[ 鈴木宣弘氏 × 深田萌絵氏 ] 「今ね、米農家さんて1年働いて平均所得が1万円」時給にすると10円で、しかも平均年齢は69歳 / 日本の農業を全力で潰す自民党

 昨今の米不足について、鈴木宣弘先生が語っておられました。
流通の問題については、スーパーなどからコメが消えるほど不足している地域は偏在しており、必ずしも全国的な米不足ではなかったことから、流通ルートの違いによって生じた可能性を指摘されました。
また政府が100万トンほどあると言われる備蓄米を放出しない理由については、そもそも「日本政府は米の在庫調整をしない、余剰や不足の需給は市場に任せる」政策を決めていたそうです。国民が困っている時に政府が調整をしないのならば「何のために政府があるのか。」備蓄米放出の条件もハッキリしていないそうです。鈴木先生は「どういう条件になったら放出するか買い上げるか、数字で決めておくべきで、皆が分かるようにしておけば関係者も織り込んで行動ができる」と指摘されました。深田萌絵氏は「米は主食で、例えば半導体の不足とは意味が違う。半導体が不足したら困る企業は出てくるが、国民は飢えない。米が不足したら飢える国民が出てくる。こういう時こそ政府は責任を果たすべきではないか。」と真っ当なご意見でした。
 衝撃だったのは「今ね、米農家さんて1年働いて平均所得が1万円。」「え?え?え?意味がわかんない。」農家の経営が厳しいとは知っていましたが、稲作1000時間の時給にすると10円だそうです。しかも稲作農家さんの平均年齢は69歳。もう主食であるはずの稲作は絶滅寸前です。
それにもかかわらず、政治家や官僚は現場を見ずに「農家の赤字は支援はしない。しかし有事の際は命令で芋を作らせ、その強制命令に従わなければ罰金。」「行政、特に財政当局の思考の劣化は亡国の危機だ。」と鈴木先生は述べておられます。しかし連中はよく分かって意図して亡国を招いているのではないか。
 「日本の農業は潰れても構わないというほど食糧農業予算を削られ、一方で日米のグローバル企業は儲かるような議論ばかり進めている。実質的な減反政策は続き、農地を潰す転用政策も進められる流れの中で今の米不足がある。」「これからは農業政策を転換して、もっとどんどん米を作ってもらい、備蓄もすれば良い。エサ米や米粉も需要がある。輸出もできればやればいい。財政出動を需要を作る出口対策に持っていくべきだ。」
 鈴木先生のお話を聞けば聞くほど、自民党と官僚が全力で日本の農業を潰していることが分かります。国民のための、たかが1兆円の食糧安全保障のコストも惜しいらしい。
(まのじ)
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「令和の米不足の真相」鈴木宣弘× 深田萌絵 No.108
配信元)


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