ユダヤ問題のポイント(近・現代編) ― 外伝46 ― 戦争の主体者は“誰”か?

 「常識がない、非常識だ」、これらは「社会人として欠陥がある」との非難の言葉になります。しかし、常識とされているものが正しくない場合は結構よくあります。
 これは一般人を従わせるのに支配層に都合の良い知識や情報、思考パターンなどを「常識だ」として押し付けているのです。歴史教科書やマスメディアを使って、明らかに誤った事柄でも、それが「正しい、常識だ」と思い込ませるパターンはよくあるのです。
 さて、「内戦」を「一国内における、同じ国民どうしの戦い」と定義づけると、フランス革命以降、世界で行われてきた「内戦」とされるものの多くが、見た目はともかく、内実は「内戦」の定義から外れるでしょう。
 2011年から始まったシリアでの戦乱の報道などひどいものでした。シリアへの外国軍隊の介入を報道しながら、枕詞で「内戦の続くシリアでは」と必ず前置きをしていたのですから。
 シリアは「侵略戦争」であってシリア国民同士の「内戦」などでは決してありませんでした。しかしNHKなどは恥知らずにも誤った報道を繰り返しているのです。
 戦争など大きな事件は、“誰”が“何の目的で”それを起こしたのかを把握していくことが大事になってきます。そうでないと容易にマスコミなどの意図的な誤報道に乗せられてしまいます。
 “誰”が?の犯人を捜すのに手っ取り早いのは、その戦争などで大きな利益を得たのは“誰”か?を探ることです。
(seiryuu)
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ユダヤ問題のポイント(近・現代編) ― 外伝46 ― 戦争の主体者は“誰”か?

戦争や革命の構造 ~南北戦争は内戦か? 【閲覧注意】ツイート中に遺体の写真あり


1861年3月、エイブラハム・リンカーンが第16代大統領に就任しました。その一か月後、サムター要塞(サウスカロライナ)に南軍からの砲撃がなされ、南北戦争の戦端が開かれました。

サムター要塞を砲撃する南軍
Wikimedia Commons [Public Domain]

さて、南北戦争の概要や解説等に目を通すと幾つかの不可解な部分があります。その一つがウィキペディアの同記事に「南北戦争が勃発した時点では、北部も南部も戦争の準備は全くできていなかった。」とある点です。

南北戦争は南北合わせてアメリカ人の死者が60万人以上という、アメリカ史上最大のアメリカ人犠牲者を出した戦闘です。しかし、アメリカに在住の市民が南北に分かれて互いに憎悪し、自分たちの利益を確保するため戦争を行うこともやむなし、こういった戦争を起こすことに対する主体的・能動的な姿勢があったならば、「戦争の準備は全くできていなかった。」などということはありえないでしょう。

これは前回見たように、南北戦争はその裏にロスチャイルド家を中心とした国際金融団や英国秘密スパイ団の存在があって、その密かで綿密な準備と計画があっての戦争だったことの傍証となるでしょう。

一般アメリカ市民たちは騙され踊らされて、戦争に誘導されて膨大な犠牲者を出してしまった、こう見るのが妥当でしょう。


また、南北戦争は「内戦」と歴史教科書は教えています。しかし本当に「内戦」だったのか?

確かに地域の点からすると南北戦争は「アメリカの内部の戦争」です。しかし南北戦争は単なるアメリカ人同士の大規模抗争などではありません。表層に見える部分でも、フランスと英国が干渉していますので、この点から「内戦」などと矮小化できない国際問題で、「侵略戦争」の部分があるのも否定できないでしょう。

この南北戦争の形態、「内戦」とされるが、実際は外国勢力が勝手に関与・干渉し「侵略」を進めていた戦争形態、これは現代までもそのまま継承されてきました。

マスコミの報道では「内戦」とされる2011年に開始の「リビア内戦」と「シリア内戦」、少なくともこの二つ(実際にはアフリカでの「内戦」などもそうなるでしょう。)は「内戦」の名の「侵略戦争」です。欧米等の外国軍隊が戦闘に参加しているのですから。

そして米国、英国、フランスといった国家の背後には、その国家を動かす支配者の国際金融団や秘密スパイ団の存在があるのです。アメリカ独立の革命戦争、フランス革命以降から現在に至るほぼ全ての戦争や革命は、どういう名称であれ、この構造になっているのです。

戦争とは国家間で行われるもので、自国の利益と勢力の拡大を目的としている、私たちはこのように教えられ、これが常識とされます。しかしこの常識は実質を全く外したもので、洗脳による「思い込まされ」です。その戦争や革命で“誰が”利益を得たのか? この視点で見るべきなのです。

そうやって戦争や革命で伝えられていることの表層の一枚を剥いでみると、そこには悪魔崇拝のグループが、一般人の生き血を啜る姿がいつでも出てくるのです。

ベネディクト・アーノルドジェファーソン・デイヴィスが地獄にいる様子を描いた風刺漫画(1865年)
Wikimedia Commons [Public Domain]

南北戦争とシリア戦争の類似 ~侵略戦争を内戦と報道


歴史の表層を一枚剥いでみると、戦争と革命の裏には、悪魔崇拝者たちが一般人の生き血を啜る姿が見えるという同一パターンの構造が認められるのですが、特に構図としては南北戦争と「シリア内戦」は非常によく似ています。

マスコミで内戦とされるシリアの戦争は、アサド政権を転覆するための戦争でした。実際にシリア正規軍と主に戦闘を行った反シリア勢力は自由シリア軍、ヌスラ戦線、ダーイッシュなどです。これらは名称を変えていますが基本は同じ存在で、CIAが訓練し育てたテロ暴力組織です。


そしてそれだけでなく、反シリア勢力には米軍や欧州各国の軍隊や湾岸諸国の軍隊も支援し、戦闘に加わってもいます。正規の外国軍隊があからさまに干渉しているのに、なぜこれが内戦とされるのか? 買収されたマスコミが意図的に繰り返す報道はバカバカしい限りです。

反シリア勢力に包囲網を敷かれたあのままの状態が続けば、シリア全土は完全に蹂躙されアサド政権は転覆したでしょう。そしてこの事態は第3次世界大戦にまで発展する可能性は高かったでしょう。それを阻止したのがご存知のようにプーチンのロシアでした。

一方、南北戦争はアメリカの南北分割統治が目的で、ロスチャイルドは代理人を通して南軍北軍両方に貸し付けを行って戦争を行わせていました。更にこの南北の戦闘にはロスチャイルドの意図のもと、英国、フランス等が干渉していました。

編集者訳:後半部分はこちら
アメリカ南北戦争(内戦)は、銀行エリート・ロスチャイルドによって仕組まれたものだった。
ロスチャイルドは北と南の間に対立を起こすことによって、アメリカを取り戻すために分割統治戦略を用いた。
北部はカナダに併合され、ライオネル・ロスチャイルド支配下のイギリスの植民地になる予定だった。
南部はフランスのナポレオン3世に与えられ、ジェームズ・ロスチャイルド支配下のフランスの植民地になる予定だった。
エイブラハム・リンカーンは、国際銀行家に対するその防御資金を調達するために「グリーンバック」を発行することによって、アメリカのこの破壊に立ち向かった。
(以下略)

『ロスチャイルド、通貨強奪の歴史とそのシナリオ』が分かりやすいので見ていきましょう。p75-6に次の通りあります。

「北部に対して軍事的圧力を増大させるため、イギリスは1861年末、8000人の兵士をカナダへ増派した。そして、いつでも南部の攻撃に加勢できるよう北部の国境線に陣を構え、リンカーン政府を威嚇した。

1862年には、イギリス、フランスとスペインの連合軍がメキシコ湾から上陸し、アメリカ南部の国境地帯に合流し、必要に応じて、南部から入国し、北部軍と直接対戦できるように布陣した。

1863年、フランス軍はさらに3万人を増員し、メキシコシティを占領した。開戦当初は、南部軍が次々と勝利を収め、また、イギリス、フランス等のヨーロッパ列強に包囲網を敷かれたため、リンカーンの北軍は極度の苦戦に陥った。」

北軍の敗退はそのままアメリカの分割統治に繋がります。この窮地に動いたのがアレクサンドル2世でした。


戦争の裏にいる存在 ~善悪の線引きの複雑さ


アレクサンドル2世
Wikimedia Commons [Public Domain]

1863年のロシア皇帝アレクサンドル2世の決断と動きを『闇の世界史』p163で次のように記しています。

ロシア皇帝は、英国、フランス両政府に対して、積極的に介入して南部に軍事支援を与えるようなことがあれば、ロシア帝国はそれを宣戦布告と見なすと伝えた。そしてこの警告の真剣味を象徴するかのように、ニューヨークとサンフランシスコの港には実際ロシアの軍艦が現れ、リンカーンの指示を待った。」

アレクサンドル2世の行動はリンカーンの正式な要請を受けたものでした。このロシア軍の動きも一つの大きなポイントとなって、リンカーンの北軍は窮地を脱し、最終的には北軍の勝利でアメリカの分割はなくなります。

これは当然ながら逆にロスチャイルド側にすれば、アメリカの南北分割統治の狙いをアレクサンドル2世によって阻止されたことにもなります。ウィーン会議に引き続き、ロシアのロマノフ王朝とロスチャイルド家の間に更なる因縁と確執が新たに生じたことになります。

本編でみたように、この後アレクサンドル2世は執拗な暗殺攻撃を受け、ついに1881年に暗殺されることになるのです。

Wikimedia_Commons [Public Domain]

さて、南北戦争は多くの文献では、文脈的にはリンカーンおよび北軍が善であったかのように伝えられています。しかしことはそう単純でなく、北軍が善で南軍が悪と分類できるわけではありません。

南部州の方がロスチャイルドたちの工作員が多く潜入していたでしょうが、南部北部ともに工作員は潜入活動し、むしろ北部側が南部州を経済的側面などで圧迫したうえ、戦争へ挑発していたとの幾つかの情報もあります。そして死者は北部の方が多かったのですが、文化等の破壊では南部州の方が被害は甚大だったようです。

また、リンカーンはロスチャイルドたち金融家と戦い、アメリカ分断を防ぎ最後は暗殺されたのは事実です。それで彼はアメリカ史上最高の大統領とされて、聖人やヒーロー扱いされることが多いのです。しかしこれもそう単純ではありません。南北戦争はこれだけの犠牲を出したのであり、どうしても負の側面はついて回るのです。

編集者註:『19世紀のヘロデ』と題された風刺漫画。王としてのリンカーンが左手に持っているのは「権力」とラベルされたグラス。ヘロデはイエス誕生当時のユダヤ王で、猜疑心が強く、専制政治を行っていた人物。

更に戦争や革命の裏には悪魔主義者の存在がありますが、それだけではありません。悪魔主義者の動きを利用する存在、本編の最後部で見たように、戦争や革命をハルマゲドン=救世主降臨計画実現に結びつけるハイアラーキーの覚者たちの存在もあったのです。


Writer

seiryuu様プロフィール

seiryuu

・兵庫県出身在住
・いちおう浄土真宗の住職
・体癖はたぶん7-2。(自分の体癖判定が最も難しかった。)
・基本、暇人。(したくないことはしない。)
・特徴、酒飲み。アルコールには強い。
・歯が32本全て生えそろっている(親不知全て)原始人並み。

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