まみむのメモ(46)〈食べられる野草図鑑・春(5)〉

キクイモ

 手間いらずの野菜の筆頭格で、畑で年々増え続けているキクイモなのですが、体の炎症を抑えるもっとも有効な野菜がキク科植物の根ということで、キクイモ、ヤーコン、チコリの根、ゴボウなどがフラクトオリゴ糖を多く含み、体の炎症を抑える酪酸菌を増やすのだそうです。
 キク科といえば、一番進化した植物とされ、タンポポの根やヤマゴボウとして知られるモリアザミの根などもキク科植物の根です。(注:ヨウシュヤマゴボウは有毒です。)
 【ベストセラー】「花粉症は1日で治る!」を世界一わかりやすく要約してみた【本要約】では、抗生物質が体の炎症を引き起こしていて、アレルギーとうつ病は同じ病気で体の炎症であり、キク科植物の根が炎症を抑える酪酸菌を増やす一番効果的な食品だと紹介されています。その他、ニンニク・ネギ・玉ねぎ、イヌリン、ガラクトースオリゴ糖も効果があるそうです。
 我が家では昨年秋〜今年の春キクイモが芽を出す4月頃まで約半年間、食べたい時にその都度掘っていただき、丸ごとご飯に入れて炊いたり、カレーにしたり、とても重宝しました。夏になった今でもキクイモの漬物は健在で、丸ごと漬けたぬか漬けや塩漬けは固くシャキシャキしています。キクイモといえば糖尿病予防の健康食品と思っていましたが、さらに素晴らしい健康野菜だったのですね!!

ヤーコンの葉

 ちなみにヤーコンも地中の上部に種芋がたくさん出来て、手間いらずの強い野菜です。ヤーコンは少し深いところにサツマイモに似たイモができて、掘ってしばらく新聞紙などに包んでおくと甘みが出てりんごに似た味で、生で美味しくいただけます。
 その他の手間いらずのほったらかし野菜といえば、ニラ、ミョウガ、ミツバ、オランダイチゴ、ラッキョウ、ニンニク、オオタカブナ、ワケギ、フキ、小豆、ミント、シソ、ヤマノイモ(ムカゴ)などです。
(まみむ)
————————————————————————
まみむのメモ(46)〈食べられる野草図鑑・春(5)〉

カキドオシ(垣通し)


時期 早春に芽を出し、花期は4〜5月頃。
場所・環境 北海道〜九州に分布し、海外では朝鮮半島、中国、台湾、シベリア、アジアの温帯域に分布する。野原、土手、道端や畑のわきなどに自生する。日当たりの良い適度に湿った土地を選ぶ。半日陰でも生育し、つる性の茎をよく伸ばす。
葉腋(葉の付け根、腋芽が出る)に長さ1.5〜2.5cmの淡紫色の唇形花を1〜3個ずつつける。下唇は中裂し、側裂片は小さい。中央裂片は大きく前に突き出し、濃紫色の斑紋と白い毛が目立つ。雄しべは4個あり、上唇の内側に沿ってのびる。萼に15脈があり、萼裂片の先が刺状になる。
対生し、長さ1.5〜2.5cm、幅2〜3cmの腎円形で鈍い鋸歯がある。葉や茎全体に細毛があり、香気がある。

花が散り、残った萼の中に数個の分果が出来る。萼の長さは約7〜10mmで茶色い果実は2mm前後。
浅根で、つるの節からも根をおろす。

見分けるポイント よく似た花にサギゴケ属のムラサキゴケやトキワハゼなどがあるが、葉の形や付き方が違う。カキドオシと同じシソ科の花は唇形が多いが色や花のつき方が違う。カキドオシの茎は四角で、名前の由来の垣根を通り抜けるつる性で、葉や茎を揉むとシソとは違う独特の香りがある。また、連銭草(れんせんそう)という別名は丸い葉が並んで連なるところから。
間違えやすい毒草 なし
生え方 多年草。はじめ花がつく頃は5 - 20センチメートル (cm) ほどの高さに直立するが、花後の茎が伸張するに従ってつる状になって、地面を長く横に這い、節の所々から根を下ろして、長さ1メートル (m) 以上になる。所々からでる横枝は時に多少立ち上がって高さ30cm前後になる。
学名 Glechoma hederacea subsp. grandis(Glechoma hederacea はハッカの一種につけられたギリシャ名 glechon に由来し、種小名は「キヅタ(木蔦)に似た」という意味からきている。)
科名・属名 シソ科・カキドオシ属
採取方法 4〜5月の開花期に地上部を刈り取り、陰干ししたものを生薬として使う。
あく抜き 苦味があるので、塩茹でしてお浸し、和え物などに。
調理法 天ぷら、炒め物、塩茹でして和え物などに。花や葉を生でサンドイッチなどに。乾葉を軽く焙煎してお茶に。乾燥葉の4倍量のホワイトリカーなどに漬けて冷暗所で3ヶ月熟成して薬酒に。
他の利用方法 薬用、浴湯料に。
効能 小児の疳を取る薬になるところから、疳取り草(かんとりそう)と呼ばれ、疳や虚弱体質に1日5gを煎じて食間に3回に分けて服用。子供には苦味が強いので蜂蜜などで甘みをつけて。

また糖尿病治療薬として知られており、実話で聞いた話では1週間カキドオシを煎じて飲んで糖尿病が驚くほど改善。
血糖降下作用、体内の脂肪や結石を溶解させる作用があるとして漢方薬や健康茶とされる。血糖降下作用はタラノキ皮よりも強く、副作用が認められない薬草として、1968年日本生薬学会で発表された。
1日量10〜15gを約0.6リットルの水で半量になるまで煎じて、3回に分けて服用。

風邪、解熱、鎮咳、鎮痛、喀血、肺炎、泌尿器カタル、腎炎、陰萎、糖尿病、高血圧、神経痛、利尿、黄疸、胆石、腎臓結石、膀胱結石に有効。

胆石にはクマヤナギ(クロウメモドキ科)1日量5~10グラムとカキドオシ4グラムを、1リットルの水で3分の2量まで煎じて、3回に分けて。
腎結石には、カキドオシとウラジロガシを適量混ぜて、
糖尿病には、カキドオシ、ヤマノイモ、ドクダミと混ぜて煎じて服用すると良い。
たむし、水虫、打撲傷には生葉の絞り汁を湿布または塗布する。
魚の食あたりに生葉汁または、乾燥粉末を服用。
茶剤としては、強壮、かぜ、泌尿器の病気などに、熱湯を入れて数分してから飲用する。
カキドオシの薬用酒は糖尿病、肝臓病、虚弱体質、強壮、神経症などに。
その他 ヨーロッパでも古くから民間薬として重要な位置を占めており、丸い葉から「ロンデット」「ロンドレット」と呼ばれていて、カロリンガ朝(8~10世紀)に出た「各種の熱病の処理」という医療書にもカキドオシが出てくる。利尿剤としての用い方は日本と同じだが、気管支と肺の病気に広く用いられ、とくに鎮咳、去痰、ぜんそくの発作を止めるなどの用法が知られている。肺の障害には、牛乳1リットルに乾燥したカキドオシをひと握り入れて沸騰させて毎晩寝る前に飲むそう。また、ギル茶と呼ばれるものは、カキドオシをハチミツと砂糖で味をつけたカキドオシ茶のことで、せきや感冒に使われている。

日本の民間薬として、センブリ、ドクダミ、ゲンノショウコ、キササゲ、カキドオシ、タラノキ、ウラジロガシがよく知られる。 動物実験で、発毛効果、血糖上昇抑制、血圧上昇抑制などが報告されている。

有効成分は、ウルソール酸、硝酸カリ、精油分のリモーネンなど。主成分はセスキテルペン類、フラボノイド類、揮発油、グレコミン苦味成分、サポニン、樹脂、タンニン類。
参照サイト・文献 ウィキペディア
イー薬草・ドット・コム
松江の花図鑑
Green Snap
大地の薬箱 食べる薬草事典 村上光太郎著 / 農山魚村文化協会
関連記事 [第6回] 地球の鼓動・野草便り 今、美味しい春の野草5種(4)


ハコベ(ミドリハコベ)緑蘩蔞


時期 花期は4〜5月が一般的だが、春から夏にかけて盛んに繁殖、暖かい日溜りでは、冬でも花をつけることもある。春の7草として旧暦1月7日の7草粥の頃からほとんど1年中生育している。
場所・環境 畑や道端など至る所に生えている。
春に茎の先や葉腋に白い5花弁を開くが、花弁の先が2つに深く切れ込んでいるため10弁に見える。萼片は5、長さ3.5〜5mm、花弁は5、2深裂、萼片と同長。雄ずいは5〜10、花柱は3。
葉は対生で無柄(下部では有柄)、形は卵円形で先は尖っています。長さ1~2センチ、色は黄緑色〜濃緑色で無毛、葉縁は全縁、質は柔らか。
果実は卵形で4~6ミリ、種子は1~1.2ミリの円形で、半球状の低突起がある。果実は蒴果(裂開して種子を放出)でふつう6裂する。
根は白色で髭状。

見分けるポイント 全体が小さく、茎が少し紫褐色を帯びているものがコハコベで、全体に緑色のミドリハコベはもともと日本に生育していた種とされ、日本には約18種、世界では約120種あるとされる。葉が大きく2.5~8cmの鋭頭形のウシハコベなども北海道〜九州まで至る所に生える。

コハコベ

ウシハコベ

間違えやすい毒草 なし
生え方 2年草、多年草など。
学名 Stellaria neglecta
科名・属名 ナデシコ科・ハコベ属
採取方法 必要な時に全草を採取。茎の中には白い堅い筋(維管束)があり、食用には春の若菜以外は手で摘み取れる柔らかい葉先をいただく。
あく抜き あく抜きはしない。調理法によってはやや青臭い。
調理法 お粥、お浸し、和え物、炒め物、汁の実、サラダ、ハコベ塩。ハコベ塩は天ぷらにつけたり、おにぎりにつけても美味。
ハコベ塩の作り方は、生のハコベを刻み、同僚の塩とすり鉢ですり、天ぷら敷き紙などに薄く伸ばして天日干し後、こすり合わせて。またはレンジで数回乾燥させる。あるいは、鍋に塩を入れ、ハコベ汁を入れてごく弱火で焦がさず乾燥させる。塩が緑色になるまで汁を加えては煮詰める。
他の利用方法 薬用、歯磨き粉(ハコベ塩)、和漢三才図絵(1713)には、生のハコベを搾った汁と塩をアワビの貝殻に入れて焼き、乾いたらハコベの搾り汁を入れて焼く、これを七度繰り返した、塩ハコベを指先につけて歯みがき粉にしたという。
効能 昔から血の道を司どる植物で、産前産後の浄血、催乳、産後の肥立ちもよくする。産後の浄血、催乳、肝臓病のむくみ、利尿に、全草を乾燥したものを1日5〜20gを煎じて服用。また乳汁の分泌のないときに茎葉を煮たり、あるいはひたし物として食べたり、乾燥した全草を煎服したりすると乳の出がよくなる。1日10〜20g煎じて服用すれば、健胃、整腸、解毒、一切の胃腸病、便秘、腹痛、脚気、虫垂炎 に効果(食べても良い)。

悪阻、腫物の塗り薬に、塩で揉み、または酢を混ぜ、あるいはゴマ油で練って塗布。生葉汁に3倍量のゴマ油を加え、そこに新芽を浸して10日程度日光にあてておくとドロドロになるので、腫物に塗布する。悪阻(つわり)には下腹部に塗る。あせも、中耳炎、打撲傷、カミソリ負けや瘡傷(皮膚病)に生葉汁を塗布または温湿布する。

虫歯、歯槽膿漏に茎葉の乾燥粉末の3分の1量の塩(粗塩を焼いたもの)を加えて歯を磨く。

またミキサーやジューサーでハコベジュースを作り、塩を加えたり、炭酸で割って、飲用すれば緊張からくる腹痛や頭痛などの体調不良の改善に。

成分については詳しいことはわかっていないが、葉緑素(クロロフィル)とミネラル分が多いところに育成するのでミネラルが多く、薬効に関係している。
その他 ひよこ草と呼ばれるように、ニワトリや小鳥が好む。
参照サイト・文献 ウィキペディア
イー薬草・ドット・コム
松江の花図鑑
大地の薬箱 食べる薬草事典 村上光太郎著 / 農山魚村文化協会
関連記事 [第4回] 地球の鼓動・野草便り 今、美味しい春の野草5種(2)



Writer

まみむ

以前「地球の鼓動・野草便り」を書かせていただき、現在「食べられる野草図鑑」連載中です。
まぁは、普通のことを普通に話しているだけなのですが、普通かどうかは基準が人それぞれですね。この頃、特に関心があるのは、これからの地球の自然と人間の関わり方。
みぃは、時々神様のお話や植物たちのお話をしてくれます。とにかくこれから良くなっていくことを信じて、ガヤトリー・マントラを日々唱えています。
むぅは、以前から知っていたのですが、最近やっと会いました。あまりおしゃべりではないけど、とってもピュアな感じ。神の存在に対する認識がこの頃できてきて、自分の良心にしたがって生きることの大切さを感じています。


Comments are closed.