[In Deep] 私たちは毎日プラスチックを飲んでいる

 普段どこでも手に入るミネラルウォーターに、かなりのプラスティックが含有されているという不気味な調査結果が出たようです。
InDeepさんによれば「すでに海はプラスティックでいっぱい」で、海の幸をいただくことで私たちも相当のプラスティックに汚染されているはずですが、その上、ペットボトルの飲料水からもプラスティックを取り込んでいたようです。
この度WHOが、市販のボトル入ミネラルウォーターの90%以上に、水道水の2倍のプラスティックが含有されている可能性があると発表しました。中には、1リットルあたり10,000個の高濃度プラスティック粒子が検出されたものもあったようです。不味そう。見つかったプラスティックの多くは「ポリプロピレン」で、ボトルのキャップ部分のプラスティックだそうです。
普段、ペットボトルの飲み物を飲まない人でも、生活の中にはペットボトルが深く入り込んでいて、分別ゴミを見ると結構あったりします。
 取り込まれたプラスティックが人間の体にどのような影響を与えるかが心配ですが、これまでの調査では、「腎臓や脳の損傷」「子供の問題行動」そして「男性の生殖機能低下」が挙げられています。
 現代人は知らぬうちに、薬物だのプラスティックだのホットパーティクルだの、いろいろ取り込んでしまっているのだなあ。せめて、その危険を「知る」ことから始めよう。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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私たちは毎日プラスチックを飲んでいる : 世界保健機構(WHO)が「ペットボトル入りミネラルウォーターの90%以上にプラスチックが混入している」という調査結果に対し声明を発表
転載元)
(前略)
食物連鎖からペットボトルまで、あらゆるものから人体に入ってくるプラスチック

最近、ふたつの調査機関がそれぞれ、各国で一般的に消費されているブランドのミネラルウォーター中に「どのくらいのプラスチック片」が含まれているかを検証する調査をおこない、その結果を発表しました。
(中略)
今日はこの記事をまず、ご紹介したいと思います。

以前から「現在の海のプラスチックの状況」について、たまに記事にすることはありましたけれど、現在の海の状況というのは、微細なものから大きなものので、大変な数のプラスチックに満たされています。
そして、小さなプラスチックは小さな海洋生物に影響し、大きなものは大きな海洋生物に影響するということが現実があります。

(中略)

今は「海はプラスチックでいっぱい」の状況ですから、それが私たち人間に回ってくるのは、食物の連鎖的な部分で当然なのですが、今回は、「ミネラルウォーターのペットボトルからも」ということで、海以外からも、私たちの体内には日々プラスチックが入ってきているといえるのかもしれません。

今回のタイトルの「私たちは毎日プラスチックを飲んでいる」というフレーズは、同じ報道を扱っていたアメリカのタイムの動画ニュースに、以下のような文字での説明があったことによるものです。

3月15日の米国タイムの動画ニュースより



今は、どこの国でも飲料水をペットボトルのミネラルウォーターで摂取するのは、かなり普通のことだと思われます。ミネラルウォーターは確かに衛生的で、細菌や寄生虫は混入していはいません。しかし、プラスチックの含有量もまた豊富なようです。


それでは、英国ガーディアンの記事です。
90パーセント以上のボトル入りミネラルウォーターからプラスチックが検出されたことを受けて、WHOは声明を発表した

研究者たちは、一般的なボトル入り飲料水ブランドから発売されている製品から検出されるプラスチック・ファイバーの含有レベルは、水道水で見られるものの 2倍になる可能性があることを見出した

(中略)
分析されたそれぞれのボトルは、アメリカ、中国、ブラジル、インド、インドネシア、メキシコ、レバノン、ケニア、タイで購入されたものだ。

(中略)
この新しい調査によると、見つかった最も一般的な種類のプラスチック断片は「ポリプロピレン」で、これはボトルのキャップを作るのに使われるのと同じ種類のプラスチックだ。

(中略)
そして、科学者たちは、海洋のマイクロプラスチックによる汚染は恐らく懸念されているよりも悪いと述べる。
(中略)

「プラスチックが海洋動物の体内に蓄積し続けていることは広く知られています。水中のマイクロプラスチックは、それ自体、そして、そのプラスチックの中の有毒化学物質、および食物連鎖の最終的な位置にいる海洋動物へのそれらの暴露の影響という三重の被害を及ぼしていると考えられます」
(以下略)
ここまでです。

今回調査された製品には、日本のもの、あるいは日本で一般的によく売られているものに関しては、リストにありませんでしたので、日本で販売されているミネラルウォーターの詳細についてはわかりません。しかし、世界的なブランド商品の研究の結果として「 90% 含まれていた」ということなら、日本のものも、ある程度は含まれているのがむしろ自然な感じがします。

ところで、このプラスチックが「人間の体にどういう影響を与えるかの」ということについては、大きな結論が出ているものではないですが、いくつか出ているものとして、研究から以下のようなものが強く示されています。

プラスチックの人体に対して影響の可能性の強いもの

・腎臓、および脳の損傷との関係(プラスチック成分のビスフェノールA)

・子供の問題行動と関係している(プラスチック成分のフタル酸エステル類)

男子の生殖機能を低下させる(ビスフェノールA、フタル酸エステルどちらも)

(中略)
なお、この記事で示しました「男性の精子の減少」は著しいもので、(中略)40年で半分以下となっています。これはイスラエルでの研究ですが、「西洋ではどこでも減少している」というのが特徴で、西洋以外でも日本などでも近年大きく減少しています。

もはや一種の「異常事態」でもあるのですが、こういうことにはいろいろな原因があるであろうにしても、プラスチックの成分のいくつかには男子の生殖機能を低下させる作用があることもわかってきています。

もちろん、プラスチックのこれらの影響は、人間の男性に対してだけではなく、かなり広い範囲での生物の繁殖の阻害に関わっている可能性があります。

(中略)
思っている以上に、海のプラスチックは「極めて厄介な存在となりつつ」あることがわかります。

魚を経由して私たち自身も相当なプラスチックをすでに摂取していると思いますが、今それに加えて、場合によっては私たちの日常にありふれているペットボトル飲料からも、「プラスチックを飲んでいる日々」となっているようです。

では、ここから 2016年のエポックタイムズの記事です。(中略)


海におけるプラスチックの小さな粒子は「いかに恐ろしいものか」

もうずいぶんと長い間、魚は海洋中の小さなプラスチックの粒子を食べ物と誤って食べ続けている。

英国プリマス大学の海洋生物学教授リチャード・トンプソン(Richard Thompson)氏は、人の髪の毛よりも細いこともある「マイクロ・プラスチック」が現在、魚の集団 の 85 - 90% の体内にあると述べる。

そして、私たち人間はその魚たちを食べている。
(中略)

最近、科学者たちは、プラスチックの人体への悪影響について、プラスチック成分のビスフェノールAが、人間の腎臓、肺、および脳の損傷と関係していることを見出した。

また、フタル酸エステル類が、脳の損傷と子供の問題行動と関係していることなどがわかってきている他、男性の生殖機能を低下させることにも関係している可能性が見出されている。

(中略)

2013年には、海洋環境から採取したマイクロ・プラスチックを含む食物をメダカに与える実験をしたが、それらのメダカで病変や肝障害の症状を呈するものがあった。

しかし、それより 1つの影響が最も顕著だった。それは「飢餓」だ。プラスチックを食べた魚たちは、胃の中のそのプラスチックにより満腹感を得てしまっており、完全な栄養失調を引き起こしていたのだ。

この問題は、魚の繁殖を妨げる可能性がある。(中略)ウミガメは、プラスチックを食べると、栄養失調を引き起こし、まったく繁殖できなくなるという。

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