「記者が国民の代表だという根拠を示せ」という官邸の狂気じみた恫喝に屈しない東京新聞と、それを見過ごすことなく伝える西日本新聞

 カナロコ然り、地方紙が頑張っています。
上村官邸報道室長の「簡潔にお願いしま〜す」という望月記者への質問妨害や、官邸が内閣記者会に東京新聞の質問をさせるなという文書を送りつけただけでも暴挙ですが、20日の東京新聞の記事では、それ以外にも官邸はずっと執拗な圧力をかけていたことが明らかになりました。元記事では、2017年以降の官邸からの恫喝が表にまとめられています。
 官邸から東京新聞の編集局長あてに「記者会見は官房長官に要請できる場と考えるか」などの高圧的な申し入れは9件、それ以外にも「記者は国民の代表として質問している」と述べる望月記者に対して「記者は国民の代表だという根拠を示せ」「国民の代表は選挙で選ばれた国会議員、記者は社内の人事」という子供の口喧嘩のような非難を浴びせています。
 東京新聞は怯むことなく、今回のような「検証と見解」を出したわけですが、この記事を重く見て取り上げたのが、西日本新聞でした。20日の東京新聞の記事を受け、菅官房長官が記者会見の場で、さらに東京新聞を威圧するような発言をしていることを明らかにしました。報道の役割を無視し、メディアを官邸の都合の良い広報としてしか見ていないことがよく分かる記事です。
 ツイートは、官邸のあまりの低レベル、独裁モードに呆然とするものが多く、極めつけは「頭がおかしくなりそうだ。」
「国会議員が選挙で選ばれた国民の代表」という点についても、「当選したら何でも許す無制限の白紙委任」ではない、「民主主義国では、当選後も、政治家は国民に監視され続ける。」という官邸によくよく学んで欲しいコメントがありました。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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東京新聞「記者は国民代表して質問」 官邸「代表の根拠示せ」 「選挙経た議員こそ」
引用元)
菅義偉官房長官は20日の記者会見で、首相官邸が東京新聞記者の質問権を制限するような要請を官邸記者クラブに出した問題に関し、官邸側が東京新聞に「記者が国民の代表とする根拠を示せ」と要求していたことを明らかにした

 東京新聞は20日付の朝刊で一連の問題を検証する記事を掲載。2017年の秋以降、官邸側から「事実に基づかない質問は厳に慎んでほしい」など9件の質問が文書であったと報じた。
(中略)
 菅氏は20日の会見で、検証記事に関し「個人的には違和感を覚えるところもある」と指摘。具体的に問われると「コメントは控えたいが、東京新聞側はよくお分かりになっているのではないか」と述べた。

 官邸側の対応について、田島泰彦・元上智大教授(メディア法)は「権力が一方的な考え方を押しつけてきており、本末転倒だ。記者は市民が共有すべき事柄を、市民に成り代わって取材し伝えている。広い意味で、知る権利に応える国民の代表である」と指摘した。




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【検証と見解/官邸側の本紙記者質問制限と申し入れ】 (上)国、投入土砂の検査せず 「辺野古工事で赤土」は事実誤認か
引用元)

(前略)
◆「表現の自由」にまで矛先 内閣広報官名など文書 17年から9件

 長谷川広報官の申し入れ文書は「事実に基づかない質問は慎んでほしい」という抗議だけでなく、記者会見は意見や官房長官に要請をする場ではないとして、質問や表現の自由を制限するものもある
(中略)
 昨年十一月、外国人労働者を巡る入管難民法改正案の国会成立について、本紙記者が「短い審議で強行に採決が行われましたが…」と質問したのに対し、長谷川氏から「採決は野党の議員も出席した上で行われたことから、『強行に採決』は明らかに事実に反する」と抗議がきた
 採決の状況から本紙や他の新聞や通信社も「採決を強行した」と表現していた。それにもかかわらず本紙記者の発言を「事実に反する」と断じており、過剰な反応と言わざるを得ない。

 森友学園に対する国有地払い下げを巡る決裁文書の改ざん問題で、本紙記者が昨年六月、財務省と近畿財務局との協議に関し「メモがあるかどうかの調査をしていただきたい」と述べると、長谷川氏から「記者会見は官房長官に要請できる場と考えるか」と文書で質問があった。

 「記者は国民の代表として質問に臨んでいる。メモの存否は多くの国民の関心事であり、特に問題ないと考える」と答えると、「国民の代表とは選挙で選ばれた国会議員。貴社は民間企業であり、会見に出る記者は貴社内の人事で定められている」と反論があった。
(以下略)


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配信元)






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