竹下雅敏氏からの情報です。
注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
————————————————————————
仏全土で燃え上がるデモ 新自由主義への反撃 調子付いたマクロン改革の結末
転載元)
長周新聞 18/12/8
(前略)
マクロン政府の退陣を求める大規模な抗議行動が広がっている。(中略)… 最新の世論調査では国民の8割以上がこの運動を支持しており、底流にはグローバル化にもとづく新自由主義改革への広範な反撃世論がある。
(中略)
抗議行動が始まった直接の要因は、マクロン政府による燃料税引き上げだ。(中略)… 「温暖化対策」と称した新たな課税を進めるマクロン政府に対し、燃料高騰の直撃を受けるトラックやバスなどの運送業界、公共交通機関がなく車なしでは生活できない農村部や都市周辺からゲリラ的な抗議行動が始まった。
(中略)
11月初旬から始まった抗議行動は、南部や北部の工業都市からパリなど大都市へも波及し、11月17日には全国2000カ所以上でおこなわれた集会に約28万人(内務省発表)が参加した。(中略)… 世論調査では抗議運動への支持は当初よりも多い8割以上に及び、全土に広がった運動が沈静化する気配はない。
(中略)
参加者たちは市民の蜂起で帝政を終焉させたフランス革命で歌われた国歌「ラ・マルセイエーズ」を合唱し、燃料課税の廃止にとどまらず、マクロン政府の退陣、政治への民主主義の実現、大企業が一手に握る富を再配分して国民の生活水準と購買力を向上させることを求めている。(中略)… これほど大規模で長期に及ぶ政治行動は、1968年の学生らによる「5月革命」以来50年ぶりといわれ、「現代版フランス革命」とも表現されている。
(中略)
この世論の底流には、昨年5月の発足以来、マクロン政府が進めてきた公共インフラの民営化やリストラなどの緊縮政策、大企業や金融資本のみを優遇するグローバリズムにもとづく新自由主義的政策よって深刻化した国民生活の窮乏化への怒りがある。燃料課税はその一環であり、直接行動を促した「導火線」に過ぎない。同じくEUによる金融寡頭支配にさらされているギリシャ、イタリア、スペイン、イギリスなどでの反グローバリズムの社会運動と連動したものといえる。
(中略)
燃料課税に端を発した「黄色いベスト運動」は、「貧困や格差の解消」を約束しながら国民を裏切り続ける社会党出身のマクロン政府への怒りが広範に波及し、これまで社会的な抗議活動とは縁遠い存在だった人人を行動に駆り立てている。フランス国内で渦巻く反グローバリズム、反金融寡頭政治の世論が既存の議会政治の外皮を打ち破って表面化している。
マクロン退陣の世論拡大を怖れるフランス政府は4日(中略)… 発端となった燃料増税、来年1月に予定していた電気・ガス料金の値上げ、軽油とガソリンの均一化措置を6カ月間凍結することを発表した。
だが、行動参加者たちは「われわれが求めているのは凍結ではなく廃止だ」「最低賃金や年金制度など国民の購買力向上につながる政策をせよ」「問題の先送りではなく富裕税を免除した大企業に課税するなどの抜本改革をせよ」との反発を強め、8日にも全国的な行動を呼びかけている。フランス政府は「凍結」から断念に譲歩したものの、デモは収束する気配を見せていない。
マクロン政府は「非常事態宣言」の発令も視野に入れ、権力による鎮静化を図ろうとしているが、抗議行動ではマクロン体制をフランス革命を裏切って処刑されたナポレオンやルイ16世と重ねて「大統領君主制」と呼んだり、バスチーユ広場にギロチンの模型が運び込まれるなど、国が弾圧を強めれば強めるほどフランス革命の伝統を否定するものとして国民の怒りを掻き立てている。
(中略)
旧来の「保守・革新」の政治構図が干からびたものとなるなかで、それらを使い分けながら社会全体の富を独占し、公的な社会機能をも利潤の具にしてきた金融寡頭政治に対する下からの強力な反撃機運が表面化している。この趨勢は欧米各国にとどまらず、同じグローバル化によって荒廃してきた日本社会への波及も避けられない。わずか1%にも満たない富裕層の強欲な搾取と、その道具と化して社会を崩壊させる統治に対し、99%の連帯したたたかいが国境をこえて噴き上がっている。
マクロン政府の退陣を求める大規模な抗議行動が広がっている。(中略)… 最新の世論調査では国民の8割以上がこの運動を支持しており、底流にはグローバル化にもとづく新自由主義改革への広範な反撃世論がある。
(中略)
抗議行動が始まった直接の要因は、マクロン政府による燃料税引き上げだ。(中略)… 「温暖化対策」と称した新たな課税を進めるマクロン政府に対し、燃料高騰の直撃を受けるトラックやバスなどの運送業界、公共交通機関がなく車なしでは生活できない農村部や都市周辺からゲリラ的な抗議行動が始まった。
(中略)
11月初旬から始まった抗議行動は、南部や北部の工業都市からパリなど大都市へも波及し、11月17日には全国2000カ所以上でおこなわれた集会に約28万人(内務省発表)が参加した。(中略)… 世論調査では抗議運動への支持は当初よりも多い8割以上に及び、全土に広がった運動が沈静化する気配はない。
(中略)
参加者たちは市民の蜂起で帝政を終焉させたフランス革命で歌われた国歌「ラ・マルセイエーズ」を合唱し、燃料課税の廃止にとどまらず、マクロン政府の退陣、政治への民主主義の実現、大企業が一手に握る富を再配分して国民の生活水準と購買力を向上させることを求めている。(中略)… これほど大規模で長期に及ぶ政治行動は、1968年の学生らによる「5月革命」以来50年ぶりといわれ、「現代版フランス革命」とも表現されている。
(中略)
この世論の底流には、昨年5月の発足以来、マクロン政府が進めてきた公共インフラの民営化やリストラなどの緊縮政策、大企業や金融資本のみを優遇するグローバリズムにもとづく新自由主義的政策よって深刻化した国民生活の窮乏化への怒りがある。燃料課税はその一環であり、直接行動を促した「導火線」に過ぎない。同じくEUによる金融寡頭支配にさらされているギリシャ、イタリア、スペイン、イギリスなどでの反グローバリズムの社会運動と連動したものといえる。
(中略)
燃料課税に端を発した「黄色いベスト運動」は、「貧困や格差の解消」を約束しながら国民を裏切り続ける社会党出身のマクロン政府への怒りが広範に波及し、これまで社会的な抗議活動とは縁遠い存在だった人人を行動に駆り立てている。フランス国内で渦巻く反グローバリズム、反金融寡頭政治の世論が既存の議会政治の外皮を打ち破って表面化している。
マクロン退陣の世論拡大を怖れるフランス政府は4日(中略)… 発端となった燃料増税、来年1月に予定していた電気・ガス料金の値上げ、軽油とガソリンの均一化措置を6カ月間凍結することを発表した。
だが、行動参加者たちは「われわれが求めているのは凍結ではなく廃止だ」「最低賃金や年金制度など国民の購買力向上につながる政策をせよ」「問題の先送りではなく富裕税を免除した大企業に課税するなどの抜本改革をせよ」との反発を強め、8日にも全国的な行動を呼びかけている。フランス政府は「凍結」から断念に譲歩したものの、デモは収束する気配を見せていない。
マクロン政府は「非常事態宣言」の発令も視野に入れ、権力による鎮静化を図ろうとしているが、抗議行動ではマクロン体制をフランス革命を裏切って処刑されたナポレオンやルイ16世と重ねて「大統領君主制」と呼んだり、バスチーユ広場にギロチンの模型が運び込まれるなど、国が弾圧を強めれば強めるほどフランス革命の伝統を否定するものとして国民の怒りを掻き立てている。
(中略)
旧来の「保守・革新」の政治構図が干からびたものとなるなかで、それらを使い分けながら社会全体の富を独占し、公的な社会機能をも利潤の具にしてきた金融寡頭政治に対する下からの強力な反撃機運が表面化している。この趨勢は欧米各国にとどまらず、同じグローバル化によって荒廃してきた日本社会への波及も避けられない。わずか1%にも満たない富裕層の強欲な搾取と、その道具と化して社会を崩壊させる統治に対し、99%の連帯したたたかいが国境をこえて噴き上がっている。
記事では、フランスでのマクロン大統領退陣を求める抗議行動に対して、“運動が沈静化する気配はない”としています。
転載元では、現状に対する詳しい説明がなされており、大変参考になります。是非転載元で全文をご覧ください。
記事では、“この趨勢は欧米各国にとどまらず、同じグローバル化によって荒廃してきた日本社会への波及も避けられない”とありますが、日本が周回遅れなのは明らか。右、左の戦いではなく、1% vs 99%の戦いなのだということを、日本人も早く理解するべきだと思います。