「従業員使い捨て」の米アマゾンで労組結成を求める従業員投票が賛成多数 〜 これまでアマゾン側の激しい介入で否決されていた流れに変化

 米アマゾン・コムのニューヨーク州「JFK8」という物流施設で働く従業員が労働組合の結成を勝ち取りました。アマゾン従業員による労組結成は米国で初めてというインパクトは大きく、他地域のアマゾンだけでなく他業種の労組結成への弾みにもなる可能性があります。
 アマゾンの物流倉庫の労働環境が劣悪だという報道はこれまで多数ありました。創業者ジェフ・ベソスは「従業員は使い捨て」と決めつけて、絶え間ない監視とマイノリティへの人種差別、待遇が良くなると解雇されるなどの不当労働を強い、とりわけ今回ニュースとなった「JFK8」は「アマゾンの労務管理の横暴ぶりとその恐ろしさがむき出し」だとかつて報道されていました。
 これまでも労働組合結成を望む従業員投票は行われてきましたが、アマゾン側の結成反対への猛烈な働きかけで大差で否決されていました
 ところが今回は僅差とはいえ賛成多数となったことの意味は大きく、J Satoさんの「米国の富の一極集中に大衆が気づき抵抗し始めた」とのツイートに共感します。最初のツイート動画は、投票結果が賛成多数の勝利を宣言した瞬間です。
それにしてもですよ、「JFK8」で働く人々の時給がニューヨーク平均時給の半額以下で2,200円だと報じられています。半額以下の時給が2,200円。日本で働く人々の平均時給は、、、。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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配信元)
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アマゾン、米国で初の労組結成へ 物流施設の従業員、動き拡大も
引用元)
米インターネット通販大手アマゾン・コムの物流施設で1日、労働組合結成の是非を問う従業員投票が賛成多数で可決された。労組が結成されれば、米国のアマゾンでは初めて。アマゾン側は強く反発してきたが、労働環境の改善を訴える従業員の声を抑えきれなくなった格好だ。アマゾンは米国で100万人以上を雇用しており、同様の動きが他地域に広がる可能性がある

 投票したのはニューヨーク州のスタテン島にある「JFK8」と呼ばれる物流施設の従業員。約8300人のうち有効票は約57%で、賛成2654票、反対2131票だった。
(中略)
アマゾンは福利厚生を充実させているなどと反論し、ウェブサイトなどを通じて組合結成の動きに加わらないよう従業員に呼びかけていた
(以下略)
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作業員が震え上がる「アマゾン」恐怖の労務管理 強力な監視に加えて、手違いによる解雇も続発
引用元)
(前略)
ニューヨーク市内にあるアマゾン唯一のフルフィルメントセンター(物流拠点)「JFK8」内部ではコロナ禍の中、アマゾンの労務管理の横暴ぶりとその恐ろしさがむき出しになっていたことがニューヨーク・タイムズの取材で明らかになった。
(中略)
アマゾンという巨大ネット通販企業は、大部分が有色人種の労働によって成り立っている。2019年の内部資料によると、JFK8従業員の6割以上は黒人かラティーノ(中南米系)だ。

そして倉庫で働く黒人作業員は、同内部資料によると、低生産性や素行不良、常習的欠勤といった理由で、白人作業員に比べ5割近くも多く解雇されている(アマゾンは、それがどのような内部資料なのか具体的な情報が示されなければデータを確認することはできない、とコメントした)。

近視眼的な雇用モデル、昇進機会の欠如、テクノロジーによって推し進められる採用・監視・管理……。従業員を苦しめている労務管理手法の大本をたどると、その一部は創業者ジェフ・ベゾスの考え方に行き着く。

従業員の固定は「凡庸への道」
──。
(以下略)

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