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ぴょんぴょんの「ないないづくし」 ~多宗教モザイク国家レバノンのカオス
イスラム教シーア派の過激派民兵組織「ヒズボラ」
7世紀ころ、ペルシャ帝国(イラン)に虐げられていたアラブ民族から、預言者ムハンマドが誕生した。ゾロアスター教のペルシャ帝国(イラン)が、アラブ民族に滅ぼされて、しぶしぶイスラム教に改宗させられた。イランが受け入れたイスラム教が「シーア派」だ。
シーア派は、ムハンマドのお告げをチャネリングできる、アリー家の血統こそがイスラム教のリーダーと考えている。
一方、スンニ派は、ムハンマドの言葉が文字になったコーランを、完全に理解するものは誰でもイスラム教のリーダーになれると考える。
シーア派は、ムハンマドのお告げをチャネリングできる、アリー家の血統こそがイスラム教のリーダーと考えている。
一方、スンニ派は、ムハンマドの言葉が文字になったコーランを、完全に理解するものは誰でもイスラム教のリーダーになれると考える。
Hizbullah Sec.-Gen. Hassan Nasrallah: The U.S. Can Force Israel to Do Anything; Arabs Invented the “Joke” That the Jewish Lobby Controls America in Order to Excuse Their Financial Ties with the U.S. and Their Refraining from Fighting Israel #Hizbullah #Lebanon pic.twitter.com/4f00cHileI
— MEMRI (@MEMRIReports) April 9, 2024
〈ヒズボラ書記長ハッサン・ナスラーラ: アメリカはイスラエルに何でもやらせることができる。アラブ人は、アメリカとの経済的結びつきと、イスラエルとの戦いを控える言い訳として、ユダヤ人ロビーがアメリカを支配しているという "ジョーク "を発明したのだ。(DeepL翻訳を意訳)〉
ヒズボラが生まれた経緯
むか〜し、むかし、ある地中海沿岸に、「オリエント地域の、あらゆる民族と宗教と民俗をおさめた、美しい博物館」とも呼ばれるレバノンがあった。ここはシリアの一部で、中東では珍しくキリスト教徒の多い地域じゃった。(世界史の窓)
第一次大戦後、レバノンはオスマン帝国の支配から解放され、フランスの委任統治領シリアに入れられた。だが、キリスト教マロン派とイスラム教ドゥルーズ派の独立運動によって、1943年レバノンは独立。その時レバノンは「大レバノン」になっていた。
マロン派とドゥルーズ派はレバノン寄り。イスラム教スンニ派、シーア派、ギリシャ正教は、もともとシリアから放り込まれたからシリア寄り。(Wiki)今もレバノンの紛争が絶えないのは、フランスの策略が大元にあるのよ。
おっしゃる通り! 1948年のイスラエル建国で、実際それが起こった。土地を奪われたパレスチナ難民がレバノンに押し寄せて、イスラム教の割合が増えたんだ。「このままじゃイスラム教の支配になる」と、キリスト教徒が暴れた。
さらに1970年、PLO(パレスチナ解放機構)が首都ベイルートに拠点を置いたことで、PLOが政治に首を突っ込む。するとマロン派は、パレスチナ人の乗ったバスを襲撃して虐殺。これをきっかけに始まった内戦は、1975年〜1990年の15年も続いた。(YouTube)
さっきも話したように、彼らは、イランやシリアの支援を受けて、「イスラエルを滅ぼす」スローガンを掲げる過激派だ。1990年にシリア軍が侵攻してイスラエルは後退。2000年にヒズボラの攻撃で、イスラエルはようやく出て行った。
イスラエルとの国境地帯、レバノン南部の住人はヒズボラに感謝している。病院や学校を作ったり、町の清掃活動をしたり、イスラエル空爆による犠牲者の遺族の面倒をみたり。ここはまるで、独立した「ヒズボラ国」で、イランの国旗が掲げられているそうだ。
レバノンの経済的没落
大爆発にハイパーインフレーション、中東のパリレバノンはなぜ没落したのか
【ゆっくり解説】大量の難民に大爆発…ガチで経済がヤバい中東の国レバノン
かつては「中東のパリ」と呼ばれ、1980年代まで中東の金融センター、中継貿易地点として、今のドバイの地位にあった首都ベイルート。だが2018年、レバノン経済が本格的に没落し始めたとき、ドルで貯蓄した預金が引き出せなくなった。2019年、レバノン政府は国民の給与と年金を削減した。さらに政府はレバノンのライン、インターネットに課税することを決め、民衆は爆発。そして2020年3月、とうとうレバノンはデフォルト(債務不履行)したのよ。
2020 年のベイルート爆発 …恐ろしい… pic.twitter.com/SQk9v9AVQj
— タケ😸 (@takezo_nya) November 6, 2023
時事ブログによると、「事故ではなく爆弾テロであるなら、ほぼ間違いなくイスラエルの仕業」「爆発物はあらかじめビルに仕掛けられていた(中略)...もし、そうならこの事件、レバノン政府の自作自演ということになる。」
多宗教で多宗派のレバノン政府全体が腐敗している
おそらく、上層部はとっくにカネを持って、海外に脱出しているだろう。だが問題はそれだけじゃない。レバノンは、外国からの信頼も失ってしまった。たとえば、UAE、バーレーン、クウェート、オマーン、カタール、サウジアラビアからなる「湾岸協力会議」は、以前はレバノンを助けてくれたが。
だが、彼らはレバノンにそっぽを向いた。そのワケは、レバノンから違法な薬物、覚醒剤が密輸で入ってくるからだ。それをレバノンに言っても取り締まってくれない。結局、湾岸協力会議は、2年くらい前にレバノンとの国交を断絶した。(YouTube)
だが、お先真っ暗のレバノンにも、明るいニュースが飛び込んできた。3月26日、レバノンの暫定首相ナジーブ・ミカティが、湾岸諸国に国交回復を呼びかけ、サウジとクウェートが好意的な反応を示してくれた。ミカティは「密輸品、特に麻薬の密輸を直接的、間接的に防ぐためにあらゆる手段を講じ、すべての国境通過地点での管理を強化する」と宣言した。(ARAB NEWS)
かつては「中東のパリ」と呼ばれ、今のドバイと肩を並べるような金融の中心だったレバノン、カルロス・ゴーンが逃げ込んだレバノンが、崩壊の危機にあったとは。
なんで、そんなことになってしまったのか?