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ユダヤ問題のポイント(日本 昭和編) ― 第49話 ― 統一教会の創設(上)
統一教会で認識しておくべきこと
*1945(昭和20)年: | 第2次世界大戦終了。日本はGHQの統治下に。 |
*1947(昭和22)年: | 米ソ冷戦が始まる。 |
*1948(昭和23)年: | 韓国と北朝鮮が建国。イスラエル建国宣言、中東戦争に。 |
*1949(昭和24)年: | 共産中国が建国。中国国民党は台湾へ。 |
*1950(昭和25)年: | 朝鮮戦争が始まる。1953年まで激しい戦闘。 |
*1951(昭和26)年: | サンフランシスコ講和条約・日米安保条約。日本は形式上独立。 |
*1953(昭和28)年: | スターリン暗殺。 |
*1954(昭和29)年: | ビキニでの米水爆実験で「第五福竜丸」被爆。統一教会創設。 |
*1955(昭和30)年: | 自民党結党(CIAの手引による)。 |
1954年、韓国で世界基督教統一神霊協会(以下「統一教会」と表記)が文鮮明により創設されました。
文鮮明(1982年)
Wikimedia_Commons [Public Domain]
統一教会でまず認識しておくべきが、2022/07/15の竹下さんの記事の題名の中にある「統一教会や国際勝共連合などはCIAの工作組織」でしょう。CIAとは米国の諜報機関ではなく、米国支配のためのイギリス諜報機関の米国支部であるのを踏まえた上で、これは明瞭な事実と見るべきです。
「文鮮明」のウィキペディア記事には、
1968年に(統一教会の)下部組織として、「国際勝共連合」を設立した
とあり、その「国際勝共連合」のウィキペディア記事の中には、国際勝共連合について、
統一教会(現:家庭連合)を母体として韓国の文鮮明を教祖としKCIAによって組織育成された
とあるぐらいです。KCIAは一口言えば、1961年に創設されたCIAの韓国支部、でよいでしょう。
また、1976年から1978年に開かれたアメリカ下院の委員会であるフレイザー委員会の報告もあります。同ウィキペディア記事では以下のようにある通りです。
この報告書は大韓民国中央情報部(KCIA)による、アメリカの関係機関への秘密工作活動について報告した。同委員会は中央情報局(CIA)機密文章を紹介し、1954年に文鮮明によって設立された統一教会は、1961年に大韓民国中央情報部(KCIA)部長の金鍾泌の指示で「韓国政府機関」として再組織され、アメリカや日本で政治工作を行っていることを明らかにした。
「統一教会や国際勝共連合などはCIAの工作組織 」は基本知識として認識しておくべきですが、このところ半ば常識になっているのが、トレンドとなったハッシュタグ「#自民党って統一教会だったんだな」、統一教会と自民党がズブズブの関係にあることです。これに伴って、次のような事柄も認識しておくべきでしょう。
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*日本に統一教会を招き入れたと言えるのが岸信介であり、岸信介、安倍晋太郎、安倍晋三は3代に渡り統一教会とは切っても切れない仲。
統一教会本部は渋谷区南平台の岸信介邸の敷地内だった。#統一教会 #勝共連合#岸信介#安倍晋三 pic.twitter.com/2CbpqFLVmv
— じじい通信🐳🐡🐟🐠🐙🦑 (@KakioKueba) July 15, 2022
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*文鮮明の日本での盟友と呼ぶべきは岸信介は当然として、その他に笹川良一、児玉誉士夫となる。彼らが統一教会の下部組織ともされる国際勝共連合連合発足に深く関与。
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*つまり、文鮮明も彼らと同様に裏天皇グループに属していて、統一教会は白龍会に所属していた。(2022/07/19の竹下さんの記事にて、創価学会と共に統一教会も裏天皇グループから既に排除されている、とあります。)
裏天皇に仕える五龍会直属の秦氏系企業(一部)
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*また文鮮明、岸、笹川、児玉、彼らはCIA工作員として名を連ねている。
文鮮明の教義の大前提となった神話解釈
世界基督教統一神霊協会という正式名称には、世界に多くあるキリスト教諸派を統一するという意味が込められているようです。
ただし実はそれだけではなく、統一教会には統一世界政府樹立とそれに伴う統一唯一宗教になるとの意味もあるようです。「国際勝共連合」ウィキペディア記事の次の部分は見過ごせません。
勝共は教義の一つとして、「朝鮮半島が突破口に第三次世界大戦が必ずおこらなければならない」「日本は生活水準を3分の1に減らし、税金を4倍、5倍にしてでも、軍事力を増強してゆかねばならない」とし、日本の国民に犠牲(生贄)になることを要求している。
朝鮮半島発の第3次世界大戦…、統一教会も“ハルマゲドン〜救世主降臨計画”の文脈上に成立していたということです。そして、統一教会教祖の文鮮明自身が自分を再臨のキリスト、第3のアダム、あまつさえ再臨主つまり神だと位置づけていた模様です。
Wikimedia_Commons [Public Domain]
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ただし、主流のハルマゲドン計画では、最終戦争の第3次世界大戦はイスラエルがその発火点です。これに対して統一教会の主張は朝鮮半島をその発火点とし、そのための犠牲となるのが日本国民ということのようです。統一教会の日本に対する捉え方は以下のように非常に鮮明です。
日本は"エバ国家"で「サタン(悪魔)の国」であるとの反日教義が教えられている。また、エバ国家である日本のLGBTや同性婚、夫婦別姓は「共産主義」とされ、認めさせてはならないと説いている。文鮮明の教え(教義)の一つとして、文教祖の恨(ハン)を晴らすのは「エバ国家日本をアダム国家韓国の植民地にすること」「天皇を自分(文鮮明)にひれ伏させること」としている。
その他、文鮮明のお言葉や教えには「韓半島は男性器で日本列島は女性の陰部、だから兄であり夫であるアダム国家韓国に慰安婦など悪い事をしたエバ国家の日本は、兄である韓国の手となり足となり、あらゆる金品を貢ぎ、日本人女性は韓国人男性に身体を捧げなければならない」などの男尊女卑、性差別を推進させる教義がある。
(「世界平和統一家庭連合」ウィキペディア記事のアーカイブより抜粋)
文鮮明の教義の大前提となるのが、旧約聖書にあるアダムとエバ(イブ)の「楽園追放」に対する文鮮明の解釈です。「蛇に唆されたエバは“善悪の木の実”を口にし、アダムにもそれを勧めアダムもそれを口にした結果、二人は楽園を追放された」という部分です。
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文鮮明は、“蛇”とは後にサタンとなる堕天使ルシファーであり、禁断の“善悪の木の実”をエバが口にしたとは、エバがルシファーと性交渉の不倫を犯したと解釈します。そして、その霊的姦淫状態のエバがアダムを唆し、セックスしたので、全人類はサタンの血を引く原罪を背負ったという解釈です。
人類原罪の主因は、ルシファーと性交渉し、アダムを唆したエバとなるでしょう。日本をエバ国家と称する意味もこれで分かります。
再臨主たる文鮮明の救済論「血統転換」
文鮮明のアダムとエバの神話解釈について、文鮮明がキリスト・アダム・再臨主であると自称したことと、全体としての事実は全く別とします。その上で「エバが悪魔との霊的姦淫状態でアダムとセックスし、人類は原罪を負い悪魔の血を引いた」とのこの解釈は、映像配信「宗教学講座 初級コース 第130回」を視聴されたら、文鮮明のオリジナルではなくて、ユダヤ聖典にあるかなり普及されたものであることは理解できるでしょう。併せてこういった神話に対する私達の態度も。
さて、文鮮明のアダムとエバの物語の解釈はさほど珍しいものでないのですが、問題はこれを大前提とした統一教会・文鮮明の教義です。櫻井義秀氏著『霊と金』のp72に、その教義の全体像が以下のように簡潔に記されています。堕落しサタンの血を引くとされる全人類の救済についてです。
神は人間を神の側に取り戻す計画を考えられたそうだ。救世主の派遣である。統一教会によれば、イエスは人間の娘を娶って善なる子孫を残す予定であったが、人間の不信により十字架で殺害された。そこで神は計画を変更せざるを得ず、イエスを天にあげられ、イエスの復活を信じるもの達に霊的救済のみを約束されたのだとする。しかし、神は人類の肉体も含めた完全な救済(復帰の摂理)をお考えになり、人類に再臨主を遣わした。その再臨主こそ何を隠そう、私であるというのが文鮮明の言である。
エバの過ちにアダムも引きずられることで堕落しサタンの血を引いてしまった全人類、いわばエバが主因となって創造してしまったサタン人間というところでしょうか、この人類の救世主が自分であると文鮮明は宣言しているのです。
自分がキリストとの宣言を文鮮明はしていますが、これはイエスの代わりのキリストとして、イエスが成し遂げられなかった救済の任務を果たすのが自分であるとの意味でしょう。
では、どうやってサタンの血を引くという人類を文鮮明は救済するのか?
文鮮明の説く文脈上、当然ながら全人類に流れるというサタンの血を浄めなければならず、そしてサタンの血から転換し、神の血を人類に引かせねばならない、こうなるでしょう。新たな人類の創造になります。
だから、文鮮明は自分をアダムだとも称しているのです。サタンの血を引かせてしまった最初のアダムから成り代わり新たなアダムとして、神の血を引く人類をこの地上世界に創造させると言っているのでしょう。文鮮明はそうやって「地上天国」を実現すると言っているのです。
このサタンの血の人類から転換し神の血の人類へ、これを統一教会は「血統転換」というようです。「復帰」とも。
そして、その具体的方法こそが統一教会の教義の根幹でしょう。ここに文鮮明が自分を「天の父」とも名乗り、その妻を「天の母」と称する理由もあります。
合同結婚式の様子
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統一教会について、日本国内ではその不法な活動によって莫大な資金を獲得していたことが明らかになってきていますが、日本だけでなく、世界で統一教会はその活動を拡げていました。2022/08/25のまのじ編集長の記事では、八木啓代さんの報告を取り上げながら、
このような統一教会の世界に拡大した活動の背景には、統一教会創設後の日米の政治家の動きなどもありましたが、実は統一教会創設以前の段階での下地が大きかったはずなのです。
それは『聖書』です。『聖書』の内容は「神聖にして侵すべからず」「聖で真実である」との長期間の世界民衆に対する仕込みという下地があり、その上に統一教会の活動が成立しているのです。
具体的には、教祖の文鮮明が説く教義の大前提として『旧約聖書』の「アダムとエバ(イブ)の楽園追放の物語」と「人類の原罪」があったのです。この神話が「聖にて真実だ」と世界民衆の内部の深くに埋め込まれているからこそ、これを大前提とする統一教会の活動が世界で展開できたのは、間違いないところでしょう。
実際にこの「アダムとエバ(イブ)の物語」の埋め込み・刷り込みは根深いものだと感じます。寺に生まれ育った私であっても「アダムとエバ(イブ)の物語」は首を傾げながらも、心のどこかでは「もしかしたら本当なのかも?」との思いが15年ぐらい前にはあったのですから…。