デジタル改革関連法案が衆院で可決、参院へ / デジタル庁の監視に連動して個人情報保護の原則がなし崩し「本人同意」不要で、思想信条など「センシティブ情報」も収集可能に

 菅政権の野望のためだけに強引に作られ、拙速に衆院で可決されたデジタル改革関連法案でした。63本の関連法を束ねた5法案という膨大な量で、目を覆うようなミスも見つかりました。個人情報保護の規制を緩め、国民のあらゆる情報を集約し監視できるデジタル庁への多くの危険を指摘されたまま、法案は参議院に送られます。このまま成立すると「首相に強大な権限を与えてしまう」不気味なデジタル庁が9月にも発足することになります。
 今回の法案は大きく「デジタル庁」と「個人情報保護」への2つ側面があります。NPO法人「情報公開クリアリングハウス」の三木由希子理事長が個人情報保護への深刻な変更を解説されていました。現在、各自治体の条例によって個人情報は「本人同意」に基づいて「直接収集」する原則がありますが、今回の改正案では国と一元化することで規制緩和されてしまい「利用目的が明確であれば」本人から直接情報を集めるという原則がなくなります。先ごろ発覚した健康保険番号とマイナンバーの紐つけは本人の知らないところで情報が提供されていましたが、こうしたことも合法にする気ですね。さらに「センシティブ情報」と言われる思想信条、犯罪被害、病歴、社会的身分などの情報は原則収集禁止とされてきましたが、これも今回の法改正でその原則が消されます。クリアリングハウスのデジタル関連法案特集で列挙された問題点を並べてみただけでも、デジタル庁の監視強化に呼応するようなルール崩壊が読み取れます。
 こんな問題法案を多数の勢いに乗って賛成する議員は、今後、ご自分が国民から選別される立場になったということを自覚されるがよろしい。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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配信元)


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デジタル改革法案、衆院通過 個人情報保護などに懸念
引用元)
 デジタル庁創設や個人情報保護法改正を盛り込む「デジタル改革関連法案」が6日、衆院本会議で自民、公明、日本維新の会、国民民主各党の賛成多数で可決された。菅義偉首相の肝いり「デジタル庁」を司令塔に、データ利活用による利便性をアピールする。ただ、個人情報保護や監視社会に関する懸念は残ったままで、参院審議でも焦点になりそうだ。
(中略)
 今回の法案では、首相をトップとするデジタル庁のもとで、省庁や各自治体でばらばらだった個人情報保護のルールやシステムを共通化させていく。
(中略)
野党や日本弁護士連合会、市民団体が指摘していた個人情報保護など、課題の多くは積み残しになり、政府への注文などとして28項目もの付帯決議がついた。
(以下略)
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個人情報保護の原則「吹っ飛ぶ」 デジタル法案の問題点
引用元)
(前略)
 今回の法案では、自治体ごとに条例で定めていた個人情報保護のルールを、規律が比較的緩やかな国のルールに一元化する。自治体が条例でつくってきた個人情報保護の原則が吹き飛ぶもので、個人情報に関する規制緩和だ

 一定の規模の自治体では、個人情報は「本人同意」に基づいて本人から直接集めることが原則だ。国のルールに一元化されると、利用目的を明確にしていれば、個人情報を本人から直接集めることを原則としない仕組みになる

 もう一つは、思想信条や犯罪被害、病歴、犯歴、社会的身分など「センシティブ情報」と呼ばれる要配慮個人情報について、自治体では原則収集を禁止してきた。その情報を知ることが差別や偏見を植え付ける可能性があるという考えに基づくものだった。今回の法改正で、要配慮個人情報を集めてはいけないという原則もなくなってしまう
(以下略)
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特集:デジタル関連法案
(前略)

① デジタル関連法案と個人情報保護 情報公開のこれから

② 改正個人情報保護法案は2つの法律の寄せ集め

自治体条例が定める2つの原則がなくなります

④ なくなるもう一つの原則-センシティブ情報(要配慮個人情報)が原則収集禁止ではなくなります

⑤ 自治体の個人情報保護 審議会等には法の解釈にかかわる部分に関与させることに否定的?

⑥ 自治体の本人開示請求などの仕組みは使いにくくなる

自分の情報を開示請求するのにお金が取られるようになる

⑧ 開示請求に対して自治体では原則開示の公務員の氏名は不開示になるかもしれない

⑨ 地方議会に適用されない改正個人情報保護法案

(以下略)

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