信頼できる、いいお医者さん
ねえねえ、
くろちゃんちの近所で、代替医療が専門で、信頼できるお医者さん、いる?
まずだな、この地球上で
「代替医療が専門」の医者、1〜2割いればいい方だな。
しかも「信頼できる」ヤツで、「近所にいる」ってヤツがいれば、
そいつは、
よほどのラッキーだ。
そうなんだ。
いいなあ、そういう恵まれた人。
ただし、そういうヤツが見つかったとしても、
自分と相性がいいかどうかはわからん。
むずかしいねえ、いい先生を見つけるのって。
向精神薬で
薬づけになっていた、ある人が、あるクリニックを受診した。
薬が欲しいと言うと、そこの医者は、「そんなの飲み続けたら、廃人になるよ。」と厳しく叱りつけ、薬は出してもらえなかった。
以来、彼は持っていたすべての向精神薬を捨て、今はヤクとの縁が切れている。
「
あの先生に出会わなければ、今でも薬を飲んでいただろう。
あの先生に感謝している。」
と語っていた。
こういうのが、いい先生なんだよね。
しかし、そのクリニックはいつも閑古鳥が鳴いていて、建物もボロボロで、いつのまにか閉院してしまった。
あ〜あ、残念。
ある人にとって「いい先生」でも、他の人には、ただの「厳しい先生」だったかもしれないね。
また、ある人はこういう話をしてくれた。
「
よく話を聞いてくれて、薬もほとんど出さない、いい先生がいるんですよ。
でも、患者さんが毎日すごく多くて、いつも早く辞めたい辞めたいって言ってるんです。」
患者さんが殺到したら、お医者さんも大変だね。
その人に、おれはこう言った。
「
その医者はきっと、患者が自立して、いつか来なくなるように願っているはずだ。
患者が自立してくれたら、うれしくて、もっと仕事を続けたいと思うはずだ。」
なんか、それ、ひねくれてない?
患者さんが多い方が、うれしいんじゃないの?
いつまでも自立しなくて、ウジウジ依存してくる患者には、医者もうんざりなんだ。
自立したら来なくなる。
そうなったら
商売上がったり、と考えるような医者は避けた方がいい。
ホントに患者のことを考える医者は、早く来なくなってほしいと願うものだから。
そんな先生が、近くにいるだけでもうらやましい。
いいか? たとえ近所に聖人君子みてえな名医がいたとしてもだ。
そいつがいつまでも不老不死で、永遠に生きてると思ったら、大まちがいだぞ。
かかりつけ医って必要?
いつでも安心してかかれる、お医者さんがそばにいる・・・
なんて、虫のいい話なのかな。
聖人君子とか、代替医療の名医とか、
ぜいたく言わないから、ふつうの「かかりつけ医」が欲しい。
「かかりつけ医」とな。
そうそう
「かかりつけ医」、
1.近くにいる
2.どんな病気でも診る
3.いつでも診る
4.病状を説明する
5.必要なときにふさわしい医師を紹介する
(
東京都医師会)
ざっと見る限り、
こんなスーパー・ドクター、いるんかい?
特に、「2.どんな病気でも診る」 は、ハードル高えぞ。
昔は、1人の先生が、全部診てくれてたけど。
今は、「咳がでます、はい呼吸器科。」
「お腹が痛いです、はい、消化器科。」
「目が疲れます、はい、眼科。」
「お尻の穴が痒いです、はい、肛門科。」
「心配で眠れません、はい、心療内科か精神科。」
全部、専門科に振り分けられちゃう。
パーツごとの修理工場に行かされるから、
めんどくせえな。
それでも、どうしても振り分けられない症状とかあるでしょ。
たとえば、
「なんとなくだるい」とかって、まず内科に行くでしょ?
そこで、
一通りの検査されて、「異常なし」となると、次は心療内科に送られるの。
そこで、いらない抗うつ剤とか出されて、本物の精神科になるってか。
今の医療は、何を見てるんかいな?
たとえ、
適切な科に振り分けられたとしても、それぞれの科で薬が処方されて、知らないうちに薬が増えちゃう。
なんか、
保険診療の財源を、ザルに空けてるって感じでムダっぽいよな。
保険がなかったら、たくさんの科をハシゴできないもんね。
いいか?
一つの症状はかならず、全身と連動してるんだぜ。
一つを治せば、あとは芋づる式に治るようにできてるはずなんだが。
その点、漢方の先生は、総合的に診てくれるよ。
たしかに
慢性病は、東洋医学に軍配が上がるな。
交通事故とか、緊急時の対応は西洋医学がすぐれているが。
かかりつけ医の、「3.いつでも診る 」ってのはどう?
かかりつけ医が地域の医療機関と連携し、24時間365日「いつでも、どこでも、誰にでも適切な医療を受ける」ことができる、とな。
(
東京都医師会)
大変だね、お医者さんは、夜中も寝てられないってことだね。
夜中に電話してくるヤツほど、「昼から悪かったんですが・・」ってヤツが多い。
「だったら、昼間に来ればよかったのに、朝まで待てないの?」って言いたいけど、
夜になると、不安になって落ち着かなくなるんだよね。
じゃ、かかりつけ医の「4.病状を説明する」についてはどう?
「
『かかりつけ医』は、患者の疑問に率直に丁寧に答え、納得のいく治療方針を検討してくれます。
また、患者の生活を支援するために、地域の医療・保健・福祉機関へのコーディネーターの役割も担ってくれます。 」
(
東京都医師会)
患者さんの疑問に率直にていねいに答え、納得のいく治療方針を検討してくれる先生?
だいたいは、
患者の顔も見ずにパソコンしか見ねえで、何か聞こうとすると不キゲンな顔されて、遠慮して聞けねえ。
何か聞くと、「じゃ、そのお薬出しときますから。」って、また薬が増えそうだから、何も言えなくなる。
たしかに、
検査についても、薬についても、文句なんて言えるような雰囲気じゃねえよな。
ただ、
老人の介護や在宅医療の要介護認定のときは、かかりつけ医が「主治医意見書」を書いてくれるから、便利だよ。
それだって、
別にかかりつけ医じゃなくてもいいんだぜ。
どこに行っても、書いてもらえるはず。家族の話を聞けば、書ける内容だからな。
「5.必要なときにふさわしい医師を紹介する 」
これは、ありがてえことだが、
かかりつけの医者に診てもらってて、かえって病気の発見が手遅れになった話もよく聞く。
慣れ合いになってると、異常に気づくのが遅くなるのかも。
人任せじゃなくて、
自分の身体は自分で管理しねえとな。
かかりつけ医とか、ホントに必要なんかい?
じゃあ、かかりつけ医のいない人が、
いきなり大病院に行くのは大丈夫なの?
ふつう、かかりつけ医から大病院に回される時は、
必ず紹介状を持たされるよね。
紹介状(診療情報提供書)がなくても、大丈夫だ。
紹介状がいいのは、過去の検査結果や主治医の所見が書かれてるので、先方も状況を把握しやすいし、受けた検査をもう一回受けなくてすむ、とは言うが・・・。
実際には紹介先で、また同じ検査されることがほとんどだよね。
前の検査から時間が経ってて、変化してるかもしれないし、
病院には、病院の事情ってのもあるしな。
ああ〜、今月のノルマってやつね?
ただ、
いきなり大病院(ベッド数200床以上)に、紹介状なしで初診する場合は、「特定療養費」が請求される。
「特定療養費」?
5,000円以上もらう、って
取り決めがあり、金額はそれぞれの病院が決めている。
たとえば、
東大病院や慶應病院は5250円、国立がんセンターは8400円。
(
週刊現代)
うわあ、がんセンターは高いねえ。
それが、
かかりつけ医に紹介状を書いてもらうと、3割負担で1500円。
書いてもらった方が、
たしかに安い。
しかし、1500円じゃすまねえ。
大病院で診てもらった先生から、主治医への返信(診療情報提供料)にも、1500円かかる。
つまり、
紹介状ありなら1500×2=3000円、いきなり大病院のときは5000円以上。
つまり飛び込みは、2000円以上高くつくってことになるね。
これも、致し方ないとゆうのかな。
大病院は患者が殺到する、大忙しだ。
かぜ引いたとか、膝すりむいたくらいで受診されると、
もっと専門的な仕事ができなくなる。
だから、初診のハードルを上げて調整するんだね。
「
しかし実態は、初診時に紹介状を持たない患者――すなわち中小病院・診療所を受診することなく
初診から大病院を訪れる患者――が、大病院の外来患者の半数以上を占めています」。
(
東京都医師会)
へえ、けっこうみんな、いきなり大病院を受診してるってことだね。
選択は自由だ、別に遠慮はいらねえ、
どんどん行っちゃってかまわねえぞ。
ちっとばかし待たされるがな、その間たっぷり、ガヤトリーマントラを唱えられるぞ。
大病院の良いところは、スタッフがたくさんいるし、設備も整ってる。
医者も複数いるから、お好みでご指名できる。
ただ、転勤したり開業したりして、いずれ辞めていくけどな。
若いお医者さんが多いよね。
しかし、大学病院はやめといたほうがいい。
学会発表用の研究材料にされるし、新米医者の練習台になるな。
ぴょんぴょんとか、ふざけたヤブ医者は、大学病院ではじめて患者に点滴したとき、
1人に20回刺したって言ってたな。
・・・・・・!
大学病院、コワい!
どんなにこき使われても、勤務医は給料もらえるから、医療に専念できるメリットがある。
開業医だと、そうはいかない事情があるよね。
税金、借金、医療機器のリース代、人件費、訴訟・・・頭を抱えることがたくさんだ。
患者のことより、経営の心配の方が大きい。
開業医って、大変みたいだね。
でも、同じ先生に長くかかることはできるね。
ただし、緊急の場合は、かかりつけ医にこだわることはねえ。
「緊急時などやむを得ない事情のために、大病院を受診する場合は
大病院受診時の特別の料金はかかりません。」
(
政府広報オンライン)
「特定療養費」5000円、払わなくていいんだね。
ただし、本当に緊急の場合だけな。
自分が自分の主治医だと自覚すること
せめて朝まで待つにしても、
ある程度、自宅で応急処置ができるといいね。
東洋医学セミナーで教わった経絡治療や、ドーシャの治療など、日ごろから練習して、いざという時に使えるようにしたらいい。
時事ブログでも薬草や、ビタミン療法など、役に立ちそうな知恵がたくさん紹介されてるしね。
日ごろから、いろいろな情報を集めておくと便利だな。
そして、
やることやったら、あとは天にお任せだね。
「天は、自ら助くるものを助く」だよ。
要は、自分が自分の責任者であり、主治医であることを自覚すること。
どんな病気にも、必ず前ぶれがある。
そいつを
早くつかまえるほど、代替医療が効力を発揮するだろう。
たしかにそうすれば、かかりつけ医はいらないかもしれないけど、
それでもやっぱり、話が通じる先生がいるといいな。
それならなにも、医者に限らなくていい。
代替医療が大好きで、よく勉強している看護師とか、けっこういるぞ。
看護師さんなら医学的知識もあるし、病院・クリニックの情報を持っているし。
女性の方が早く、目覚めてるからな。
鍼灸、整体、リンパマッサージ、整骨院にも、話が通じるヤツ、けっこういるぞ。
そうだね、
適切なことを言ってくれて、安心することがある。
大多数の医者は頭が固くて、洗脳が溶けるまで、まだまだ時間がかかりそうだ。
看護師、理学療法士、鍼灸師、整体師など、パラメディカルの人たちは、現代医学に疑問を持っている人が多い。
また、
実際にクライアントをたくさん見ているから、経験値も高い。
彼らから、
適切なアドバイスをもらえるかもしれない。
相談できるエキスパートは、何もお医者さんに限らないってことだね。
そして、
自分が自分の主治医だと自覚すること。
自分が自立した上でなお、良きアドバイザーが必要ならば、神さまにお願いするといい。
Writer
白木 るい子(ぴょんぴょん先生)
1955年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。1979年東京女子医大卒業。
1985年、大分県別府市に移住。
1988年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後26年半、主に漢方診療に携わった。
2014年11月末、クリニック閉院。
現在、豊後高田市で、田舎暮らしをエンジョイしている。
体癖7-3。エニアグラム4番(芸術家)
多くの方が抱えている不安ではないかと思いましたので、書いてみました。