竹下雅敏氏からの情報です。
注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
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ドネツク人民共和国、ルガンスク両人民共和国、ザポロジエ州、ヘルソン州のロシア編入に関する条約調印式におけるプーチン大統領の演説 (全文)
転載元)
💬プーチン大統領:
ドネツク人民共和国、ルガンスク人民共和国、ザポロジエ州、ヘルソン州で住民投票が実施され、投票の集計結果があきらかになりました。人々は、自ら最終的な選択を行ったのです。
今日我々は、ドネツク人民共和国、ルガンスク人民共和国、ザポロジエ州、ヘルソン州のロシア編入に関する条約の調印を行おうとしています。新たな4つの地域のロシアへの受け入れと新たな4つのロシア連邦構成主体の形成に関する憲法法規を、連邦議会は支持するものと確信しています。なぜなら、これは数百万の人々の意思だからです。
そしてもちろん、これは国連憲章第1条が定める不可侵の権利でもあります。 国連憲章第1条には、人民の権利平等と民族自決の原則が明確に謳われています。
繰り返しますが、これは人々の不可侵の権利です。歴史的統一に基づく権利なのです。古代ロシアの時代からロシアを建国し守ってきた我々の祖先は、歴史的統一の名の下に、幾世代にもわたり勝利を収めてきたのです。
ここ、ノヴォロシアではルミャンツェフ、スヴォロフ、ウシャコフが戦い、エカテリーナ2世とポチョムキンが新たな都市を建設しました。また大祖国戦争の時代には、我々の祖父や曾祖父がここで死闘を繰り広げました。
『ロシアの春』の英雄たちを、我々は決して忘れはしません。2014年、ウクライナで起きたネオナチによるクーデターに屈しなかった人々、母国語で話し自分たちの文化、伝統、信仰を維持する権利や生きる権利を守るために亡くなった人々すべてを、我々はいつまでも覚えていることでしょう。この人々は、ドンバスの戦士であり、『オデッサ・ハティニア(虐殺)』の殉教者であり、ウクライナ政権が組織した非人間的テロ行為の犠牲者です。また、志願兵や民兵、一般市民、子供、女性、老人、ロシア人、ウクライナ人、実にさまざまな民族の人々なのです。
ドネツク人民共和国、ルガンスク人民共和国、ザポロジエ州、ヘルソン州の数百万の人々が行った選択の背景には、我々共通の運命と千年に及ぶ歴史があります。この精神的な絆を人々は子供へ、孫へと伝えてきました。いかなる試練にもめげず、ロシアへの愛を貫いてきたのです。我々のこの思いを壊すことは、決して誰にもできません。年長者も、またソ連崩壊の悲劇後に生まれた若い世代も、統一と我々と共に歩む未来に投票した理由は、まさにこの点にこそあるのです。
1991年、ベラヴェシュスカヤの森で、当時の党エリートは国民の意思を問うことなくソ連解体の決定を行い、人々は一夜にして祖国から切り離されました。国家としての同一性が生木を裂くように引きちぎられ、分割され、大きな国難となりました。革命後、連邦共和国の国境が秘密裡に切り刻まれたように、ソビエト連邦の最後の首脳部は、1991年の国民投票で大多数の国民が明確に示した意思に反して我々の偉大な国を崩壊させ、国民にはただその事実だけを突きつけたのです。
彼らは自分たちが何をやっているのか、また最終的にそれがどんな結果を否応なくもたらすのか、最後まで理解できなかったのかもしれません。しかし、それももう重要なことではありません。ソビエト連邦はすでになく、過去を取り戻すことはできないのです。また、今日のロシアにとってはもはや必要でもないし、我々が目指すところでもありません。しかし、文化、信仰、伝統、言語において自分をロシアの一部と考え、その祖先が何世紀にもわたり一つの国家で暮らしてきた数百万もの人々の決意は、何ものよりも強いのです。真実の歴史的祖国に帰ろうというこの人々の決意より強いものはありません。
8年の長きにわたり、ドンバスの人々はジェノサイドや砲撃、封鎖に曝されてきました。またヘルソン州とザポロジエ州では、ロシアとロシア的なものすべてに対する憎悪を植え付けようとする犯罪的な行為が行われました。そして今、住民投票が行われる中、ウクライナ政府は学校教師や選挙委員会で働く女性たちを制裁や死を以て脅し、意思表明をしようと投票所に訪れた数百万の人々を迫害を以て威嚇したのです。 しかし決して挫けることのないドンバス、ザポロジエ、ヘルソンの人々は、その真意を表明しました。
ウクライナ政権とその真の支配者である西側には、私の言うことに耳を傾け、ルガンスク、ドネツク、ヘルソン、ザポロジエに住む人々は永遠に我々の市民となったことを記憶に留めてもらいたいと思います。
我々はウクライナ政権に対して、武器を置き、あらゆる戦闘行為を停止し、彼らがすでに2014年には始めていた戦争を止めて交渉のテーブルに戻るよう、要請します。我々にはその用意ができていますし、これについては何度となく言ってきました。しかしドネツク、ルガンスク、ザポロジエ、ヘルソンの人々の選択について議論はしません。選択は為されたのです。ロシアがそれを裏切ることはありません。 ウクライナ現政府は、人々の自由な意思表明には敬意を以てあたらなければならず、それ以外は認められません。これだけが平和への道となり得るのです。
我々は 、持てるすべての力と手段を用いて我らの土地を守り、国民が安全に生活できるよう全力を尽くします。この点にこそ、解放という我が国民の偉大なる使命はあるのです。破壊された都市や市町村、住宅、学校、病院、劇場や博物館は必ず再建し、企業、工場、インフラ、公共システム、年金支給や医療・教育制度を復旧し、さらに発展させていきます。
もちろん、安全レベルの向上にも努めます。新たな地域の市民が、ロシア国民すべて、国全体、すべての共和国、広大な祖国のあらゆるの地方や州から支持されていることを実感できるように、共に取り組んでいきます。
ドネツク人民共和国、ルガンスク人民共和国、ザポロジエ州、ヘルソン州で住民投票が実施され、投票の集計結果があきらかになりました。人々は、自ら最終的な選択を行ったのです。
今日我々は、ドネツク人民共和国、ルガンスク人民共和国、ザポロジエ州、ヘルソン州のロシア編入に関する条約の調印を行おうとしています。新たな4つの地域のロシアへの受け入れと新たな4つのロシア連邦構成主体の形成に関する憲法法規を、連邦議会は支持するものと確信しています。なぜなら、これは数百万の人々の意思だからです。
そしてもちろん、これは国連憲章第1条が定める不可侵の権利でもあります。 国連憲章第1条には、人民の権利平等と民族自決の原則が明確に謳われています。
繰り返しますが、これは人々の不可侵の権利です。歴史的統一に基づく権利なのです。古代ロシアの時代からロシアを建国し守ってきた我々の祖先は、歴史的統一の名の下に、幾世代にもわたり勝利を収めてきたのです。
ここ、ノヴォロシアではルミャンツェフ、スヴォロフ、ウシャコフが戦い、エカテリーナ2世とポチョムキンが新たな都市を建設しました。また大祖国戦争の時代には、我々の祖父や曾祖父がここで死闘を繰り広げました。
『ロシアの春』の英雄たちを、我々は決して忘れはしません。2014年、ウクライナで起きたネオナチによるクーデターに屈しなかった人々、母国語で話し自分たちの文化、伝統、信仰を維持する権利や生きる権利を守るために亡くなった人々すべてを、我々はいつまでも覚えていることでしょう。この人々は、ドンバスの戦士であり、『オデッサ・ハティニア(虐殺)』の殉教者であり、ウクライナ政権が組織した非人間的テロ行為の犠牲者です。また、志願兵や民兵、一般市民、子供、女性、老人、ロシア人、ウクライナ人、実にさまざまな民族の人々なのです。
ドネツク人民共和国、ルガンスク人民共和国、ザポロジエ州、ヘルソン州の数百万の人々が行った選択の背景には、我々共通の運命と千年に及ぶ歴史があります。この精神的な絆を人々は子供へ、孫へと伝えてきました。いかなる試練にもめげず、ロシアへの愛を貫いてきたのです。我々のこの思いを壊すことは、決して誰にもできません。年長者も、またソ連崩壊の悲劇後に生まれた若い世代も、統一と我々と共に歩む未来に投票した理由は、まさにこの点にこそあるのです。
1991年、ベラヴェシュスカヤの森で、当時の党エリートは国民の意思を問うことなくソ連解体の決定を行い、人々は一夜にして祖国から切り離されました。国家としての同一性が生木を裂くように引きちぎられ、分割され、大きな国難となりました。革命後、連邦共和国の国境が秘密裡に切り刻まれたように、ソビエト連邦の最後の首脳部は、1991年の国民投票で大多数の国民が明確に示した意思に反して我々の偉大な国を崩壊させ、国民にはただその事実だけを突きつけたのです。
彼らは自分たちが何をやっているのか、また最終的にそれがどんな結果を否応なくもたらすのか、最後まで理解できなかったのかもしれません。しかし、それももう重要なことではありません。ソビエト連邦はすでになく、過去を取り戻すことはできないのです。また、今日のロシアにとってはもはや必要でもないし、我々が目指すところでもありません。しかし、文化、信仰、伝統、言語において自分をロシアの一部と考え、その祖先が何世紀にもわたり一つの国家で暮らしてきた数百万もの人々の決意は、何ものよりも強いのです。真実の歴史的祖国に帰ろうというこの人々の決意より強いものはありません。
8年の長きにわたり、ドンバスの人々はジェノサイドや砲撃、封鎖に曝されてきました。またヘルソン州とザポロジエ州では、ロシアとロシア的なものすべてに対する憎悪を植え付けようとする犯罪的な行為が行われました。そして今、住民投票が行われる中、ウクライナ政府は学校教師や選挙委員会で働く女性たちを制裁や死を以て脅し、意思表明をしようと投票所に訪れた数百万の人々を迫害を以て威嚇したのです。 しかし決して挫けることのないドンバス、ザポロジエ、ヘルソンの人々は、その真意を表明しました。
ウクライナ政権とその真の支配者である西側には、私の言うことに耳を傾け、ルガンスク、ドネツク、ヘルソン、ザポロジエに住む人々は永遠に我々の市民となったことを記憶に留めてもらいたいと思います。
我々はウクライナ政権に対して、武器を置き、あらゆる戦闘行為を停止し、彼らがすでに2014年には始めていた戦争を止めて交渉のテーブルに戻るよう、要請します。我々にはその用意ができていますし、これについては何度となく言ってきました。しかしドネツク、ルガンスク、ザポロジエ、ヘルソンの人々の選択について議論はしません。選択は為されたのです。ロシアがそれを裏切ることはありません。 ウクライナ現政府は、人々の自由な意思表明には敬意を以てあたらなければならず、それ以外は認められません。これだけが平和への道となり得るのです。
我々は 、持てるすべての力と手段を用いて我らの土地を守り、国民が安全に生活できるよう全力を尽くします。この点にこそ、解放という我が国民の偉大なる使命はあるのです。破壊された都市や市町村、住宅、学校、病院、劇場や博物館は必ず再建し、企業、工場、インフラ、公共システム、年金支給や医療・教育制度を復旧し、さらに発展させていきます。
もちろん、安全レベルの向上にも努めます。新たな地域の市民が、ロシア国民すべて、国全体、すべての共和国、広大な祖国のあらゆるの地方や州から支持されていることを実感できるように、共に取り組んでいきます。
尊敬する友人、同僚の皆さん、
今日は、何のために我が国民は戦っているのか、どんな敵が我々に立ちはだかっているのか、世界を新たな戦争と危機に投じてこの凄惨な悲劇から利益を得ようとしているのは誰なのか、お話ししたいと思います。
我々と共にひとつの国民の一部を成すウクライナの同胞、兄弟姉妹たちは、西側の支配層が全人類に対して準備しているものを、自分の目で見てきました。西側は仮面を捨て、その本質を表わしていたのです。
ソビエト連邦崩壊後、西側は、世界を、そして我々すべてを永遠に彼らの命令に従わせることを決意しました。1991年当時の西側は、ロシアが激動から二度と立ち上がれず、やがて自滅していくことを期待していました。しかしロシアは倒れることなく復活し、強くなり、世界の中で再びふさわしい地位を占めるようになったのです。
その間西側は、いつも夢見ていたようにロシアを攻撃して弱体化、崩壊させる機会を、また国を細分化して国民を互いに反目させ貧困と絶滅においやる機会を虎視眈々とうかがってきました。豊かな領土と自然や資源を有し、決して他人の命令に従い生きようとはしない国民がいる偉大で広大な国が世界にはあるということが、西側にはただどうしても納得できないのでしょう。
西側は新植民地主義体制を維持するためであれば、どんなことでもするつもりです。この体制の下で西側は、ドルの力と技術による専横で世界に寄生、つまり世界を強奪し、人類から貢ぎ物をかき集め、覇権への地代という不労所得を獲得してきました。この地代を維持することが、彼らの重要かつ真実の、そしてひとえに打算的な動機なのです。主権の完全なる喪失が西側の利益に適うのは、まさにこれが理由です。西側による独立国家への侵略や伝統的価値観と独自の文化への攻撃も、彼らの支配が及ばない国際的統合プロセスや新たな世界通貨、技術開発の中心を損ねる動きも、すべてここから始まっています。あらゆる国が米国のためにその主権を放棄することこそが、西側にとってはきわめて重要なのです。
一部の国々の支配層トップは、自主的にそうすることに同意し、自主的に臣下となることに同意しています。そうでない国は買収されたり脅迫を受けたりしますが、それがうまく行かない場合には国家全体が破壊され、後に残るのは人道的災害と大惨事、廃墟、何百万という人の運命の破滅、テロリストの跋扈、社会的災害地帯、保護領、植民地、半植民地です。彼らにとっては自分たちが利益を確保できさえすれば、すべてはどうでもいいことなのです。
改めて言っておきたいのは、西側集団がロシアに対して行うハイブリッド戦争の本当の理由は、彼らの欲望と、何にも制限されない権力を保持しようとする意図にあるということです。彼らが望んでいるのは我々の自由ではなく、我々を植民地としてみなすことです。対等な協力ではなく強奪をすることを、我々が自由な社会に暮らすことではなく魂のない奴隷となることを望んでいるのです。ロシアの思想や哲学は、彼らにとっては直接の脅威です。だからこそ、我々の哲学者を抹殺しようとするのです。彼らにとって、ロシアの文化や芸術は危険なのです。我々の発展と繁栄もまた、競争が増すので、彼らにとっては脅威です。彼らにとって、ロシアはまったく不要のものです。ロシアを必要とするのは我々なのです。
彼らの世界支配への欲求は、これまでに何度も我が国民の勇気と粘り強さによって打ち砕かれてきました。ロシアは常にロシアであり続けます。そしてこれからも我々の価値観、我々の祖国を守っていきます。西側は、すべて目こぼしされて罰せられることはないと期待しています。実際、これまでは一切咎められることはありませんでした。
戦略的安全保障に関する協定はゴミ箱行きとなり、政府首脳レベルの合意は絵空事と宣言されました。NATOを東方拡大することはないという固い約束も、かつての我が国の首脳部が術にはまるや否や、薄汚れた欺瞞に変わりました。また弾道弾迎撃ミサイル制限条約と中距離核戦力全廃条約は、でっち上げの口実を付けて一方的に破棄されました。
各方面からは、西側がルールに基づく秩序を主張しているということばかりが聞こえてきます。そもそもこれは一体何から始まったのでしょうか。このルールとやらを見た者はいるのでしょうか。またこの件を話し合った者はいるのでしょうか。これは完全なる欺瞞であり、二重基準、いや三重基準にほかなりません!
ロシアは千年の歴史を持つ偉大な大国であり、文明国です。このようなでたらめで不正なルールの下で、生きることはありません。
国境不可侵の原則を踏みにじったのは西側です。今や彼らは、誰が自決権を持ち誰が持たないのか、誰が自決に値するのかを、自分の裁量で決定しているのです。なぜ彼らはそんな決定をできるのか、誰にその権利を与えられたのかは、全くもってわかりません。自分で自分に与えでもしたのでしょう。
だからこそ西側は、クリミア、セバストーポリ、ドネツク、ルガンスク、ザポロジエ、ヘルソンの人々の選択に激しい怒りを抱くのです。西側に、彼らの選択を評価する道徳的権利はなく、民主主義の自由について語る権利すらありません。今も、そしてこれからも決してありえないのです!
西側のエリートは、国家の主権のみならず国際法をも否定しています。その覇権は、明らかな全体主義的、専制的、アパルトヘイト的性質を有しています。彼らは厚かましくも世界を自分たちの臣下である所謂文明国と、今日の西側の人種差別主義者によれば野蛮人や未開人のリストに加えるべきその他の国々とに二分しています。そして『ならず者国家』や『独裁政権』という偽りのレッテルを用意して、国民や国家全体にその焼き印を押すのです。西側のエリートは、以前同様、今も変わらず植民地主義者のままです。差別をし、世界の国民を1級国民とその他の等級とに分別しているのです。
我々はこれまでも、そしてこれからも、このような政治的民族主義と人種差別を決して認めはしません。今日世界中に広がるルソフォビアが人種差別でないとしたら、一体何だというのでしょうか。西側の文明、すなわち新自由主義的文化を世界全体にとっての否定しようのないモデルであると西側自身が確信していることは、人種差別以外の何ものだというのでしょうか。『我々と共にない者は、我々の敵だ』というのが西側です。
欧米のエリートは、自分たちが為した歴史的犯罪の懺悔さえも他者に押し付けようとしています。自国や他の国々の国民に対して、例えば植民地時代の搾取等彼らがまったく関与しないことについて、非を認め詫びを入れるよう求めるのです。
そもそも欧米が植民地政策を開始したのは、中世に遡ります。その後は、奴隷貿易、アメリカでのインディアン虐殺、インド、アフリカの搾取、英国、フランスの対中国戦争へと展開していきました。この戦争の結果、中国はアヘン貿易のための開港を強いられています。欧米は、一国の民衆全体を麻薬中毒にし、土地と資源のために民族全体を殲滅し、獣を狩るように本物の人間狩りをしたのです。これは人間の本質そのものに反し、真実、自由、正義に反する行為です。
20世紀に反植民地運動を率いたのが我が国であったことは、我々の誇りです。これによって世界の多くの国民は発展の機会を得、貧困や不平等を削減して飢えや病気に打ち勝つことが可能になりました。
ここで強調しておきたいのは、欧米のエリートによる幾世紀にもわたるルソフォビアやロシアに対するあからさまな悪意の原因のひとつは、植民地支配の時代にもロシアが搾取されることをよしとせず、ヨーロッパ人に互恵的貿易を行わせたことにある点です。これを成し遂げることができたのは、ロシアが強力な中央集権国家を形成し、ロシア正教、イスラム教、ユダヤ教、仏教という偉大な道徳的価値観や誰にも開かれたロシアの文化、ロシアの言語の上に発展、強化していったからです。
ロシアへの干渉がたびたび計画されたことは、よく知られています。たしかに20世紀末、欧米は国家崩壊に瀕したロシアの富を剥奪することに成功しました。当時、我々を友人とかパートナーと呼びながら実際には植民地として扱い、さまざまな計画を通して数兆ドルというお金が国外に吸い上げられていったのです。我々はこのことを全部よく覚えています。決して何も忘れることはありません。
そして最近、ドネツク、ルガンスク、ヘルソン、ザポロジエの人々が我々の歴史的一体性を回復するため、声を上げました。欧米諸国は何世紀にもわたり、自分たちは他の国々に自由と民主主義をもたらすと言い続けてきました。しかし実際はその正反対でした。民主主義の代わりに抑圧と搾取が、自由の変わりに奴隷化と暴力とがもたらされたのです。一極集中の世界秩序そのものが本質的に民主主義と自由に反しており、徹頭徹尾うそと偽善に満ちているのです。
米国は、世界で唯一二度にわたって核兵器を使用し、広島と長崎を壊滅させた国です。
また第二次世界大戦中、米国が英国とともにドレスデン、ハンブルグ、ケルン等、数々のドイツの都市をさしたる軍事的必要性もなく廃墟へと変えたことも忘れてはなりません。繰り返しますが、そこに軍事的な必要性はなく、ただ見せしめのために行われたのです。目的はただ一つ、我が国を、そして世界を威嚇することにありました。日本での原爆投下もまた同様です。
米国はまた、ナパーム弾と化学兵器を使用して残虐な『絨毯爆撃』を行い、朝鮮半島とベトナムの人々の記憶にも恐ろしい傷跡を残しました。
ドイツ、日本、大韓民国、その他さまざまな国を今日まで事実上占領し、その上で皮肉にもこうした国々を対等な同盟国と呼んでいます。こうした国々の幹部が監視され、そのトップは官邸のみならずプライベートな住居にまで盗聴器を仕掛けられていることは、全世界の知るところです。これこそ恥辱と言えます。仕掛けた側にとっても、またこの厚顔無恥を黙って従順に奴隷のように飲み込む側にとっても、恥辱以外の何ものでもありません。
彼らは、臣下に対する命令や乱暴で侮辱的な脅しを『欧州大西洋の団結』の名で呼び、(ウクライナ等で行われる)生物兵器の開発や人体実験を高尚な医学研究と呼んでいます。
今日見られる大量の移民の流れは、まさしく彼らが行う破壊的政策や戦争、強奪がもたらしたものです。何百万人もの人々が、窮乏や虐待に堪えながら、また多数の死亡者を出しながらも、同じヨーロッパ内の国を目指しているのです。
そして今、ウクライナから穀物が輸出されています。『世界の最貧国の食糧安全保障の確保』という口実の下に、この穀物はいったいどこに向かっているのでしょうか。実はすべてヨーロッパの国々へと運ばれているのです。世界の貧困国に向かったのは、わずか5%のみでした。ここでもいつものペテンとあからさまな欺瞞が行われたのです。
要するに、米国のエリートは、競争相手を弱体化させ国々を破壊するために 、こうした人々を利用しているのです。これはヨーロッパにも関わることですし、フランス、イタリア、スペイン、その他の幾世紀にも及ぶ歴史を有する国々のアイデンティティーに関わることです。
米国は次々と新しい対ロ制裁を求め、ヨーロッパの政治家の大多数はこれに従順に従っています。米国はEUに対してロシア産エネルギーやその他の資源を拒絶するよう圧力を掛けていますが、これがヨーロッパの空洞化につながり、米国がヨーロッパの市場を手中に収めるようになることは、ヨーロッパの政治家自身も十分理解しています。これこそ、自国の国民に対する直接の裏切りにほかなりません。
しかしアングロサクソンは制裁だけでは飽き足らず、バルト海の海底を通る国際ガスパイプライン『ノルドストリーム』の爆破という破壊工作へと踏みだしました。事実上、ヨーロッパ全体のエネルギーインフラの破壊に着手したことになります。これにより利益を得るのはどの国か、誰の目にもあきらかです。そして利益を得る国が実行したと考えるのは、当然のことでしょう。
米国の専横は、武力の上に成り立っています。それゆえに世界中で数百という軍事基地を展開、維持し、NATOを拡大し、AUKUSをはじめとする新たな軍事同盟を形成しようとしているのです。ワシントン、ソウル、東京を繋ぐ軍事政治的結びつきの形成に向けた動きも活発です。一方で、真の戦略的主権を有する国、あるいはそれを目指す国や、西側の覇権に挑戦することができる国は、自動的に敵と見なされるのです。
まさしくこの原則の上に、完全支配を求める米国とNATOの軍事ドクトリンは成立しています。西側のエリートはその新植民地主義的計画を、封じ込めを語ることにより偽善的に提示しているのです。
すでに、ロシア、中国、イランの封じ込めについては語られていますが、アジア、ラテンアメリカ、アフリカ、中東の他の国々も今にその対象となるでしょう。現時点では米国のパートナーであり同盟国である国々も例外ではありません。我々の隣国である独立国家共同体諸国をはじめ、どの国もその対象となり得るのです。
また西側は、かなり以前から希望的観測を行い続けています。ロシアに対する制裁を電撃的に導入することで、全世界を再び支配下におけると考えたのもそのためです。しかしこの虹色の展望を聞いてその気になった者は、手に負えないほどの政治的マゾヒストか型破りの国際関係の信奉者を除いては、ほとんどいませんでした。大多数の国々はこれに敬意を払うことを拒み、ロシアとの協力という合理的な道を選んでいます。
西側は、このような反発をあきらかに予想していませんでした。
こうした西側の自信は、自分たちだけは例外だと考える悪名高い彼らの思考が発現しているだけでなく、西側が情報の飢餓状態にあることを直接示唆しています。法外に攻撃的なプロパガンダを使って、神話と幻想、フェイクの海に真実を沈めてしまったのです。嘘が信じがたいものであるほど、人はそれを簡単に信じてしまう。彼らの行動は、この原則に従っています。
しかしドルやユーロが印刷された紙幣を人々に食べさせることはできません。また西側SNSの膨張したバーチャル資本で家を温めることもできません。
そのためヨーロッパの政治家は、国民に対して食べる量や風呂に入る回数を減らし、家の中では暖かい服を着るように説得せざるを得なくなりました。一方、「ところで、なぜそんなことをしなければならないのか」とごく当然の疑問を問いかけた者は、ただちに敵、過激派、急進主義者と断定されてしまうのです。
世界の食料危機とエネルギー危機は、ウクライナ・ドンバスでロシアの特別軍事
作戦が始まるはるか以前から西側が長年行ってきた政策の結果として、西側の責任で生じました。しかし西側のエリートには、こうした危機の建設的解決策を探すつもりはどうやらなさそうです。我々にはそう考えざるを得ない根拠が十分あります。そもそも西側には、不公平や不平等という問題を解決する意思がないのです。
ここで思い出すべきは、西側が20世紀初頭の苦境を第一次世界大戦によって脱したという事実です。また米国は、第二次世界大戦で得た利益で大恐慌の影響を最終的に克服し、世界最大の経済大国となって基軸通貨としてのドルの力を世界中に広めることができました。1980年代の危機においては、西側は崩壊したソビエト連邦の遺産と資源を流用することで多くの危機を切り抜けることができたのです。
今、矛盾が錯綜する昨今の状態から彼らが抜け出すためには、主権的発展の道を選ぶロシアやその他の国々を解体し、他国の富をさらに掠奪することが必要です。
現在の新植民地主義モデルが最終的に破滅することはあきらかです。その真実の主人は最後までこのモデルにしがみつくことでしょう。彼らはただ、この掠奪と強請のシステムを維持する以外、何も世界に提供することができないのです。
要するに、何十億という人々、人類のほとんどが持つ自由と正義、自分の未来は自分で決めるという自然権を、彼らはまったく意に介していないということです。彼らはすでに、道義規範、宗教、家族の根本的否定へと踏み出してしまいました。
繰り返しますが、欧米エリートの専横は、西側諸国の国民を含むすべての社会に向けられています。これは、すべての人に対する挑戦です。こうした完全な人間否定、信仰や伝統的価値観の転覆、自由の抑圧は、『逆さの宗教』、すなわちあきらかな悪魔主義の特徴を帯びています。イエス・キリストは山上の垂訓で偽予言者を暴露し、「あなた方は、その実によって彼らを見分けるであろう」と言われました。この毒の実は、人々の目にはすでにあきらかです。それも我が国でだけではありません。西側を含めすべての国の多くの人々の目には、あきらかになっているのです。
世界は、革命的変容の時代へと踏み出しました。 これは抜本的な性質を有しています。新たに形成された開発の中心は、国際社会の大多数を代表し、自分たちの利益を主張するだけでなくそれを守っていく覚悟もあります。また、多極化には自国の主権を強化するチャンスがあると見ていますが、それが意味するのは本当の自由と歴史的展望を得て、自立的で創造的な独自性のある発展や調和の取れたプロセスを遂げる権利を獲得することです。
我々と志を同じくする人々は、ヨーロッパや米国を含め、世界中にいます。彼らの支持を我々は感じ、見ています。一極集中の覇権主義に対する解放や反植民地主義の動きは、さまざまな国や社会において、それぞれの形ですでに進展しています。こうした力こそが、将来の地政学的現実を決定していくのです。
今日、我々は公正で自由な道を歩むために戦っています。それはまず何よりも我々自身のため、ロシアのためです。誰かの例外主義や他の文化、国民の抑圧の上に築かれた政策は本質的に犯罪であり、我々はこの恥ずべきページをめくらなければなりません。このことは、他の国々や国民も理解していると信じています。すでに始まった西側覇権の崩壊が元に戻ることはないのです。
運命と歴史によって我々は戦場へと導かれました。この戦場は、我が国民、大いなる歴史的ロシアのための戦場です。
大いなる歴史的ロシアのため、未来の世代のため、 我々の子、孫、曾孫のための戦場なのです。隷属や、心と魂の自由を奪う恐ろしい実験から、我々は彼らを守らなければなりません。
ロシアやロシアの文化、ロシアの言語を奪い、歴史から抹消しようなどと考える者を決して出現させないために、今、我々は戦っています。今日我々に必要なのは、社会全体の統合です。団結は、主権、自由、創造、正義の基礎があって初めて成立します。博愛、慈悲、思いやりこそが、我々の価値観です。
今日、我々はこの選択を行います。ドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国の市民、ザポロジエ州とヘルソン州の住民は、選択を為したのです。彼らは国民と共に、祖国と共に生き、その運命を共有し、祖国と共に勝利することを選んだのです。
真実は我々と共に、我々の背後にはロシアがあるのです!
今日は、何のために我が国民は戦っているのか、どんな敵が我々に立ちはだかっているのか、世界を新たな戦争と危機に投じてこの凄惨な悲劇から利益を得ようとしているのは誰なのか、お話ししたいと思います。
我々と共にひとつの国民の一部を成すウクライナの同胞、兄弟姉妹たちは、西側の支配層が全人類に対して準備しているものを、自分の目で見てきました。西側は仮面を捨て、その本質を表わしていたのです。
ソビエト連邦崩壊後、西側は、世界を、そして我々すべてを永遠に彼らの命令に従わせることを決意しました。1991年当時の西側は、ロシアが激動から二度と立ち上がれず、やがて自滅していくことを期待していました。しかしロシアは倒れることなく復活し、強くなり、世界の中で再びふさわしい地位を占めるようになったのです。
その間西側は、いつも夢見ていたようにロシアを攻撃して弱体化、崩壊させる機会を、また国を細分化して国民を互いに反目させ貧困と絶滅においやる機会を虎視眈々とうかがってきました。豊かな領土と自然や資源を有し、決して他人の命令に従い生きようとはしない国民がいる偉大で広大な国が世界にはあるということが、西側にはただどうしても納得できないのでしょう。
西側は新植民地主義体制を維持するためであれば、どんなことでもするつもりです。この体制の下で西側は、ドルの力と技術による専横で世界に寄生、つまり世界を強奪し、人類から貢ぎ物をかき集め、覇権への地代という不労所得を獲得してきました。この地代を維持することが、彼らの重要かつ真実の、そしてひとえに打算的な動機なのです。主権の完全なる喪失が西側の利益に適うのは、まさにこれが理由です。西側による独立国家への侵略や伝統的価値観と独自の文化への攻撃も、彼らの支配が及ばない国際的統合プロセスや新たな世界通貨、技術開発の中心を損ねる動きも、すべてここから始まっています。あらゆる国が米国のためにその主権を放棄することこそが、西側にとってはきわめて重要なのです。
一部の国々の支配層トップは、自主的にそうすることに同意し、自主的に臣下となることに同意しています。そうでない国は買収されたり脅迫を受けたりしますが、それがうまく行かない場合には国家全体が破壊され、後に残るのは人道的災害と大惨事、廃墟、何百万という人の運命の破滅、テロリストの跋扈、社会的災害地帯、保護領、植民地、半植民地です。彼らにとっては自分たちが利益を確保できさえすれば、すべてはどうでもいいことなのです。
改めて言っておきたいのは、西側集団がロシアに対して行うハイブリッド戦争の本当の理由は、彼らの欲望と、何にも制限されない権力を保持しようとする意図にあるということです。彼らが望んでいるのは我々の自由ではなく、我々を植民地としてみなすことです。対等な協力ではなく強奪をすることを、我々が自由な社会に暮らすことではなく魂のない奴隷となることを望んでいるのです。ロシアの思想や哲学は、彼らにとっては直接の脅威です。だからこそ、我々の哲学者を抹殺しようとするのです。彼らにとって、ロシアの文化や芸術は危険なのです。我々の発展と繁栄もまた、競争が増すので、彼らにとっては脅威です。彼らにとって、ロシアはまったく不要のものです。ロシアを必要とするのは我々なのです。
彼らの世界支配への欲求は、これまでに何度も我が国民の勇気と粘り強さによって打ち砕かれてきました。ロシアは常にロシアであり続けます。そしてこれからも我々の価値観、我々の祖国を守っていきます。西側は、すべて目こぼしされて罰せられることはないと期待しています。実際、これまでは一切咎められることはありませんでした。
戦略的安全保障に関する協定はゴミ箱行きとなり、政府首脳レベルの合意は絵空事と宣言されました。NATOを東方拡大することはないという固い約束も、かつての我が国の首脳部が術にはまるや否や、薄汚れた欺瞞に変わりました。また弾道弾迎撃ミサイル制限条約と中距離核戦力全廃条約は、でっち上げの口実を付けて一方的に破棄されました。
各方面からは、西側がルールに基づく秩序を主張しているということばかりが聞こえてきます。そもそもこれは一体何から始まったのでしょうか。このルールとやらを見た者はいるのでしょうか。またこの件を話し合った者はいるのでしょうか。これは完全なる欺瞞であり、二重基準、いや三重基準にほかなりません!
ロシアは千年の歴史を持つ偉大な大国であり、文明国です。このようなでたらめで不正なルールの下で、生きることはありません。
国境不可侵の原則を踏みにじったのは西側です。今や彼らは、誰が自決権を持ち誰が持たないのか、誰が自決に値するのかを、自分の裁量で決定しているのです。なぜ彼らはそんな決定をできるのか、誰にその権利を与えられたのかは、全くもってわかりません。自分で自分に与えでもしたのでしょう。
だからこそ西側は、クリミア、セバストーポリ、ドネツク、ルガンスク、ザポロジエ、ヘルソンの人々の選択に激しい怒りを抱くのです。西側に、彼らの選択を評価する道徳的権利はなく、民主主義の自由について語る権利すらありません。今も、そしてこれからも決してありえないのです!
西側のエリートは、国家の主権のみならず国際法をも否定しています。その覇権は、明らかな全体主義的、専制的、アパルトヘイト的性質を有しています。彼らは厚かましくも世界を自分たちの臣下である所謂文明国と、今日の西側の人種差別主義者によれば野蛮人や未開人のリストに加えるべきその他の国々とに二分しています。そして『ならず者国家』や『独裁政権』という偽りのレッテルを用意して、国民や国家全体にその焼き印を押すのです。西側のエリートは、以前同様、今も変わらず植民地主義者のままです。差別をし、世界の国民を1級国民とその他の等級とに分別しているのです。
我々はこれまでも、そしてこれからも、このような政治的民族主義と人種差別を決して認めはしません。今日世界中に広がるルソフォビアが人種差別でないとしたら、一体何だというのでしょうか。西側の文明、すなわち新自由主義的文化を世界全体にとっての否定しようのないモデルであると西側自身が確信していることは、人種差別以外の何ものだというのでしょうか。『我々と共にない者は、我々の敵だ』というのが西側です。
欧米のエリートは、自分たちが為した歴史的犯罪の懺悔さえも他者に押し付けようとしています。自国や他の国々の国民に対して、例えば植民地時代の搾取等彼らがまったく関与しないことについて、非を認め詫びを入れるよう求めるのです。
そもそも欧米が植民地政策を開始したのは、中世に遡ります。その後は、奴隷貿易、アメリカでのインディアン虐殺、インド、アフリカの搾取、英国、フランスの対中国戦争へと展開していきました。この戦争の結果、中国はアヘン貿易のための開港を強いられています。欧米は、一国の民衆全体を麻薬中毒にし、土地と資源のために民族全体を殲滅し、獣を狩るように本物の人間狩りをしたのです。これは人間の本質そのものに反し、真実、自由、正義に反する行為です。
20世紀に反植民地運動を率いたのが我が国であったことは、我々の誇りです。これによって世界の多くの国民は発展の機会を得、貧困や不平等を削減して飢えや病気に打ち勝つことが可能になりました。
ここで強調しておきたいのは、欧米のエリートによる幾世紀にもわたるルソフォビアやロシアに対するあからさまな悪意の原因のひとつは、植民地支配の時代にもロシアが搾取されることをよしとせず、ヨーロッパ人に互恵的貿易を行わせたことにある点です。これを成し遂げることができたのは、ロシアが強力な中央集権国家を形成し、ロシア正教、イスラム教、ユダヤ教、仏教という偉大な道徳的価値観や誰にも開かれたロシアの文化、ロシアの言語の上に発展、強化していったからです。
ロシアへの干渉がたびたび計画されたことは、よく知られています。たしかに20世紀末、欧米は国家崩壊に瀕したロシアの富を剥奪することに成功しました。当時、我々を友人とかパートナーと呼びながら実際には植民地として扱い、さまざまな計画を通して数兆ドルというお金が国外に吸い上げられていったのです。我々はこのことを全部よく覚えています。決して何も忘れることはありません。
そして最近、ドネツク、ルガンスク、ヘルソン、ザポロジエの人々が我々の歴史的一体性を回復するため、声を上げました。欧米諸国は何世紀にもわたり、自分たちは他の国々に自由と民主主義をもたらすと言い続けてきました。しかし実際はその正反対でした。民主主義の代わりに抑圧と搾取が、自由の変わりに奴隷化と暴力とがもたらされたのです。一極集中の世界秩序そのものが本質的に民主主義と自由に反しており、徹頭徹尾うそと偽善に満ちているのです。
米国は、世界で唯一二度にわたって核兵器を使用し、広島と長崎を壊滅させた国です。
また第二次世界大戦中、米国が英国とともにドレスデン、ハンブルグ、ケルン等、数々のドイツの都市をさしたる軍事的必要性もなく廃墟へと変えたことも忘れてはなりません。繰り返しますが、そこに軍事的な必要性はなく、ただ見せしめのために行われたのです。目的はただ一つ、我が国を、そして世界を威嚇することにありました。日本での原爆投下もまた同様です。
米国はまた、ナパーム弾と化学兵器を使用して残虐な『絨毯爆撃』を行い、朝鮮半島とベトナムの人々の記憶にも恐ろしい傷跡を残しました。
ドイツ、日本、大韓民国、その他さまざまな国を今日まで事実上占領し、その上で皮肉にもこうした国々を対等な同盟国と呼んでいます。こうした国々の幹部が監視され、そのトップは官邸のみならずプライベートな住居にまで盗聴器を仕掛けられていることは、全世界の知るところです。これこそ恥辱と言えます。仕掛けた側にとっても、またこの厚顔無恥を黙って従順に奴隷のように飲み込む側にとっても、恥辱以外の何ものでもありません。
彼らは、臣下に対する命令や乱暴で侮辱的な脅しを『欧州大西洋の団結』の名で呼び、(ウクライナ等で行われる)生物兵器の開発や人体実験を高尚な医学研究と呼んでいます。
今日見られる大量の移民の流れは、まさしく彼らが行う破壊的政策や戦争、強奪がもたらしたものです。何百万人もの人々が、窮乏や虐待に堪えながら、また多数の死亡者を出しながらも、同じヨーロッパ内の国を目指しているのです。
そして今、ウクライナから穀物が輸出されています。『世界の最貧国の食糧安全保障の確保』という口実の下に、この穀物はいったいどこに向かっているのでしょうか。実はすべてヨーロッパの国々へと運ばれているのです。世界の貧困国に向かったのは、わずか5%のみでした。ここでもいつものペテンとあからさまな欺瞞が行われたのです。
要するに、米国のエリートは、競争相手を弱体化させ国々を破壊するために 、こうした人々を利用しているのです。これはヨーロッパにも関わることですし、フランス、イタリア、スペイン、その他の幾世紀にも及ぶ歴史を有する国々のアイデンティティーに関わることです。
米国は次々と新しい対ロ制裁を求め、ヨーロッパの政治家の大多数はこれに従順に従っています。米国はEUに対してロシア産エネルギーやその他の資源を拒絶するよう圧力を掛けていますが、これがヨーロッパの空洞化につながり、米国がヨーロッパの市場を手中に収めるようになることは、ヨーロッパの政治家自身も十分理解しています。これこそ、自国の国民に対する直接の裏切りにほかなりません。
しかしアングロサクソンは制裁だけでは飽き足らず、バルト海の海底を通る国際ガスパイプライン『ノルドストリーム』の爆破という破壊工作へと踏みだしました。事実上、ヨーロッパ全体のエネルギーインフラの破壊に着手したことになります。これにより利益を得るのはどの国か、誰の目にもあきらかです。そして利益を得る国が実行したと考えるのは、当然のことでしょう。
米国の専横は、武力の上に成り立っています。それゆえに世界中で数百という軍事基地を展開、維持し、NATOを拡大し、AUKUSをはじめとする新たな軍事同盟を形成しようとしているのです。ワシントン、ソウル、東京を繋ぐ軍事政治的結びつきの形成に向けた動きも活発です。一方で、真の戦略的主権を有する国、あるいはそれを目指す国や、西側の覇権に挑戦することができる国は、自動的に敵と見なされるのです。
まさしくこの原則の上に、完全支配を求める米国とNATOの軍事ドクトリンは成立しています。西側のエリートはその新植民地主義的計画を、封じ込めを語ることにより偽善的に提示しているのです。
すでに、ロシア、中国、イランの封じ込めについては語られていますが、アジア、ラテンアメリカ、アフリカ、中東の他の国々も今にその対象となるでしょう。現時点では米国のパートナーであり同盟国である国々も例外ではありません。我々の隣国である独立国家共同体諸国をはじめ、どの国もその対象となり得るのです。
また西側は、かなり以前から希望的観測を行い続けています。ロシアに対する制裁を電撃的に導入することで、全世界を再び支配下におけると考えたのもそのためです。しかしこの虹色の展望を聞いてその気になった者は、手に負えないほどの政治的マゾヒストか型破りの国際関係の信奉者を除いては、ほとんどいませんでした。大多数の国々はこれに敬意を払うことを拒み、ロシアとの協力という合理的な道を選んでいます。
西側は、このような反発をあきらかに予想していませんでした。
こうした西側の自信は、自分たちだけは例外だと考える悪名高い彼らの思考が発現しているだけでなく、西側が情報の飢餓状態にあることを直接示唆しています。法外に攻撃的なプロパガンダを使って、神話と幻想、フェイクの海に真実を沈めてしまったのです。嘘が信じがたいものであるほど、人はそれを簡単に信じてしまう。彼らの行動は、この原則に従っています。
しかしドルやユーロが印刷された紙幣を人々に食べさせることはできません。また西側SNSの膨張したバーチャル資本で家を温めることもできません。
そのためヨーロッパの政治家は、国民に対して食べる量や風呂に入る回数を減らし、家の中では暖かい服を着るように説得せざるを得なくなりました。一方、「ところで、なぜそんなことをしなければならないのか」とごく当然の疑問を問いかけた者は、ただちに敵、過激派、急進主義者と断定されてしまうのです。
世界の食料危機とエネルギー危機は、ウクライナ・ドンバスでロシアの特別軍事
作戦が始まるはるか以前から西側が長年行ってきた政策の結果として、西側の責任で生じました。しかし西側のエリートには、こうした危機の建設的解決策を探すつもりはどうやらなさそうです。我々にはそう考えざるを得ない根拠が十分あります。そもそも西側には、不公平や不平等という問題を解決する意思がないのです。
ここで思い出すべきは、西側が20世紀初頭の苦境を第一次世界大戦によって脱したという事実です。また米国は、第二次世界大戦で得た利益で大恐慌の影響を最終的に克服し、世界最大の経済大国となって基軸通貨としてのドルの力を世界中に広めることができました。1980年代の危機においては、西側は崩壊したソビエト連邦の遺産と資源を流用することで多くの危機を切り抜けることができたのです。
今、矛盾が錯綜する昨今の状態から彼らが抜け出すためには、主権的発展の道を選ぶロシアやその他の国々を解体し、他国の富をさらに掠奪することが必要です。
現在の新植民地主義モデルが最終的に破滅することはあきらかです。その真実の主人は最後までこのモデルにしがみつくことでしょう。彼らはただ、この掠奪と強請のシステムを維持する以外、何も世界に提供することができないのです。
要するに、何十億という人々、人類のほとんどが持つ自由と正義、自分の未来は自分で決めるという自然権を、彼らはまったく意に介していないということです。彼らはすでに、道義規範、宗教、家族の根本的否定へと踏み出してしまいました。
繰り返しますが、欧米エリートの専横は、西側諸国の国民を含むすべての社会に向けられています。これは、すべての人に対する挑戦です。こうした完全な人間否定、信仰や伝統的価値観の転覆、自由の抑圧は、『逆さの宗教』、すなわちあきらかな悪魔主義の特徴を帯びています。イエス・キリストは山上の垂訓で偽予言者を暴露し、「あなた方は、その実によって彼らを見分けるであろう」と言われました。この毒の実は、人々の目にはすでにあきらかです。それも我が国でだけではありません。西側を含めすべての国の多くの人々の目には、あきらかになっているのです。
世界は、革命的変容の時代へと踏み出しました。 これは抜本的な性質を有しています。新たに形成された開発の中心は、国際社会の大多数を代表し、自分たちの利益を主張するだけでなくそれを守っていく覚悟もあります。また、多極化には自国の主権を強化するチャンスがあると見ていますが、それが意味するのは本当の自由と歴史的展望を得て、自立的で創造的な独自性のある発展や調和の取れたプロセスを遂げる権利を獲得することです。
我々と志を同じくする人々は、ヨーロッパや米国を含め、世界中にいます。彼らの支持を我々は感じ、見ています。一極集中の覇権主義に対する解放や反植民地主義の動きは、さまざまな国や社会において、それぞれの形ですでに進展しています。こうした力こそが、将来の地政学的現実を決定していくのです。
今日、我々は公正で自由な道を歩むために戦っています。それはまず何よりも我々自身のため、ロシアのためです。誰かの例外主義や他の文化、国民の抑圧の上に築かれた政策は本質的に犯罪であり、我々はこの恥ずべきページをめくらなければなりません。このことは、他の国々や国民も理解していると信じています。すでに始まった西側覇権の崩壊が元に戻ることはないのです。
運命と歴史によって我々は戦場へと導かれました。この戦場は、我が国民、大いなる歴史的ロシアのための戦場です。
大いなる歴史的ロシアのため、未来の世代のため、 我々の子、孫、曾孫のための戦場なのです。隷属や、心と魂の自由を奪う恐ろしい実験から、我々は彼らを守らなければなりません。
ロシアやロシアの文化、ロシアの言語を奪い、歴史から抹消しようなどと考える者を決して出現させないために、今、我々は戦っています。今日我々に必要なのは、社会全体の統合です。団結は、主権、自由、創造、正義の基礎があって初めて成立します。博愛、慈悲、思いやりこそが、我々の価値観です。
今日、我々はこの選択を行います。ドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国の市民、ザポロジエ州とヘルソン州の住民は、選択を為したのです。彼らは国民と共に、祖国と共に生き、その運命を共有し、祖国と共に勝利することを選んだのです。
真実は我々と共に、我々の背後にはロシアがあるのです!
このように現場の状況を伝える映像を見れば、西側の主要メディアの報道は著しく偏向しており、プーチン大統領が演説で指摘しているように、「本質的に民主主義と自由に反しており、徹頭徹尾うそと偽善に満ちている」と言えるのです。
プーチン大統領は、「西側は新植民地主義体制を維持するためであれば、どんなことでもするつもりです。…一部の国々の支配層トップは、自主的にそうすることに同意し、自主的に臣下となることに同意しています。
…ドイツ、日本、大韓民国、その他さまざまな国を今日まで事実上占領し、その上で皮肉にもこうした国々を対等な同盟国と呼んでいます。こうした国々の幹部が監視され、そのトップは官邸のみならずプライベートな住居にまで盗聴器を仕掛けられていることは、全世界の知るところです。これこそ恥辱と言えます。 仕掛けた側にとっても、またこの厚顔無恥を黙って従順に奴隷のように飲み込む側にとっても、恥辱以外の何ものでもありません。
…米国は次々と新しい対ロ制裁を求め、ヨーロッパの政治家の大多数はこれに従順に従っています。…これがヨーロッパの空洞化につながり、米国がヨーロッパの市場を手中に収めるようになることは、ヨーロッパの政治家自身も十分理解しています。これこそ、自国の国民に対する直接の裏切りにほかなりません。」と指摘し、アメリカの顔色をうかがう売国政治家の姿を暴露しています。
メディアを含め、こうした情けない状況に対して、「これは、すべての人に対する挑戦です。こうした完全な人間否定、信仰や伝統的価値観の転覆、自由の抑圧は…あきらかな悪魔主義の特徴を帯びています。」と、プーチン大統領はその本質を明らかにしています。凄い演説です。