日本人にとって8月6日は? 少なくない人々が原爆投下を正当化している / 米軍人は戦争終結に原爆は不要だったと認めている / 原爆投下の実態を正しく伝えたのはロシア大使館

 8月6日、広島の平和祈念式典での岸田文雄首相や松井一実市長のスピーチは、原爆投下を行ったのがアメリカであることに言及しませんでした。それにもかかわらず"ロシアの侵略"というシナリオに基づいた「ロシアの核兵器使用の脅威」と無理やりな非難をねじ込みました。しかし現実に劣化ウラン弾を使用したウクライナへの非難はしません。岸田政権はこの式典を政治利用するだろうと思っていましたので驚きはありませんでした。しかし今年は、スピーチを見届けた世界の反応がネット上で多く見られました。バイデン政権にひれ伏す岸田首相の売国奴ぶりは世界に軽蔑されたことでしょう。
 海外のメディアは日本人に様々なインタビューを行っていました。「(日本に原爆を落とされたことは)必要な部分もあった」「戦争終結の決め手になった」「日本が降伏するつもりが無かったから、原爆で最小限の被害にとどめた」、8月6日に何があったかよく分からない人、知っているけれども、なぜか「アメリカによって」という言葉を出さない人。日本の国民が狙い撃ちのように大量虐殺されたことを知らない今の日本人をインタビューは正しく切り取っていました。トルーマン大統領は、日本人を獣とみなし「ボーイを呼ぶように」気軽に原爆投下を命じて「全く心が痛まない」という野獣ぶり。「1945年8月6日、米国は日本の広島市に原爆を投下し、一瞬にして約8万の人々の命を奪った。また、同じぐらい多くの人々が放射能による病気で苦しみの中で亡くなった。人類史上初めての実戦における核兵器の使用は、事実上、一般市民に対して行われた無慈悲な実験であった」と、正しく伝えたのはロシア大使館でした。
 In Deepさんは、第二次世界大戦のアメリカの上級軍指導者たちが"戦争を終わらせるのに原爆は不要だった"ことを認めている証言を紹介されていました。「広島と長崎への原爆投下は、日本の降伏をもたらし、(原爆投下がなければ)命を落としていたであろう 50万人の米兵を救うためには、この二つの民間人大量虐殺行為が必要だった」というアメリカの「神話」をもしも認めるならば、時として「政府が意図的に罪のない民間人に危害を加えるのは正しいとことになってしまう」。それは邪悪なダブルスタンダードです。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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配信元)



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意味も理由もないまま1945年に原爆を落とされた日本と日本人…は、その後の数十年で何かを考えたのだろうか? という疑問のために
転載元)
(前略)
広島、長崎の原爆投下は不必要だったと第二次世界大戦の米軍トップ指導者たちが発言していた
Hiroshima, Nagasaki Bombings Were Needless, Said World War II's Top US Military Leaders Brian McGlinchey 2023/08/01
(中略)
広島と長崎への原爆投下は、日本の降伏をもたらし、(原爆投下がなければ)命を落としていたであろう 50万人の米兵を救うためには、この二つの民間人大量虐殺行為が必要だったというアメリカ史の基礎となる神話を打ち砕く機会を与えている。

この神話を攻撃する人々は、多くの場合、非愛国的か無知か、あるいはその両方として(米国社会から)反射的に無視される。

しかし、従来の通念に反する最も説得力のある証人としては、1945年8月の情勢を独自に把握していた愛国者たち、つまり第二次世界大戦のアメリカの上級軍指導者たちだったであろう。

まず彼らの意見を聞いてから、ほとんど公表されていない彼らの信念に至った重要な事実を調べてみたいと思う。

爆撃計画を知ったドワイト・アイゼンハワー将軍 :
「私は憂鬱な気分を自覚しており、まず日本がすでに敗北し、原爆が投下されたという私の信念に基づいて、自分の重大な不安をスティムソン陸軍長官に表明した。それ(原爆)は全く不必要であり、第二に、アメリカ人の命を救うための手段として使用が義務付けられなくなった兵器の使用によって我が国が世界世論に衝撃を与えることは避けるべきだと私は考えたからである。日本は『面子』の損失を最小限に抑えて降伏する何らかの方法を模索していると私は確信していた」 Link

トルーマン大統領首席補佐官ウィリアム・リーヒー提督:
この野蛮な兵器の使用は…対日戦争では何の物質的な助けにもならなかった。効果的な海上封鎖と通常兵器による爆撃の成功により、日本軍はすでに敗北しており、降伏の準備ができていたLink

第21爆撃軍司令部カーチス・ルメイ少将:
ロシア軍の進入も関係なく、原爆も関係なく、 戦争はあと 2週間で終わっていただろう。 …原爆は戦争終結とはまったく関係がなかったLink

ハップ・アーノルド米 陸軍航空軍大将:
最初の原爆が投下される前から、日本軍の立場は絶望的であった。なぜなら日本軍は自国の制空権を失っていたからだ。私たちの目には、原爆があろうがなかろうが、日本はすでに崩壊の危機に瀕しているように見えた」 Link

ラルフ・バード海軍次官:
「日本は和平の準備ができており、すでにロシアとスイスに接近していた…私の意見では、日本との戦争は原爆を使用する前に(米国が)完全に勝利していた。」Link

太平洋艦隊司令官チェスター・ニミッツ海軍大将:
「広島と長崎での原爆の使用は、対日戦争において何の物質的な助けにもならなかった。日本軍はすでに敗北しており、降伏の準備ができていた」 Link

(中略)

悲しいことに、証拠が示すところは、米国政府が日本の降伏への関心を無視しただけでなく、投下自体を目的として日本の都市に原爆を投下することを決意したことを示している。 そして、広島と長崎の 2つの都市では、女性、子供、高齢者を中心に多くの人々が殺害された

誤解しないでほしいことがある。これは民間人を意図的に標的にしたものだ

広島と長崎が選ばれたのは、原爆の威力を十分に発揮できる、つまり(米軍の攻撃に)さらされていなかった無垢な場所だったからだ。広島には小規模な軍司令部があったが、両都市は、 14か月前に始まった戦略爆撃の影響を受けていなかった。
(中略)
広島の神話は、アフガニスタンでの無人機攻撃で虐殺された女性や子供であれ、 イラクへの不当な侵略で発生した数十万人の死者であれ、米国が制裁するイランで輸入医薬品の不足で死亡した乳児であれ、海外での米国の行動に関連した民間人の犠牲に対する堕落した無関心を助長している

結局のところ、広島の神話を受け入れることは、真に邪悪な原則を受け入れることになる

つまり、適切な状況下では、政府が意図的に罪のない民間人に危害を加えるのは正しいとことになってしまうのだ
(以下略)

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