注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
(前略) 政府は、3月3日に種苗法「改正」案を閣議決定しました。今通常国会で成立させる方針です。同「改正」案は、これまで認められてきた種子や苗木の自家増殖を事実上、一律に禁止するもので、農家とっては種子を毎年購入しなければならないなど、新たに大きな負担が発生します。農民連は種苗法「改定」の中止を求める個人署名運動に取り組みます。ご協力をお願いいたします。
署名用紙はこちらからダウンロードしてください。
※ 国会請願署名です。自署して郵便でお送りください。
(以下略)
(前略) 2007/2008年の世界食料危機を境に(中略)大規模企業型農業推進から小規模家族農家重視に180度転換、さらには化学肥料・農薬さらには遺伝子操作技術を使うバイオテクノロジーから、それとは対極の生態系の力をフルに活用するアグロエコロジーへの転換。(中略)
世界は大きく変わった。
しかし、日本政府は古い図式に頭を支配されたまま(企業のいいなりのまま)(中略)さらに押し進める。種子法廃止、農業競争力強化支援法新設、卸売市場法改定、そして今回の種苗法改定。この先に何が起こるだろうか?(中略)
さらにこの動きは日本国内だけに留まらない。このモデルを自由貿易協定を通じて、世界中に押しつけていこうとしている
(以下略)
登録品種の自家増殖を禁止する種苗法改定(中略)それはアジアや世界の農家の種子の権利をも制限しようとしている。(中略)
日本政府は種苗法改定とセットでアジアなどで新品種保護を徹底させるために10億円近い予算を計上している。
UPOV1991年条約は先進国の種苗企業などのロビー活動で作られ、新品種の知的所有権を守ることを批准国に求めるもの。(中略)
日本政府は種苗法の改定、およびRCEPなど多国間あるいは二国間自由貿易協定において相手国にUPOV1991の押しつけをやめ、在来種保護・育成と小農の権利保護に向けて動くべき。(以下略)
[種苗法の一部を改正する法律案] 3月3日、果物種苗、流出防止強化へ 種苗法改正案を閣議決定、刑事罰も https://t.co/LJqYXWWBMN 政府は3日、イチゴ「あまおう」など日本で開発された果物や野菜の種苗の不正な持ち出しを禁じる種苗法改正案を閣議決定した。#種苗法 pic.twitter.com/fcFeBWEO73
— hazukinotaboo (@hazukinotaboo2) 2020年3月3日
種苗法改正案は閣議決定され、審議が進んでしまう可能性もある。どんな問題か、どうやって伝えるか、大変な時に新型コロナウイルスで相次いで学習会がキャンセルに。苦肉の策としてYouTubeにプレゼンをアップ。種苗法改定法案の問題点に関する第一段。ぜひご覧ください。 https://t.co/kyTnywYeQj
— INYAKU Tomoya 印鑰 智哉 (@tomo_nada) March 7, 2020
#種苗法 改定法案の検証、第2段。前回よりも細かく法案の問題点を探ります。そして何をすべきか考えます。有効な手段がいろいろあります。審議開始は5月連休明けになりそうとのこと、まだまだ時間あります。しっかりその問題点をすべての消費者へ拡げてください。 https://t.co/nMIEOe6gCf
— INYAKU Tomoya 印鑰 智哉 (@tomo_nada) March 8, 2020
改めて、新型コロナウイルス騒ぎの裏でどさくさ紛れに何やってってんだと思う。#種苗法 改悪。 https://t.co/RgGt03YJQJ
— KEITAROU1212 (@keitarou1212) March 3, 2020
これは大問題!#種苗法 改定法案も今国会で上程され、さらに野菜農家への収入補填廃止も検討とは
— kayoko (@kayokomacky) March 1, 2020
政府はどこまで日本の農家を痛めつけるんだ!
これでは、日本の農家・農業はつぶれるぞ https://t.co/zofcS9T984
日本は本来息を飲むほど美しいのに、魂を売った人達が農薬や遺伝子組み換えで自然や命を汚し破壊しながらお金儲けをしてる。まずそのシステムを変えないと。できる事は少ないけど生まれた国が好きだから嘲笑われてもあしらわれても声をあげる事はやめない。#種苗法 #NOFTA #NORCEP https://t.co/7Cq9AKbTjo
— 菜々海🐠nanami (@nanami_sea00) February 26, 2020
そもそもイチゴやシャインマスカット等種苗の不正な海外流出を防ぐとの名目ではじまった改定だったはずなのに、蓋を開けてみると、自家増殖の一律禁止というとんでもない改定案になっていたのです。登録品種の海外流出防止のためには、海外での品種登録をすることが唯一有効な対策であると農水省自身がかつて2017年11月に認めています。海外での育成者保護強化のために、日本国内の農家の自家増殖を禁じる必要性など実はまったくないのです。
ですからこの改定案は、種は購入しろ!というも同然の代物であり、グローバル企業による種の独占を合法化するのが目的としか考えられない改悪です。対象は登録種だけといっていますが、たとえ固定種であっても登録種と交雑してしまう可能性があります。すると、バイオテクノロジー(遺伝子操作やゲノム編集)を使った登録種には知的所有権があるとして、その交雑した種に対してもその権利を主張してくるかもしれないのです。現に海外では、固定種に多国籍企業の種が交雑しているということで裁判がおこされているのですから。これはグローバリズムが実質的に小規模家族農家を潰しにかかっているといえます。
今、世界の農業は、大規模企業型農業から小規模家族農家重視へと180度転換しつつあるといいます。グローバリズムの推進する、化学肥料、農薬、バイオテクノロジーを使う農業の弊害(腸内細菌へのダメージをはじめとして)に気づきはじめ、それとは対極の生態系の力をフルに活用するアグロエコロジーへと変わりつつあるというのです。
こうした中、ガラパゴスのような日本政府には地球環境をグローバルに見守るという視座はなく、相も変わらず旧来のグローバリズムにしがみつき、経済的植民地政策のような収奪システムに邁進しています。種子法、農業競争力強化支援法新設、卸売市場法改定、そして今回の種苗法改定で自家増殖を禁止するというのです。これでは実質的にグローバル企業が種苗を独占することになってしまいます。一般の小規模家族農家を潰し、国民を餌付けされたモルモットのようにでもしたいのでしょうか?
しかも日本政府は、こうしたモデルをRCEP等の自由貿易協定を通じて東南アジアなどにも押し付けようとしているのです。印鑰氏の見立ては、種苗法改定における背景や問題点を浮き彫りにしてくれます。
「お金が法の上にある」ような政治家はもういいかげんに退場してもらいたいものです。種という命に知的所有権などつけるな!ということです。「人の命は法の上にある」というメキシコのロペス・オブラドール大統領のようなトップがのぞまれます。このままでは、種子法の時のようにまともな議論もなく、新型コロナウイルス対応の混乱とどさくさに紛れてベルトコンベアーのように「種苗法改定案」は国会で可決されてしまいます。ぜひ多くの人々にこの危険な法改定を知ってもらいたいものです。これは農家だけの問題ではありません。命とお金のどちらが大切なのかを問われてもいるのですから。