ディディエ・ラウト医師「新型コロナの特異性は呼吸器官に対する攻撃と血液凝固問題だったが、今後の課題は予後に多く見られる特発性肺線維症の発生」 / 期待される「幹細胞」を用いた新しい治療法

竹下雅敏氏からの情報です。
 新型コロナウイルス感染症の重症患者は、多くの場合、炎症により肺が損傷を受け重度の呼吸不全となるARDS(急性呼吸窮迫症候群)を発症し、回復しても肺が繊維化して後遺症が残るということでした。
 Pさんのツイートで、ラウ→ラウルト→ラウル→ラウトと名前が変化するディディエ・ラウト医師は、「新型コロナの特異性は呼吸器官に対する攻撃と血液凝固問題だったが、今後の課題は予後に多く見られる特発性肺線維症の発生」だと言っています。
 新型コロナウイルスは、早期に発見できれば「ヒドロキシクロロキン」での治療で簡単に治るようです。しかし、日本のように重症化してから感染が確認されるというようなケースでは、この「肺線維症」の問題が残ります。
 6人の現役のダイバーが新型コロナウイルスに感染し、軽症のため「数週間の自主隔離の後、回復」したものの、“肺が、不可逆な損傷”を受けていたという記事がありました。ダイバーたちを診察した医師は「これは衝撃的で、何が起こっているのか理解できません。彼らはおそらく生涯の患者として、定期的な診断を受けるべき状態になってしまいました。当然、ダイビングはもうできません」と話しています。
 冒頭の動画と記事は、アブダビの幹細胞センターが「幹細胞」を用いた治療法を開発したということです。患者の血液から抽出された幹細胞を、細かいミスト状にして患者の肺に吸入させるというもので、「ミストには治療効果」があるとのことです。
 また、“続きはこちらから”は「臍帯由来幹細胞」を点滴で投与する日本初の「幹細胞」治療法の臨床研究がメキシコで行われるというもの。これらの新しい治療法に期待したいところ。
 記事の中にある動画はオススメです。1分10秒~2分50秒の「間質性肺炎」の説明と、2分50秒~4分27秒の「サイトカインストーム」の説明が実に分かり易い。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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幹細胞利用の治療法をUAEが開発「患者73人が回復」(20/05/02)
配信元)
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COVID-19の有望な治療法をアブダビの幹細胞センターが開発
引用元)
ロンドン:UAEを拠点とする医師と研究者からなるチームによって開発されたコロナウイルス感染症(COVID-19)のためのエアゾール治療法は「有望な」結果を示したと、エミレーツ通信社(WAM)は金曜日に報告した。
(中略)
幹細胞は患者の血液から抽出され、細かいミスト状に噴霧化された後、吸入によって「活性化」された状態で肺に再導入される。
 
ADSCCの研究者によると、ミストには治療効果があり、肺細胞の再生を促進し、免疫系の反応を変化させることで、COVID-19への感染に免疫系が過剰反応し、健康な細胞にさらなるダメージを与えることを防ぐことを助けるという。
 
同治療法は、臨床試験の第一段階を通過しており、今後2週間の間にその有効性を実証するための更なる試験が行われる予定である。
(以下略)


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<セネジェニックス研究所と幹細胞治療のテラによる共同事業> 新型コロナウイルスに対する日本初の“幹細胞”治療法開発に着手 メキシコにて計75名のコロナウイルス患者に対する臨床研究を本日より開始
引用元)
(前略)
既にメキシコで承認を取得している幹細胞を使用するため、迅速に臨床研究に入ることができる。
他家細胞(他人の細胞)を培養したものを使うため、今後治療が必要な方へ時間を置かずに治療を行うことができる。
③患者1人につき、約1億5000万個の臍帯由来幹細胞を点滴静注で投与する。
(中略)



(以下略)

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