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まみむのメモ(47)〈食べられる野草図鑑・夏(1)〉
アカザ(藜)・シロザ(白藜)・アオザ(青藜)
時期 | 5〜6月頃から新芽を出し、花期は9〜10月。 |
場所・環境 | 日本全土の荒地や畑のへりに多い。食用に栽培されていたものが野生化したともいわれる。アカザはシロザの変種で、アカザの仲間は世界中に分布して、約1400種もしられている。その多くの種が塩生と乾生の植物で、土壌中に多量の塩分が含まれる地域や乾燥地を好む特性がある。 アカザはインドまたは中国が原産であり、今では世界に広がっている。日本では最近見かけることが少なくなった。 また、アカザは食用として栽培されいていたため、家庭菜園で作って食べられる。窒素分の多い土地によく育つ。 |
花 | 風媒花(風によって花粉を飛ばす)。花は頂生および腋生(葉の付け根、葉腋に生える)で、黄緑色から緑白色の小花を穂状につけ、一般に密につけるが、まばらにつくこともある。花には花弁がなく、花被片は5個ある。花被片は広卵形〜楕円形、長さ約1mmで、中肋は高まって稜となる。 |
葉 | 葉は茎に互生して、柄があり、長三角状卵形か、ひし形に似た卵形で、下部の葉は菱状卵形〜卵形、上部の葉は長卵形〜披針形、先は鋭形か鈍形、基部は広いくさび形。質は柔らかでやや厚く、葉の縁は波状で、大小の歯牙があり、長さ1.5〜7(〜12)cm、幅1〜5(〜8)cm。若い葉には白色または淡紅色の粉状物がある。 また、葉は、カタバミやクローバーのように睡眠運動をする。 |
実 | 果実期の果穂は赤みを帯びる。果実は胞果で水平な卵形、、花が終わった後に閉じた萼片(花被)に包まれ、五角形に見える。果皮は膜質で薄く、1個の種子を包んでいる。種子は凸レンズ形、径1〜1.5mm、黒色で光沢があり、一部が嘴状に突出する。 |
根 | 茎が1〜1.5mにもなり木質化し、それを支える根も直根と分枝根がよく発達する。 |
見分けるポイント | 若葉の中心が赤みを帯びるものをアカザ、若葉の白味のつよいものをシロザ、青みのものはアオザといい、これらは同一種類。若葉につく粉状物が特徴。 |
間違えやすい毒草 | なし |
生え方 | 1年草 |
学名 | Chenopodium album var. centrorubrum 英語では、ニワトリのえさにするため Fat Hen(hen は雌鶏の意)などと呼ばれる。中国植物名(漢名)は、藜(れい)とよぶ。 |
科名・属名 | ヒユ科・アカザ属 |
採取方法 | 6~7月の花穂がでる前に若苗をとり、天日干し。 若芽や若葉を摘んで食用に。種子も食用に。 |
あく抜き | ホウレンソウの仲間で味が似ており、シュウ酸を多く含み、あくが強いため生食には適していません。塩茹でして水に取りあく抜きします。 |
調理法 | そのままで天ぷら、あく抜きして炒め物・おひたし、和え物・汁物などに。乾燥葉をお茶に。種子を同属のキヌアやホウキギ(コキア)の種(とんぶり)と同じように穀物として加熱していただく。 |
他の利用方法 | 茎は太く硬くなるため杖の材料にもされ、アカザの杖は最高級とされる。 |
効能 | のどの痛み取りに、乾燥させた茎葉1日量20グラムを水500 ccで煎じて、3回に分けて服用。湿疹のかゆみには、1日量10グラムを水600 ccで煎じた液を冷まして、1日3回ガーゼに浸して患部に塗る。また生葉の搾り汁は、毒虫などに刺された時塗ると痛みが止まるとされ、歯痛に生葉の汁をガーゼに含ませ噛んでいるとよい。また、葉の粉末に同量のこんぶ粉末を混ぜ合わせたものを痛む部分につけるか、葉の煎じ汁でうがいをする。 腸、皮膚、歯肉の熱を冷ます薬草であり、妊婦や胃腸が冷えやすい人への使用は禁忌とされている。下痢止め、健胃、強壮薬として1日量15~20グラムを煎じて服用。 アカザはミネラルが豊富に含まれており、ホウレンソウを上回る栄養価で、ビタミンA・B・Cが含まれる。食用野草の観点からも、ほかの野草の群を抜いて優れた栄養素を誇っている。このほかにロイシンやベタインが含まれていて、筋肉をつくる上では欠かせない栄養素。 |
その他 | 日本でも古くから知られているもので有史前からの帰化植物。このような植物をヒガンバナ、ヤブカンゾウ、カラスビシャクなどとともに史前帰化植物という。 第二次世界大戦のさなかに、食糧不足を補う野菜としてアカザは夏の七草に推薦され、救荒野菜として栄養豊富なアカザが食卓によく登場した。当時は大量に食べ過ぎて、中毒疹になる人がいた。食後に強い日光を浴びると局所的に発赤やむくみなどの症状が現れる場合がある。「アカザ日光アレルギー性皮膚炎」(紅潮・水腫・皮下出血)の注意を要する。「藜の羹(あつもの)」は粗末な食事の形容に使われる。 夏の七草は藜(アカザ)・猪子槌(イノコズチ)・莧(ヒユ)・滑莧(スベリヒユ)・白詰草(シロツメクサ)・姫女菀(ヒメジョオン)・露草(ツユクサ)。 |
参照サイト・文献 |
松江の花図鑑 ウィキペディア BOTANICA イー薬草ドット・コム |
関連記事 | [第20回] 地球の鼓動・野草便り 夏に美味しい野草 |
ヒメジョオン(姫女菀)・ハルジオン(春紫苑)
時期 | 根生葉の状態で冬を越し、4月頃から茎を伸ばして根生葉は消える。花期は5〜10月頃。花が種になりながら次々に花を咲かせ花期が長い。花が終わる前の初夏に次の根生葉が出る。中には茎を伸ばし夏〜秋にも花を咲かせる。まれに初冬まで花を咲かせる。 |
場所・環境 | 北アメリカ原産で1865年頃に鑑賞用植物として日本に移入され、数年後の明治期には雑草になっていた。現在では日本中に広がり、市街地や農村だけでなく、亜高山帯にまで入り込んでいる。日当たりの良い場所を好む。 |
花 | 茎は初めは枝分かれせず、先の方で数回の枝分かれをして、上部の枝先に多数の白か薄紫の花を咲かせる。頭花は直径約1〜2cmと小さく、花の終わりに近づくと小花になる。花はヒマワリのような形だが、周りの花弁がとても細い。また、ヒメジョオンの花に見えるものは頭状花序で、小さな花の集まり。中央の黄色い部分は、管状花といい、周辺の花びらのようなものは、舌状花という。また、花弁の白い部分がやや紫がかる個体が見られることもあるが、これは清浄な空気の中で育った時にできる。苞片は披針形〜線状披針形で2〜3列に並ぶ。 |
葉 | 若い時期は、根本から長い柄のついた丸みを帯びた葉(根生葉)を付ける。やがて、茎が高く伸びると、根生葉は無くなり、茎から出る細長い葉だけになる。茎と葉は黄緑色で、まばらに毛が生える。 茎は高さ0.3〜1.3mになり、粗い毛がある。内部には白い髄がつまっている。下部の葉は卵形で長い柄があり、ふちには粗い鋸歯がある。上部の葉は披針形で先はとがり、基部はしだいに細くなり、茎を抱かない。 |
実 | 舌状花の冠毛(種を風によって飛ばす)は短く、筒状花の冠毛は長い。痩果(小型の閉果で熟しても裂開しない。1種子を持つ。)は長さ約0.8mmの長楕円形。 |
根 | ひげ根がよく発達し長くなる。 |
見分けるポイント | ヒメジョオンによく似たハルジオンは、開花期が4~7月と早く咲き、花が咲く前の蕾(つぼみ)は頭をたれている。また、茎は中空で、葉は茎を抱く。 生え方や味が似ているヒメムカシヨモギやオオアレチノギクは葉が密に互生し、花期は7〜10月で遅く目立たない地味な小花をつける。 |
間違えやすい毒草 | なし |
生え方 | 1年〜越年草 |
学名 | Erigeron annuus |
科名・属名 | キク科ムカシヨモギ属 |
採取方法 | 開花期に花を採取。葉・根は、随時採取。 |
あく抜き | ヒメジョオンは、花が咲き始めると、苦味と香りが強くなるので注意して早めに採取。若葉や若芽(先端10cmくらい)はあく抜きせず、他は塩茹でして水に取る。 |
調理法 | 若芽や根はナムルや味噌汁に入れたり、和え物、お浸し、油炒め、天ぷらに。 花や葉(2〜3日乾燥)にお湯を注いでお茶に。花の醤油漬けなど。 |
他の利用方法 | 花と根の化粧水(アルコール20℃以上に漬け1ヶ月後〜のチンキを作り、ハルジオン or ヒメジョオンのチンキ 小さじ1・緑茶水(熱湯で濃く出し冷ます) 小さじ8・(生)蜂蜜 小1/2をよく混ぜてスプレーボトルに入れ1週間で使い切る。) |
効能 | 抗酸化作用のあるポリフェノールがブルーベリーの2倍も含まれていて、老化防止にはとても効果のある薬草と言える。 糖尿病 (血糖値を調節)、解毒作用、解熱作用、止血、胃炎、腸炎、消化不良、腸炎による下痢や腹痛、肝炎の改善、皮膚美容、老化防止、浮腫(むくみ)などに。 歯が痛いときはヒメジョオンから汁をとり、歯磨きをすると痛みがなくなると言われている。 糖尿病の予防やむくみをとる茶材として、乾燥した花や葉を混ぜて、1日約10グラムを、適量の水で煎じて、お茶のように飲用する。糖尿病の予防には、乾燥した花を粉末にして、1回2グラムを服用。 北米では、全草を乾燥させて、煎じて利尿剤、結石の除去にも用いられている。 |
その他 | 1個体あたり47,000以上の種子を生産し、さらにその種子の寿命が35年と長いこともあり、驚異的な繁殖能力をもっている。(アクも少なく野菜の代わりに、救荒植物の筆頭になり得る。) 「姫女菀」の「姫」は「小さい」、「女菀」は「中国産の野草」を表す。 日本に入ってきた当初は「柳葉姫菊(やなぎばひめぎく)」と呼ばれたり、鉄道の線路沿いに広がったことから「鉄道草(てつどうぐさ)」と呼ばれたりした。全く別種のシオン属のヒメシオン(姫紫菀)と区別するためにヒメジョオン(姫女菀)という名前が付いたという説もある。 |
参照サイト・文献 |
松江の花図鑑 ウィキペディア イー薬草・ドットコム BE-PAL 太陽の知恵袋 共鳴ヒーリングのブログ |
関連記事 |
[第8回] 地球の鼓動・野草便り 今、美味しい春の野草5種(6) (ヒメムカシヨモギ [第19回] 地球の鼓動・野草便り 自然に還せるもので生活) |
「まみむのメモ」がスタートする少し前、世界的な免疫学者の安保徹先生が不審死され、その数ヶ月後だったと思いますが、いつも参考にしている「食べる薬草事典」の著者、村上光太郎先生がお亡くなりになったと不審なメールが入り、少し狙われている感がありました。これが理由です。
人の免疫や野草がいかに優れているのか、知られては困る者たちが世界を牛耳ってきたのを、コロナウィルス騒ぎとワクチン押し付けでよくわかりました。
生物兵器ウィルス研究が世界中で行われてきていたのを知ったのも最近ですが、ウイルスに対抗できる身近な食品があることや、人の免疫力を高めることで対抗できる・・・これは不都合だったはずです。治療効果があるイベルメクチンを禁止したことからも分かります。何が入っているか得体の知れないワクチンさえ打たなければ、普通に対処できたのかもしれません。
例えば柿の葉や実が持つカキタンニンは広大の坂口先生が調べられた20種類全部のウィルスを不活性化(死滅)させたそうです。(現代農業/農文協/2014/8)
漬物に干した柿の皮を入れるのは、昔からの日本人の知恵ですが、2年前に漬物と一緒に渋柿を漬けたのが、今もほとんど変わりなく保存されていて驚きます。柿の防腐効果は驚くべきもので、昔の人の即身仏のミイラは死の直前に、柿の種を大量に食べて、非常に良い保存状態になったといいます。柿の実や種、皮をいろいろな野菜の保存食作りにもつかえるかもと思っています。(参照:柿が加熱で驚きのスーパー食材に変身!〇〇が3〜5倍に増える効果的な食べ方 【免疫力や冷え予防】)そういえば、7月1日の時事ブログで「コメの長期保存に柿渋袋を使う」お話を紹介してくださっていましたね。
これからも皆様とご一緒に植物たちのすばらしさを見つけて共有していけますよう、どうぞよろしくお願い致します。