注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
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戦争で金儲けしようと考える企業は多そうだが、それを可能にする仕組みを守ることも戦争の目的
引用元)
櫻井ジャーナル 18/1/15
(前略)
アメリカが戦争を続けられるのは、世界が不換紙幣であるドルを基軸通貨として受け入れてきたからだ。アメリカ支配層は必要なだけドルを発行できる。が、勿論、発行されたドルを放置しておけばハイパーインフレになってしまう。
(中略)
そうした状況でドルの貨幣価値を維持するための仕組みが考えられている。そのひとつがペトロダラー。つまり産油国に対して石油取引の決済をドルで行うように求め、世界がドルを集める環境を作った。
(中略) 投機市場はバブルになり、相場は暴騰、評価益で巨大資本や富豪たちの資産は飛躍的に膨らむ。その資産力は支配力につながった。
日本にもペトロダラーと同じ仕組みが存在しているように見える。企業がアメリカで売った商品の代価として受け取ったドルを日本はアメリカへ還流させなければならないが、企業は利益を確保したい。そこで日本政府は庶民のカネでドルを買い、アメリカへ還流させてきた。もし日本政府が保有するアメリカの財務省証券を売却したなら、その責任者は社会的な地位、資産、収入を失うことになるだろう。いや、そうなる前に処分されるに違いない。
(中略)
アメリカの傀儡である安倍晋三首相は黒田東彦日銀総裁と組んで「量的・質的金融緩和」を実施してきたが、それによって流れ出た資金も投機市場へ向かう。(中略) 投機市場の縮小を防ぐため、ETF(上場投資信託)やGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)も利用されている。こうした政策で彼らが日本経済を回復させようとしているわけではない。アメリカの支配システムを支えようとしているのだ。
(以下略)
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ペトロダラーの終焉か、人民元建て原油先物の取引開始迫る
引用元)
Yahoo!ニュース 18/1/9
■ペトロダラーに挑戦する中国
この議論を理解するためには、「ペトロダラー(Petrodollar)」の話から始めなければならない。
(中略)
国際基軸通貨としてのドルの地位を維持するために、あらゆる国が必要としている石油をドルのみで取引する体制を創出・維持することを通じて、ドルの地位を守るアメリカの国家戦略システムと言える。
(中略) このペトロダラーの再循環(リサイクル)体制こそが、米国が世界最大の超大国としての地位を守るために、重要な役割を果たしていると考える。
(中略)
ロジックとしては、あらゆる国家は石油を必要としており、その国際決済をドルで行う限りは、産油国に巨額のドルが流れ込むことになる。そして、産油国はこのドルを米国債購入などを通じて米経済に還流させることで、アメリカの経済・財政を支援することになる。そしてアメリカはこうした流れを維持するために原油価格を高値誘導する必要があり、国際通貨基金(IMF)などを通じて新興国に資金援助(ドル)を行い、そのドルが原油購入を通じて再び米国に帰ってくる流れになる。
(以下略)
この議論を理解するためには、「ペトロダラー(Petrodollar)」の話から始めなければならない。
(中略)
国際基軸通貨としてのドルの地位を維持するために、あらゆる国が必要としている石油をドルのみで取引する体制を創出・維持することを通じて、ドルの地位を守るアメリカの国家戦略システムと言える。
(中略) このペトロダラーの再循環(リサイクル)体制こそが、米国が世界最大の超大国としての地位を守るために、重要な役割を果たしていると考える。
(中略)
ロジックとしては、あらゆる国家は石油を必要としており、その国際決済をドルで行う限りは、産油国に巨額のドルが流れ込むことになる。そして、産油国はこのドルを米国債購入などを通じて米経済に還流させることで、アメリカの経済・財政を支援することになる。そしてアメリカはこうした流れを維持するために原油価格を高値誘導する必要があり、国際通貨基金(IMF)などを通じて新興国に資金援助(ドル)を行い、そのドルが原油購入を通じて再び米国に帰ってくる流れになる。
(以下略)
アメリカがこれまで、ずっと戦争を続けてこれた理由がまさに、この「石油本位制ドル」ペトロダラーでした。アメリカ支配層は、金(ゴールド)と切り離されたドルを好きなだけ発行することで巨額の軍事支出が可能です。その時ハイパーインフレを防ぎ、ドルの価値を維持する仕組みとしてペトロダラーが機能しました。アメリカが産油国に対し石油取引にドル決済を求めることで、産油国には巨額のドルが流れ込みます。産油国は、この集まったドルを、米国債の購入などを通じて米経済に還流させます。ドルは投機市場を介して巨大資本や富裕層の資産を飛躍的に増大させ、ひいては支配力を強化します。そしてアメリカは、石油を必要とする新興国に対し、IMFなどを通じて資金(ドル)援助を行い、原油購入代金とさせます。そうしてドルは、再び産油国へと流れ込みます。
さらに日本でも同様の仕組みを使って、企業の得たドルではなく庶民の資金で米国債を購入し、アメリカにドルを還流させてきました。もしも日本国民のために米国債の売却など試みようものなら「処分」されるとありますが、事実そうした政治家を見てきました。
アメリカの傀儡である黒田日銀総裁の量的・質的金融緩和策は、よもや日本経済回復のためなどではなく「アメリカの支配システムを支えようとしている」だけであると指摘しています。
ドルが世界の基軸通貨であることが大前提の、こうした仕組みが、世界最大の経済規模を確立した中国の「人民元建て石油先物取引」によって、とどめを刺されることになります。
日本のための舵取りをする政治家であれば、取るべき道は決まっていると思うのだけど。