米の価格高騰の陰に「買占め」がある /「お米が投機あつかいされ始めると大乱が起きる」/ 令和の米騒動はパブリックコメントで抗議を

 米価の高騰の核心部分は、2025年1月31日の時事ブログで「農林中金の投資損失の穴埋めを全国のJAが行うことになるわけですが、そのためには米の価格を釣り上げてJAに儲けさせる必要がある。要するに、農林中金の投資の失敗を国民が負担しているわけです。」と指摘していました。「堂島先物取引所という米の先物取引で儲けようとする会社の新社長に、農家を食い物にしているJA農林中央金庫、そうです、昨年1兆5000億もの負債を出してたJA農林中金の融資部門の超本人、有我渉氏が就任した」ともありました。
 集英社オンラインの記事では、スーパーの米売り担当者や米を専門に扱う米穀店は「値上がりの理由は大きな企業の“買占め”が原因ではないか」と感じていることを伝えていました。2月7日に「江藤拓農林水産大臣は、政府備蓄米の放出をできるだけ早急に行なう考えを示した」と報じられるや、米の仲介業者の元に「米を買いませんか?」という営業の電話がいくつかかかってきたそうです。「おそらく、買い込んでいた業者が、備蓄米の放出で市場価格が下がる前に、米を売りさばいてしまおうと動き出したのではないかと思います」
 建築エコノミストの森山高至氏が2018年7月の時点で、米騒動を取り上げておられました。「お米が投機あつかいされ始めると大乱が起きる。」森山氏の先見の明に今やっと世の中が追いついた感があります。大正時代に起きた「米騒動」の発端は、富山県魚津市の沖仲仕の女達でした。米の価格の急騰で地元のお米が買えない。なのに業者は富山のコメがもっと高く売れる他所に港から積み出そうとしている。「その状況下でも商社はさらなる投機的買い占めと売り惜しみにはやっている、なんてやつらだ!」と、まだ婦人参政権もない時代に「お母さん、お姉さん、お婆ちゃん」が「米、買い占めるな!」「メシ喰わせろ!」と米問屋や資産家に対し米の移出を停止し、販売するよう嘆願して、その結果、米の移出を実力行使で阻止したのでした。当時のお米の価格を今の感覚で解説されていますが、米騒動の直前では価格が2.5倍にまで上がっています。一杯350円の牛丼が、諸物価の高騰も加味すると3〜4ヶ月で800円以上になるようなものだそうです。
 今はさすがに米問屋に直訴できませんが、国民の声を届ける最後のツテとしてパブリックコメントがあります。こんなものは無視されるに決まってる、と思えますが、富山の女達の心意気で今、国民の意思を表明することが後々生きてくると思います。
農水省の新たな食料・農業・農村基本計画に関するパブコメ」は2月21日午後5時締め切りですが、政府の無策によって起こっている米の価格急騰に抗議し、日本の農業を生かす根本の政策をとるよう訴える機会です。農家の所得保障、農産物価格の安定を可能にする政策、食料自給率を上げる政策を国民は求めています。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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配信元)




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コメ屋が嘆きの声「もうめちゃくちゃですよ」コメ高騰の裏に“買占め業者”の存在か…「備蓄米放出で、売るタイミングをうかがっているのでは」
引用元)
(前略)
都内のスーパーで、米売り場の担当者に話を聞くと、値上がりには複合的な理由があり、今後も値段は下がらない可能性があると話す

“米不足”なんて言われていますが、ぶっちゃけ2、3年前と比べてもお米の全体の量は変わってないと思いますよ。農協や国の政策でお米は『相対取引価格』といって買取金額というか、相場がある程度決まっていているので、今も値下がりはしないままなのかなと。
(中略)
一方で、都内で米を専門に扱っている米穀店に話を聞くと、値上がりの理由は大きな企業の“買占め”が原因ではないかと話していた

農家さんには本当にお米はないんですが、仲介業者や大手の加工品業者、商社とかが抱え込んでいる可能性があると思います。そういうところは、こうした騒動が起こる前に前もっておさえていて、今まさに、放出するタイミングをうかがっているんじゃないですかね。今までは『ないよ』って言っていたのに、『実はあるよ』って売りだすのでは」(都内の米穀店の店主)
(中略)
先日、備蓄米の放出を検討しているといった報道があった後、うちに『米を買いませんか?』という営業の電話がいくつかかかってきました。おそらく、買い込んでいた業者が、備蓄米の放出で市場価格が下がる前に、米を売りさばいてしまおうと動き出したのではないかと思います」(米の仲介業者)
(以下略)
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中央卸売市場制度って日本人の大発明なんだぜ⑦
(前略)
「米騒動」は、一般には次のようにいわれております。
大正7年(1918年)米価格の急騰によって起きた日本各地の暴動。
同年7月に富山県魚津市の沖仲仕の女達が、米問屋や資家が米の移送の中止を求めて声を上げたことをきっかけとする

(中略)
魚の豊漁で魚価が下落しているところにもってきて、米の値段が高騰しました。
魚を売って米を買おうにも、米が買えなくなってしまった。
にも関わらず、富山の米を値段が上がっている余所に売ろうと港から積み出している、なんてことだ!と
その状況下でも商社はさらなる投機的買い占めと売り惜しみにはやっている、なんてやつらだ!と

(中略)
当時はまだ、女性参政権のない時代です、つまり女性の社会参加という意味では相当にハードルが高かった
何かの運動であるとか、意見であるとか、声を上げようにも
今の時代感覚で警察や政府が弾圧というよりもむしろ、家庭内で夫や父親や兄に猛反対されるのがオチ。
そんな状況で、お母さん、お姉さん、お婆ちゃんが、はっきりとモノを言ったからです。

「米、買い占めるな!」
「メシ喰わせろ!」と

(以下略)

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