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ぴょんぴょんの「フィリピン人に大統領のことを聞いてみた」 〜来年、大統領選を迎えるフィリピン
ドゥテルテ大統領って、どんな人？
フィリピンのドゥテルテ大統領、どんな人だと思う？
フィリピン版トランプ！
Wikipedia[Public Domain]
深い思考？ にしちゃあ、ドゥテルテ、暴言吐きすぎだろ。オバマ大統領に「地獄へ落ちろ」（Sputnik）、
「売春婦の息子め。サミットで呪ってやる」（Sputnik）。
フィリピン駐在アメリカ大使に「同性愛者」「ろくでなし」（ParsToday）、
ドゥテルテ氏に「精神鑑定」が必要と言った国連人権高等弁務官に「おい、売春婦の息子、俺が精神科医に診てもらう必要があるだと？」「見ろ、お前の頭は大きいが空っぽだ。頭脳がない。空洞だ。空っぽだ。髪を伸ばす栄養分すらない。なぜならほら、はげているから」（AFP）などなど、暴言のオンパレードじゃねえか。
どうして、そんなに人気があるんだ？
フィリピンの治安回復に、貢献したからね。大統領になる前、ドゥテルテ氏は治安の悪いダバオの市長だった。
そこで、麻薬がらみの犯罪者を殺しまくって、ダバオ市の治安は劇的に良くなった。
大統領に就任してからも、警官に麻薬使用者の家を回らせて、自首と更生を促した。
そしたら、100万人以上が自首して刑務所が満員御礼になったって。（note）
ダバオ市
Author:Teemu Väisänen[CC BY-SA]
「殺しまくって」が気になるが。
そこが、ビミョーだね。就任演説で、麻薬撲滅の意気込みを語っているけど、
「人権に関する法律など忘れてしまえ。私が大統領になった暁には、市長時代と同じようにやる。麻薬密売人や強盗、それから怠け者ども、お前らは逃げたほうがいい。市長として私はお前らのような連中を殺してきたんだ」。（Wiki）
人権よりも治安かあ。なかなか、過激だ。
2018年9月末までに、取り締まりで殺された市民は4,948人。「実際に、麻薬犯罪に関わる容疑者を裁判にかけることなく、逮捕の現場で射殺する事件が2016年に就任後わずか1ヶ月余りで1800件が発生している」（Wiki）のが問題視されてね。
ツッコみどころ満載だ。
たしかに、欧米からは批判の的になってる。だけど実際、治安の悪いダバオで暮らしてきた女性は感謝してるんだ。
「私たち女性からしたら、タクシー使うのも怖かったのよ。レイプが横行してたから。
今はめっきりなくなったし、安心してタクシー乗れる」。（note）
それは良かった。
治安だけじゃない、経済もめっちゃ良くなった。以前は、女性は看護師の資格をとって、海外に出稼ぎに行くしかなかった。
でもドゥテルテ氏は、「子どもや夫を母国に残して、母親の単身赴任なんて考えられない、危険を冒して、海外に出稼ぎに行かせるなんてとんでもない」って国内の雇用を増やした。（note）
まともじゃん。
ドゥテルテ氏は鉄道を充実させ、工業団地を建設し、国際空港を拡張し、公共事業で雇用を増やした。（note）また、情報の自由化、政府の腐敗排除、公共機関のサービス改善、農家へ農器具を配る、零細漁師の生活保護など、貧しい人々への政策もやった。（note）
Author:Wilsen John F Escandor[CC BY-SA]
そういういいことを、マスコミはぜんぜん伝えてくれん、なんでだ。南シナ海を巡るフィリピン、中国、アメリカ三国の関係
マスコミは、彼を道化者として扱ってるからね。でも、そんな絶好調のドゥテルテ氏も、コロナのせいで求心力がスローダウン。
中国人観光客をストップするのが遅れたせいで、国中にコロナが広がったと叩かれている。「中国にしっぽ振りすぎ」なんて、言われてるみたいだよ。
へえ、中国にしっぽ振ってんの？
アメリカと距離を置いて、中国との距離を縮めたからね。
あれ？ アメリカとフィリピンは仲良かったんじゃね？米軍の基地もあったよな。
関係が冷えたのは、南シナ海の領有権問題。かつて、南シナ海のフィリピン領海で漁をすると、「ここは中国の領海だ」って、フィリピン漁師が中国の沿岸警備隊に捕まっていたんだ。
フィリピン領海なのに？
そう。漁師は貧困層が多いから、死活問題でね。それで、フィリピンは国際仲裁裁判所に訴えていたんだけど、2016年、中国の領有権主張を退ける判決が出たんだよ。
BBCニュース - 仲裁裁判所の南シナ海判決尊重を フィリピンが中国に呼びかけ https://t.co/Vdch2eh3Oc pic.twitter.com/QrumecB7R6
— BBC News Japan (@bbcnewsjapan) July 14, 2016
そら、良かった。
ところが、中国はそんな判決はガン無視で、相変わらず漁師を捕まえるんだ。
なんと！？
この問題に、国連はスルー、同盟国アメリカも助けてくれない。どころか「フィリピンを支援することを確約しない」と明言。
アメリカ、あてになんねえ。
なんだ？ そんな簡単に、アメリカ軍は撤退してくれるのか？ なら、日本も・・。
いやいや、フィリピンの基地はいらなくなったから、撤退。つまり、アメリカは「協議離婚」の形で去ったんだよ。
ところが、それを横目で見ていた中国が、こっそり南シナ海の環礁に建物をつくり、南シナ海軍事基地化の一歩を踏み出した。（東洋経済）
うわ！ 油断もスキもねえなあ。
危機感を抱いた当時のラモス大統領は、1998年、「やっぱ、アメリカ軍にいて欲しい。常駐しなくていいから、訪問だけでも」
ってことで、フィリピンとアメリカは「訪問米軍地位協定（VFA）」を結んだ。
つまり、通い婚みたいなヤツ？フィリピンが米軍地位協定を破棄
— 👽️りゅう, (@Ryutam_77117333) February 11, 2020
フィリピン政府は11日、「訪問米軍に関する地位協定」を破棄したと発表しました。ドゥテルテ大統領の指示による措置で、180日後に有効となります。@ReutersUS画像
フィリピンが米軍地位協定を破棄 pic.twitter.com/2RZjee46l3
アメリカは振られたのか！ なんでだ？
それは、ドゥテルテも怒るわな。
それで、ドゥテルテ氏は「訪問米軍地位協定は破棄する」と通告した。
いいなあ〜「日米地位協定は破棄する」とか、て言ってみてえよなあ。
その一方で、ドゥテルテ氏は中国に近づいた。大統領就任早々、習近平と会談し、判決を棚上げする代わりに援助を約束させた。
おかげで、中国との関係も良くなり、ヒト・モノ・カネが入り、フィリピン人漁師が捕まることも無くなった。（東洋経済）
「（中国と）大喧嘩した反面、いきなり仲良くしようよと言うのもどうかと思って、キッカケとしてアメリカに軽く喧嘩を売って中国の関心を引く。
その後うまく仲直りした後に、アメリカなどに対する暴言を『神のお告げがあったから』とかバカのフリして止めると、なかなかクレバーな綱渡りをしてるのではないかと。」（note）
ハッハ、なるほど！フィリピン、米軍地位協定の破棄撤回 大統領が方針転換 https://t.co/Qaxk852BvS
— cnn_co_jp (@cnn_co_jp) July 31, 2021
う〜ん、ワクチンで手を打ったのは、解せねえが、うまくアメリカを手玉に取ったな。だが、人権無視を非難した、アメリカの言い分もわかる。
2020年のドゥテルテ氏の支持率９１％！
フィリピン人の中には、こういう意見もあるよ。治安を良くしたと言っても、司法手続きを完全無視して、殺しまくってるだけ。
麻薬絡みの犯罪はほとんど極貧地域の未成年なのに、全部殺せばいいというのは根本的解決になってない。（note）
やっぱりそうだよな。
一方、こういう意見もある。「勘違いしてるみたいやけど、ドゥテルテ大統領、貧困層へのサポートもしっかりしてるで。教育も。でもさ、それすら利用もせずに文句ばっかり言うてるんやで。やっぱり、本人の意志の問題やと私は思う」。（note）
フィリピン人、大阪弁、しゃべるのか？
ＴＫ工房さんが、大阪弁に通訳するからね。23歳の男性も、熱く語る。
「（ドゥテルテ氏は）他の政治家とまるで違う。
他のやつらは外面だけは良いクズばっかりやから。ほんま口ばっかり。
ほんでマフィアはこういうクソ政治家と繋がってるからな。
ドゥトルテは、ミンダナオ島のダバオ市長になってから、犯罪やテロ、麻薬の巣窟全部一掃した。犯罪減っただけでなく、インフラ整備も、鉄道や高速道路を建設してくれて、慢性的な渋滞もめっちゃ解消したし。ほんま今までの奴らは何やってんと」。
（note）
ミンダナオ島
Author:JL 09[CC BY-SA]
フィリピンに大阪弁、よく合う。
2020年の正式な調査では、ドゥテルテ氏の支持率９１％！
実際は、もっと低いと思うよ。でもね、いくら９１％の支持率と言っても、やりにくいはずだよ。
汚職や麻薬で潤ってきた政治家たちにとっちゃ、ドゥテルテ氏はジャマ者だからね。
だけど、アメリカを遠ざけたおかげで、アメリカがらみの汚職政治家を弱体化させることができた。
日本は、二世三世のボンボンばかりだからねえ。ドゥテルテ氏なんか、前科があるんだよ。
10代は、ケンカに明け暮れて刑務所を出入りして、16歳の時は、ケンカで人を刺殺したこともある。
大学時代も、少数民族の出自をからかった同級生を銃撃したり、市長時代も、大型バイクで路地をパトロール中、警察官に手本を示すために、3人の容疑者を射殺したとか。
これ全部、自分でしゃべってるんだよ。（Wiki）
そうゆうの、ふつう、隠すだろ！
ヤマ・ニヤマ的には「？」だけど、前科を自分で言っちゃうとこは、大物だね。そうそう、ドゥテルテ氏の「中国より」で、気になることがあるんだ。
2019年、フィリピンは、ファーウェイの顔認証つき５G製品を、議会の反対を押し切って採用したんだけど、この時、ドゥテルテ氏は、大統領拒否権まで使ったって。
新疆ウイグル問題でも、中国を支持したし、自身も中国製のワクチンを接種したり。（Wiki）
Wikipedia[Public Domain]
ちょっと、独裁っぽくないか？ しかも、中国に寄り過ぎだし。ひょっとして、習近平があっちに寝返ったこと、知らねえのか？
役者だなあ。ところで、ドゥテルテはいつまで大統領やってんだ？
フィリピンの大統領は任期が６年で、来年2022年が大統領選だよ。ドゥテルテ氏は、副大統領候補で出るって。
副？ なんで、大統領に立候補しねえんだ？
フィリピンは、大統領の再選が禁じられてるからね。
だが、副大統領だと、今みたいにやりたい放題はできねえぞ。
実は、ドゥテルテ一家、スゴイことになってるんだ。長女、サラ・ドゥテルテさんは現在ダバオ市長、次男はダバオ副市長、長男はダバオ市選出の下院議員。（Wiki）
その長女が、大統領選に出るかもしれないって。（日本経済新聞）
左より長女サラ氏、次男セバスチャン氏、ドゥテルテ大統領ドゥテルテ一家、影響力増す ３人の子が中間選挙で当選 https://t.co/cE05tiaPbG
— 朝日新聞(asahi shimbun） (@asahi) May 14, 2019
てことは、親子で副大統領と大統領？それ、現実になったらヤバくね？
顔認証システムも持ってるし、中国みたいになったりしねえか？
来年のフィリピン国民の審判に、注目だね。Writer
白木 るい子（ぴょんぴょん先生）
１９５５年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。１９７９年東京女子医大卒業。
１９８５年、大分県別府市に移住。
１９８８年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後２６年半、主に漢方診療に携わった。
２０１４年１１月末、クリニック閉院。
現在、豊後高田市で、田舎暮らしをエンジョイしている。
体癖７－３。エニアグラム４番(芸術家)
国民から見たドゥテルテ大統領って、どんな人？
「ＴＫ工房」氏の「フィリピン人に大統領のことを聞いてみた」を参考に書いてみました。