体の構造によって考え方や行動がちがってくる
なぜ、蛇はニョロニョロで、蛙はピョンピョンはねるのか?
なぜ、トビはゆうゆう、雀はバタバタ飛ぶのか?
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いきなり、なんの話?
野口晴哉著「体癖」31ページ。
「体運動習性」というテーマで、今みたいなことが書いてある。
たとえば、牛が草食なのも、おとなしいからじゃない、虎が肉食なのも、性格が荒いからじゃない。
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そうなんだあ〜、
菜食にすれば、性格がおだやかになるってのは、ウソだった?
人についても、いろいろで、
尻をふりふり歩く人、大股にどすどす歩く人、内股でちょこちょこ歩く人。
動きながら考える人、考えながら動く人、考えないで動く人。
ふくろうみたいに夜型の人、雀みたいに朝型の人。
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ほお〜、おもしろいね。
そういう行動パターンの違いは、性格の違いだと思ってたけど。
人間それぞれ、体の構造によって考え方や行動がちがってくるってさ。
10種類に分類できる体癖
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体の構造で、考え方がちがってくるって?
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整体協会を設立した
野口晴哉は、多くの人の体を観察した結果、10種類に分類できることを発見し、その概念を
「体癖」とネーミングした。
さらに
竹下先生は、それを経絡に結びつけて、五行類型論に発展させた。
「五行類型論」は、東洋医学セミナー初級に出てくるよ。
3回で終わっちゃうんだけど、
雑談もそうとうおもしろくて、いつまでも続けばいいのにと思うほどだった。
初級では、簡単な体癖の測定法が教えられているが、上級では、もっと正確な方法が教えられている。
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自分で体癖を測定できたら、いいね。
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ところで、
体癖には1〜10、全部で10種類ある。
誰でも必ず、そのうちの2つを持っている。
つまり、よそ行きの体癖(1項目)と、ふだん着の体癖(2項目)の2つだね。
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詳しく言うと、
緊張時(交感神経・優位)に見せる1項目と、
うちに帰って、リラックスした時(副交感神経・優位)に見せる2項目がある。
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いらすと 1 & 2
みんな二重人格ってこと?
外じゃホトケのようなのに、腹すかして家に帰ると、「まだ、メシができてねえのか!」って、女房にどなり散らすヤツ。
食べておとなしくなったら、それは3種だ。
家に帰ってホッとしたとたん、空腹でイライラの3種が出ちゃうんだよ。
だんなの体癖を知ってるか知らないかで、2人の未来も変わってくるな。
知ってたら、「あらあら、またお腹すかせてるのね。」
知らなかったら、「もうイヤ! 離婚したい!」って、ずいぶんちがう。
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たしかに、あるな。
結婚する時、「ボクは2項目が3種ですので、いつも食べもの用意しといてね。」って、言っとけばいいよね。
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また、
体癖は奇数と偶数に分けられる。
立ってる時、つま先に重心がかかる、奇数体癖(1、3、5、7)は、積極的、行動的だ。
かかとに重心がかかる、偶数体癖(2、4、6、8)は、消極的、内向的だ。
くつの減り方でも、見分けがつくね。
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ただ、
1項目が奇数で、2項目は偶数の場合、重心だけで区別することはむずかしい。
2つの体癖が組み合わさって、さまざまな現れ方をするからね。
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また、
体癖は5種類に分類できる。
五行(木火土金水)で分類した、竹下先生の「五行類型論」は東洋医学セミナーを観てくれ。ここでは、
野口晴哉が発見した、腰椎・変動による分類を見てみよう。
腰椎の1番が上下する「上下型」 = 1種と2種
両者とも首に特徴がある。脳に血が集まるので、頭が良い研究者タイプ。
腰椎2番の変動で、重心が左右にかたよる「左右型」 = 3種と4種
胃袋に多くの血が流れるので、食べるのが大好きな芸術家。
腰椎5番の変動で、重心が前後に移動する「前後型」 = 5種と6種
おじぎをするとお尻を突き出すのが特徴。
重心が前に行く5種は行動的、後ろに行く6種は夢想的。
腰椎3番がねじれることで、がんばれる「ねじれ型」 = 7種と8種
ヘソ曲がりだが、唯一「がんばれ」と言われてがんばるタイプ。
腰椎4番の変動があり、骨盤が閉じるか開く「開閉型」 = 9種と10種。
閉じた人はお尻がきれい。開いた人は大きなお尻で、踵をついてしゃがめない。
ぼくは、どれなのかなあ?
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はっはっはっ!
上下型じゃねえってことはアキラカだ。
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あ、笑ったな? くろちゃんだって、ゼッタイに上下じゃないよ!
それよか、
くろちゃん、「変わりもん」だし、ゼッタイ「ねじれ」が入ってるね。
うれしいこと、言ってくれるじゃねえかよ。
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はあ? 「変わりもん」って言われてうれしいの?
「人と同じ」って言われる方がガックシ来るな。
「変わりもん」って言われると、なんか認められた感じになるわ。
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やっぱ、
正真正銘の「ねじれ」だ・・・。
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その通り。
証拠におれのヘソを見ろよ、穴がカキっと斜め上に向いてるからな。
その点、
おめえは平凡だな。
平凡じゃなくて、素直って言うんだよ。
くろちゃんと会話が成り立つのも、ぼくが素直なおかげだよ。
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そりゃ、ありがとよ。
「ねじれ同士」なら、とっくにけんか別れしてるはず。
体癖の相性
夫婦でも、うまく行ってるヤツらは体癖の相性がいいのかな。
例えば、同じ型の偶数、奇数が夫婦だったら?
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同じ型の偶数、奇数か・・・・・。
つまり、1と2、 3と4、 5と6、 7と8、 9と10 の夫婦ってことだな。
同じ場所に変動があると言っても、偶数と奇数は、正反対な表れ方をするからな。
たとえば、3と4の夫婦はどうなの?
両者とも、感情豊かで、美しいもん、おいしいもんが大好き。
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挿絵 by ぴょんぴょん
いかにも気が合いそう。
そして2人で、美しいもの、きれいな音楽に囲まれてたら幸せなんじゃない?
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・・・・・ように見えるが、
実際は大変だぞ。
3は感情を外に発散するタイプだが、4は感情を内にしまいこむタイプだ。
感情のエネルギーの「爆発」と「鬱屈」、正反対だね。
それにお互い、相手の言ってることばの意味よりも、トーンで反応し合うんだぜ。
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つまり、
どちらかが不きげんなトーンで話すと、相手は話の内容よりも、不きげんなトーンを胸に受けて不安定になっちゃう。
理性的な会話が成り立ちにくいわな。
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2人でおいしいものを食べに行って、それですめばいいけど。
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どちらも3の場合は、それで一件落着だ。
が、
4はもう少しナイーブで、感情の揺れがいつまでも尾を引く。
しかも反省するのが大好き。
3と4は、しゃべる時お互いに、トーンに気を使わないといけないね。
おれんちなんか、とっつあんが9、おふくろが10だったんだぜ。
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挿絵 by ぴょんぴょん
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9と10!
そりゃ、体癖の勉強のためにそこに生まれたんだよ。
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そうさ!
9と10について語らせたら、おれの右に出るものはいねえ!
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すごい自信だね。
どちらも直感タイプだから、互いのこと察知できちゃうから、また怖え〜。
何でわかっちゃうのか知んねえけど、
両親に隠しごとが成功した試しがない。
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それを聞くとまるで、息ピッタシに聞こえるけど、
唯一合わない点が「性欲」ってのがやっかいだよね。
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そこだよそこ!
緊張するとヤりたくなる9種、リラックスしないとヤりたくない10種。
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そりゃ、
夫婦関係がうまく行くほうがフシギなくらいだね。
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とくに
男性が9、女性が10の場合、絶体絶命だな。
何やっても、女性の反応がないんで、男性がいつもキゲンが悪い。
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そりゃ、むずかしいねえ。
じゃあ、
5と6の夫婦はどう?
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挿絵 by ぴょんぴょん
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9と10に比べたら、
のんきなもんよ。
5がバリバリの働き者で、6がオットリの足手まとい。
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6の良さがわかるまで、
5は6の「まったり」が理解できなくて、悩み苦しむね。
バリバリの5は、実は6に癒やされてるんだよな。
それに気づけば、家庭は円満だ。
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わかる〜
6の人が1人いるだけで、場が和むんだよねえ。
1と2の夫婦も、悲喜劇だ。
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挿絵 by ぴょんぴょん
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ふたりとも頭がいいからね。
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それこそ、
すべてを頭で、「文字通り」受け取る上下型は、左右型とは別の意味で対話がむずかしい。
しかも2人とも、
言われた言葉はしっかりと、頭に焼き付いてしまう。
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それこそ、
言葉を選んで慎重に話さないと、うっかり吐いた言葉が命取りになるね。
緊張すると頭が働く1、リラックスすると頭が働く2。
言葉でやり合ったら、2は不利だね。
けんかの後に、ようやく言い返す言葉を思いついたって感じだね。
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ねじれの夫婦はどうだろう?
家族にねじれが複数いると、その家はとっても大変らしいが。
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挿絵 by ぴょんぴょん
7のねじれ方と、8のねじれ方は違うからね。
誰かがこうしようって言っても、「うんにゃ!」って言うから、まとまらねえ。
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みんな。
おヘソがバラバラの方向を向いてるからね。
家庭内で、想像を絶する戦いが起きてるよな。
家の中に、革命家は2人もいらないよ!
世界中に体癖の概念が広まったら…
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だけど、
家族の体癖を知ると、おもしろいな。
何でこの子と合わないんだろう?って悩んでた母親が、突然「ガッテン!」だよ。
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そして、
友人、恋人の体癖も知ったら、より理解が深まる。
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今後、
学校で体癖を教えてほしいな。
先生たちにとっても、生徒たちの体癖を知ることは必要だと思う。
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それによって、
指導の仕方も変わるんじゃない?
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今みたいに「ぜんた〜い 進め! 回れ〜右!」みたいな、全体主義的な教育じゃなくて、
各々が体癖に合った道を選ぶんだ。
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より、
自分に合った未来を選択できる。
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もしも、
世界中に体癖の概念が広まったら、世界中の人びとが
自分の個性を生かして、自分らしい生き方を選択するだろう。
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そうなったら、
地球はもっと多様性のある、豊かな星に生まれ変わるね。
Writer
白木 るい子(ぴょんぴょん先生)
1955年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。1979年東京女子医大卒業。
1985年、大分県別府市に移住。
1988年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後26年半、主に漢方診療に携わった。
2014年11月末、クリニック閉院。
現在、豊後高田市で、田舎暮らしをエンジョイしている。
体癖7-3。エニアグラム4番(芸術家)
![東洋医学セミナー受講者の声](https://shanti-phula.net/ja/smg/wp-content/uploads/2014/11/4860ef629c2bd4b9988a16e87e0b916b.jpg)
そのときお見せした、体癖イラストが好評で、ぜひ公開してほしいとの要望がありました。
イラスト公開のついでに、体癖について書いてみましたが、あくまでも、私なりの解釈です。
体癖の解釈は、人それぞれと言われます。
これらのイラストも、身近な人をモデルにした個人的なイメージであって、必ずしも普遍的な正解ではないことをご理解下さい。