パイル生地を利用した 排水処理技術 〜 イトミミズで環境に優しく下水処理

読者からの情報です。
 私は、下水道に関わる仕事をしています。
関西のテレビで去年の5月に良い情報が出ていましたのでお伝えします。
和歌山のオーヤパイルという会社が作ったパイル織物を浄化槽に入れた状態で曝気しますと、その不織布が糸ミミズの住処になり、糸ミミズが大量に発生し、余剰汚泥を8割近く分解してくれるとのことです。
下の項目の水質浄化用パイルフリンジの話や和歌山工業試験場によるデータをご覧ください。
 一つの水槽の中で役割の異なる微生物が共存し、みんなが生かされれば余剰の汚泥は出なくなるという良い例です。浄化槽という人工的な環境であっても、やはり、生き物全体が生かされるような環境を作ることが大切なのです。
(匿名)
 和歌山県特産のパイル織物とイトミミズの組み合わせを活用して、同じく和歌山県特産の梅の加工場で発生する産業廃棄物の排水処理をしてしまうという取り組みを紹介されています。「自然に学ぶ」「自然を利用する」「自然と共生する」をテーマにした研究に与えられるネイチャー・インダストリー・アワードを受賞されたそうです。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

————————————————————————
パイル生地を利用した 排水処理技術
引用元)


イトミミズで下水処理 (17/1/19 読売新聞)
◇パイル生地で増殖 微生物食べ汚泥減
(中略) 汚泥の原因になる微生物を食べさせ、処理費用の削減につなげる。
自治体が取り組むのは珍しいとみられ、先行導入した県内の梅加工会社では最大で約8割の汚泥削減に成功。
(中略) イトミミズは糸のように細い赤色のミミズで泥の中などに生息。(中略) 下水の処理槽に地元特産のパイル織物で作った生地を仕込んでイトミミズをすみ着かせ、下水の温度、成分などを調整して 自然増殖を促す仕組み。
県工業技術センターがパイル織物を扱う「オーヤパイル」(橋本市)、浄化槽などの設計、施工を手がける「エコ和歌山」(田辺市)と共同開発し、2015年7月に特許を取得した。
(以下略)

Comments are closed.