそのもののジャンニ・カノーニカ氏。『彼自身が納得しない年のワインは自らボトリングをせず、桶売りしてしまう。畑ではボルドー液以外の一切の薬剤を使用せず、ワイナリーでもボトリング時にごく少量使用されるニ酸化硫黄以外、何も添加される事がない』というように、太田氏がジャンニ氏を、バローロの良心というのがよくわかります。翌日のヴィナイオッティマーナの会場で会うと、奥さんと娘さんもチャオ!と気さくに声掛けしてくれて、ちょっと、いや、かなりイタリアーノな眼差しになりました。私も。
初対面でも家族のような彼らの親密性は、翌日会場に集った500人あまり?の日本人の意識を確実に変容させていました。本来の日本人へと。
・・・種子法が廃止されて、このまま規制改革推進会議のいいなりになっていたら、多国籍企業の思惑通りに農業は支配されてしまい、このような理想的な農業生産物はできなくなってしまうのですから。
2日目につづく(太田氏とトリンケーロ氏にも会えました編!)
「ワインは、(テロワール、ブドウ、そしてヴィンテージよりもなによりも)人である。」というヴィナイオータ代表の太田さん。そのオータ説を実感してもらうためのヴィナイオッティマーナ!(ヴィナイオータ、最高の、1週間、の造語)ブログにて、ワインの造り手さん、そして彼らの良心や覚悟を熱く語る太田さんが、イタリアからなんと総勢30数名の個性的な面々を呼んでしまうというぶっ飛んだお祭りです!
ちょうど種子法廃止による食の行く末をあれこれ?と案じていた私も、自然環境に最大限の敬意を払った農業を心がけている、実直で明るい彼らに会えて、どこかとってもほっとしました。
11/25(土)26(日)には大阪でも開催されます。取り急ぎ、間に合うように初日分をレポートします。2日目分は来週になるかもです。