10連休が国民生活に及ぼす大混乱と、あてにならない国の代わりに困った時の民間相談先のリスト

 10連休、どれほどの人が十分な休暇として過ごせるのだろうかと考えていたところ、長周新聞で容赦ない意見がありました。曰く「湧いているのは、テレビや旅行業界、レジャー産業くらい」で「公的機関、医療機関、保育園や学校」などの停止は、社会に甚大な影響と混乱を与えると警告しています。
そもそも「連休をつくれば消費が拡大する」という日本政府の思考が「時代遅れも甚だしい」とバッサリです。休暇を謳歌できる経済的に豊かな時代ならばともかく、休日がそのまま売上の減少に繋がる業種には死活問題となって降りかかってくる状況を、下関という安倍首相お膝元の地域を例に伝えています。
 地元経済を下支えする中小企業は、大手企業が休んでも休めないため前倒しの業務に追われたり、逆に大手に従って休まざるを得ないところは月3分の1の減収の見込みだったり、あるいは、全就業者数の4割に当たる非正規雇用者にとっては、強制的な休業によって家計への収入減の影響が大きいことは容易に予想されます。
 命にかかわる医療や介護業界は通常業務を行う予定で、当然、休めない親たちが子供を預ける場所に苦慮する事態も出てきています。子供を預ける先がなく、仕方なく仕事を休むと現場は人手不足という矛盾、対応策として「ホリデー保育」を設置すると、申込者数は昨年の2倍という厳しい状況を映し出しています。お上が勝手に10連休を決めたはいいが、休むわけにはいかない現場が善意で無理をして社会を回している形が見えてきます。
 そして、実際に10連休には公的機関は閉庁しますが、生活に困った時の公的な相談先について「自立サポートセンター・もやい」が調査したところ、厚労省では「どこの自治体が輪番制や臨時窓口などを設けているか公開できない」という全く不親切な回答だったそうです。
そこで、もやいの記事では、民間のサポートセンターやホームレス支援ネットワークによる相談先リストの案内をされています。元記事では全国版の他、相談会のある地域を紹介しています。
 安倍政権、ほんとに迷惑。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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10連休で浮き彫りになる休日格差 国民生活は大混乱
転載元)
「上級国民」の楽しみを支える為に翻弄される現場

 いよいよ10連休に突入した。「皇位継承の祝賀ムードを高める」としてかつてない大型連休がつくり出されたが、湧いているのはテレビや旅行業界、レジャー産業くらいだ。1カ月のおよそ3分の1ものあいだ公的機関や金融機関、医療機関、保育園や学校などさまざまな社会生活が停止することが、国民生活に甚大な影響を与え、混乱を招くことは明白なものとなっている

すでに連休対応のために忙殺されている業種も多く、10連休を楽しみにしている国民はごく一握り。その社会的役割を果たすために休日をとれない人人も多く、休日格差も生じている。「連休をつくれば消費が拡大する」と短絡的に考えている日本政府が、いかに社会について無知であるかを浮き彫りにしている

(中略)

 日給月給の企業の場合は、労働者の収入に直結する。もともと5月は連休で手取りが少ない月だが、今回はそれに3日間が加わる。1日7000円の日給の場合、他の月と比べると3万5000円の減収だ。建設業界や鉄工業界など日給月給の現場は多く、「ニュースでは連休で海外に行くとか、普段行けない遠方に行くなどの話題ばかり出るが、連休になると収入が減って遊びに行く金などなくなる」と話す若者たちもいた。非正規雇用が全就業者の四割にのぼるなかで、強制的な休業が家計に及ぼす影響は甚大だ



(中略)
 連休とはいえ、24時間365日、だれかが常に働かなければ社会が回らない仕組みになっている。(中略)

 患者や高齢者を抱える医療や介護業界は、命にかかわるので事務方も含め、通常通り業務をおこなうようだ。政府が「10連休だ」と決めたところで、みなが休めば世の中が止まる。相当数の人たちが通常通り働くことになっており、祝日をつくって10連休にするという手法は、時代遅れも甚だしいものとなっている。

(中略)
(中略)10連休というのが9割の働く人の発想ではなく、1割の富裕層の発想だ」と指摘した。

 当初は「過去にない大型連休になる」というはしゃいだ空気の方が強かったが、いざ連休が近づいてくると、休めない親たちが子どもを預ける場所、医療機関や介護、流通など、さまざまな分野に支障が出ることが明らかになってきて、安倍政府も今年に入り、医療・介護、保育体制、電気・ガス・水道事業や金融機関などに対して、「生活に影響が出ないよう万全の対応をとること」とする指示や対応策を矢継ぎ早に下ろした
(中略)

(中略)「“対応を怠らないように”という指示が下りてくるが、だれが10連休にしたのか? といいたくなる」という声が広がっている。

下関の医療機関では

 政府が通達を下ろすまでもなく、みながこうして動いている。一つの懸念となっていたのが医療機関で、今年に入り厚生労働省が、連休中も必要な医療を受けられる体制づくりと情報の周知を要請していたが、結局、医療関係者が休日をとらずに稼働することで、連休中に病院がないという事態は避けられることになった
(中略)

ホリデー保育には殺到

 働く親たちが相当数いるなかで、矛盾となっているのが保育園や学校の休業だ(中略)子どもの預け先がなく、仕事を休まざるを得ない家庭もあり、休む人が出ると、現場は人手不足で呻吟する実態がある

 下関市内では市立1園、私立2園でホリデー保育をおこなう。10連休の期間中は、ホリデー保育の申し込みが予想以上に多く、1日当りの利用者数は3園の合計で昨年のおよそ2倍となっている。いかに休まない親が多いかを示している。

(中略)
 
 こうして見ると、10日間も連休がとれる人がどこにいるのか? というほど各業種が相手先との関係で動く体制をとっている(中略)

 政府・財界主導で導入した「プレミアム・フライデー」が隠れたサービス残業を増加させたように、かつてない10連休が社会的混乱を招くことは必至となっており、「善意でみなが動くから世の中が回っているが、いっそ本当に休業して10連休という発想がどれだけバカげたことなのか、政府に知らしめた方がよいのではないか」という意見も上がっている。
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10連休中の生活に困ったときの相談先リスト
引用元)
4月27日~5月6日までの10日間(中略)「閉庁」といって多くの公的機関が休業に入ります
その結果、生活に困った時の公的な相談先が、この期間、事実上なくなってしまう自治体があります

生活保護の申請等はFAXや夜間休日窓口等でも可能です。しかし、一時的な金銭の給付や宿泊場所の公的な支援は、市役所等の夜間休日窓口等での対応となり、自治体によってどのような形でおこなわれるのか、おこなわれないのか、はっきりしていません

(中略)

(中略)こういった「輪番制や緊急連絡網の整備、緊急一時的な衣食住の提供体制の確保、窓口の臨時的な開所等(別紙1)」を、どこの自治体がおこない、どこの自治体がおこなっていないのか、については、25日に厚労省に問い合わせたところ、「公開を前提としていない調査なので公開できない」と口頭で説明を受けました
(中略)

ですので、10連休中に生活に困ってしまった場合、まず、お近くの市役所等にご相談にいかれることをおすすめします。もし、その自治体で10連休中の対応をしていれば、すぐさま公的支援を利用できる可能性があります。

また、生活に困った人を支援するための公的支援の「不在」の問題はいまだに解決されていませんが、民間での取り組みも一部の地域ですがおこなわれています

以下は、民間の取り組みの一覧です。
これらの活動のなかには、寄付やボランティアの募集をしているところもあります。個別にお問い合わせしてみてください。

また、救急は対応しています。体調が悪い時などは我慢せず助けを呼んでください
(以下略)

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