美しい高千穂峡の上流に東京ドーム4個分の産業廃棄物処分場計画 〜 かつて水俣で産廃計画を止めた前例がある「必ず止められる」

 宮崎県の国の名勝「高千穂峡」は崖から流れ落ちる滝が美しい天然記念物ですが、その滝に連なる五ヶ瀬川水系の上流に大規模な産業廃棄物処分場計画があることが宮崎県で発覚しました。なんと東京ドーム4個分の産業廃棄物処分場のために上流域の美しい原生林を破壊して、全国から集まる危険な廃棄物を捨てると。
その計画予定地は隣県の熊本県山都町東竹原で、そちらではすでに2021年の秋に処分場計画が浮上し、22年1月には地下水の汚染を心配する住民が反対運動を始めていたそうです。処分場付近の環境だけでなく、広範囲に及ぶ下流域の環境への懸念は当然で、これまで宮崎県側が知らされなかったことにも不信感が募ります。
 産廃業者は熊本市内の「星山商店」という事業者で、2028年の稼働開始に向けて、8月22日から環境アセスメント(事前調査・予測・評価)に入っており、9月21日まで一般の意見を募っています。星山商店は「排水は、高千穂峡などに悪影響が出ないように、基準以下に処理してから放流します。また、遮水シートは、破れても自己修復するタイプなどを候補に挙げており、どんな構造のシートが最適か環境アセスメントを行ってから決めます」と述べていますが、将来にわたって有害物質の危険を全て除去できるのか、保証はあるのか気になります。
 自然豊かな東竹原で、産廃計画の現地見学会と講演会に参加した方がレポートを出しておられました。30人も集まるかと思われていたところ、約100名もの人々が詰めかけ、いかに多くの人々が関心を寄せているかに驚き、その後の講演会では、かつて水俣で産廃施設計画に粘り強く反対し、ついに計画を止めさせた方の実際の体験が語られたそうです。「必ず止められる」、市民が安全な生活と貴重な自然環境を守ると覚悟すれば叶うのだと励まされます。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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配信元)


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奥阿蘇 東竹原の産廃計画〜現地見学会と、藤本寿子さん講演会へ
(前略)
東竹原・産廃阻止期成会代表の
栗屋克範さんの案内で、現地を見学。
(中略)
栗屋さんは、林業一筋で生きてこられ、
林業大学校でも教えていらっしゃる
その道のエキスパート。
(中略)
栗屋さんの鬼気迫るお話。
溢れる思いが止まらず、
次から次へと言葉があふれてくるが、
おおむね次のようなこと。

ごみ処理の業者任せはいけない
私たちもなるべくごみを出さないようにしなくてはならないし、
自分たちの町で出たゴミは、自分のところで処理するのが当然。
わざわざこんな場所に全国からのゴミを集めてくる必要なない。
この水源からの水は宝の水であり、
地下水の広がりも未知数である。
とにかく、知って、勉強して、考えて、
声を上げなくてはならない


(中略)

藤本寿子さん。
現在は水俣市議会議員をされている
とのこと。
(中略) 水俣の産廃阻止に立ち上がった市民の記録を年表にした資料をもとに、産廃を止めるまでの経緯をお話くださった

1つ1つ、段階を踏んで、根気強く丁寧に、市民一人ひとりがつながって産廃阻止に向けて活動してきたことがよく分かるお話。そして、この地区の計画も、必ず止められる、という励ましの言葉もいただいた。
(以下略)

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