福島原発事故避難者に対する鬼畜の政策 〜 固定資産税の減額終了に伴い税6倍に、また自主避難者の家賃が2倍に

 福島原発事故避難者に対する過酷なニュースが続きました。
一つは、原発事故後に適用されていた被災地の固定資産税を軽減する特例が2021年度末で終わるため、2022年度から避難者に降りかかる税額が6倍程度跳ね上がることが明らかになりました。原発事故で突然、故郷を奪われ、避難生活を余儀なくされ、中には就労もままならず収入も不安定な状況を強いられる避難者の方々に追い打ちをかけるように、かつての住居地の固定資産税が課税されるなど、いじめにしか見えません。
総務省は他人事のように各自治体にお任せな対応で、まして東電に責任を求める気はサラサラなさそうです。
 さらに、福島県は、自主避難者への住宅支援期間が過ぎたとして、提供住宅から退去しない世帯に対し、家賃の2倍の損害金を支払うよう請求しました。鬼畜か。国である復興庁も県の請求を認める姿勢です。何の落ち度もないのに困窮させられ、病を抱え、新たな住宅に移れない人たちに懲罰的な2倍の家賃を課すなど避難者の生存権さえ脅かします。五輪や復興の体裁のために、避難者は「いない」ことにされています。この国はどこまで冷たいのだろう。
 隣人を見殺しにしない国にしたいではありませんか。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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3.11被災 固定資産税の減額終了へ 原発避難者、税6倍にも
引用元)
東日本大震災や東京電力福島第一原発事故で住宅を解体した後の更地について、二〇二二年度から固定資産税が大幅に増額される。住宅の立つ土地並みに減額する特例が二一年度末で終わるためで、額は六倍程度まで上がる恐れがある
とりわけ原発事故で避難し、帰還できないでいる福島県の被災者は、避難生活での収入減に税の増額が重なり、影響は大きい
(中略)
 福島県浪江町では、全町民二万一千人に避難指示が出て、その後約一万五千人が住んでいた地域では解除された。避難指示が出ている間は全額、解除から三年間は半額という別の減免制度もあるが、それが終わると跳ね上がった税がそのまま負担になる。
(中略)
「故郷の自宅が傷んだのは避難のせい、東電のせいなのに納得がいかない」と語る。
 しかし、地方税法を所管する総務省は「現状で規定を延長する議論はない」と説明。
(以下略)
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福島自主避難者に家賃の2倍請求 住宅支援期限切れで県
引用元)
福島県は9日、東京電力福島第1原発事故に伴う自主避難者への住宅支援の期間を過ぎた後も、提供していた住宅から退去しなかった63世帯に対し、契約に基づき家賃の2倍に相当する損害金を支払うよう請求書を送付した

 自主避難者を支援する市民団体は「低所得の世帯もあり避難者を路頭に迷わせるような請求はやめて」と12日に県へ抗議する。
(以下略)



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配信元)






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