WHO「パンデミック条約」の条約案に加盟各国が最終合意、ただし「各国は自国内のパンデミック対策に主権を有する」/ 一方、IHR改悪案の拒否ができるのは2025年7月19日まで

 4月16日、WHO「パンデミック条約」の条約案について、加盟各国の交渉がまとまり、最終合意に至ったと報じられました。5月の総会で正式に採択される見通しです。注目すべきはWHOの声明で「協定案のいかなる条項も、WHOに国内法または政策を指示、命令、変更、または規定する権限を与えるものと解釈されない」としていることでした。各国は自国内のパンデミック対策について主権を有し、「例えば、ワクチン接種の義務化やロックダウンの実施などを、締約国に義務付ける権限をWHOは持たない。」と確認しています。さらに今回の会合には、すでにWHO脱退を表明している米国は参加しておらず、条約そのものにも参加しない見通しです。
米国追従が大好きな日本政府ですが、WHOパンデミック条約に関しては「世界的な健康危機に対しては、国際社会が一致して対応する必要がある」とたいそう肯定的です。米国政府よりも製薬企業に頭が上がらないのか。私たち国民は「国際機関や政府が言っているから正しいに違いない」という思い込みを手放す時です。
 さて、パンデミック条約よりも悪質な国際保健規則(IHR)ですが、2024年6月1日に改悪案の決定があり、2024年9月19日に締結国各国に通知されました。「改悪案のいずれかを拒否し、または留保しようとする締約国は、この通知の日から10か月以内、すなわち2025年7月19日までに事務局長にその旨を通知することができる。」つまり、IHR改悪案の拒否ができるのは今年2025年7月19日までということです。「既に、イラン、オランダ、ニュージーランド、スロバキア、コスタリカ、アルゼンチン、ロシアは、改悪案のいずれかを拒否または留保する予定を表明済み。」とのことです。日本政府も拒否を表明するよう、声をあげましょう。
 ところで、In Deepさんが面白い記事を出しておられました。WHOでパンデミック条約の交渉をしている最中に「WHO 主導による『致死的な新たな感染症のパンデミック』についてのシミュレーション演習が行われた」そうです。「またかよ」とツッコむほど、これまでワクチン・キャンペーンとセットの様々なパンデミックのシミュレーションが行われてきたことを振り返っておられました。新型コロナの時も、中国で最初の患者が報告された「 1カ月ほど前に、ジョンズ・ホプキンス健康安全保障センターと世界経済フォーラム、そしてビル・ゲイツ氏らによって行われた『新たなコロナウイルスによるパンデミックのシミュレーション』」が公開されていたそうです。このパターンですと、5月頃にナゾの「マンモス痘」でひと騒動起こしますよ、ということかしら?
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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配信元)


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パンデミック条約の合意に合わせるように「新たなパンデミック対応シミュレーション」がWHO主導で開催。今度はサル痘ならぬ、古代から蘇った「マンモス痘」
転載元)
(前略)
今度はマンモス痘(苦笑)

英テレグラフ紙が、WHO 主導による「致死的な新たな感染症のパンデミック」についてのシミュレーション演習が行われたことを、独占記事として報じていました。

「またかよ」


と思う他はないですが、おもしろかったのは、そのシミュレーションで取りあげられたウイルスは、架空のウイルスなのですが、

「凍結した数万年前のマンモスの死骸が解凍され、そこから発生した」

というものなのです。

想像力の豊かさには呆れるばかりですが、まあ、シベリアの凍結した土壌の中に古代の多くの微生物が眠っていることは事実でしょうし、微生物によっては「解凍と共に生き返る」こともあるでしょうが、「なんでマンモス?」という話です。

動物に感染していなくとも、土壌の凍結が溶解するだけで、復活したウイルスは十分にウイルスとして機能するわけで、マンモスだなんだのは関係ありません。

10年近く前のことですが、

「炭疽菌が永久凍土が溶けたシベリアの土の中から噴出して、非常事態宣言が出された」

という出来事がありました。以下の記事にあります。

・生物兵器の主は死なない : 無治療では致死率90%の「炭疽菌」が永久凍土が溶けたシベリアの土の中から噴出し被害が拡大。該当地域は非常事態宣言の渦中
In Deep 2016年8月2日

あるいは、やはり 2016年のことですが、ロシアの科学者たちが、

「シベリアの永久凍土の融解により、天然痘が再び拡大する可能性」

を述べていました (参考記事)。

だったら、別に炭疽菌のパンデミックだとかのシミュレーションにすればいいじゃないの、という気にもなりますが、それがなされないのは、「炭疽菌だと、WHO のパンデミック対策や新型コロナの際のような緊急事態対策がまったく役に立たないから」だと思われます (コロナのときに役立たなかったというのとは異なる意味で)。

炭疽菌のパンデミックなんて、(おそらくは)手の打ちようがない。

なので、「マンモス痘」なんていう、想像のしようもない微生物の名称を挙げての演習だったのではないのかなと。
(中略)
それはともかくとして、新型コロナの際にも、中国で最初の患者(だと公式には言われている)が報告された 1カ月ほど前に、ジョンズ・ホプキンス健康安全保障センターと世界経済フォーラム、そしてビル・ゲイツ氏らによって行われた「新たなコロナウイルスによるパンデミックのシミュレーション」を公開したイベント201を思い出します

詳細は、以下の 2020年1月の記事にあります。WHO がパンデミック宣言を行う 2カ月ほど前のもので、まだ、新型コロナウイルスとはどんなものか、ということがまったくわかっていなかった頃です。

・武漢ウイルスが出現する2ヵ月前、アメリカの科学者が「次に発生するコロナウイルスのパンデミックは《地球上の6500万人を殺す》」というシミュレーションを公表していた
In Deep 2020年1月27日
(中略)

独占:WHO、北極の「マンモス痘」流行でパンデミック対応を演習
WHO tests pandemic response with Arctic ‘mammothpox’ outbreak telegraph.co.uk 2025/04/15
(中略)
ポラリス演習が行われている間、WHO では新たな「パンデミック条約」に関する交渉が継続されていた

関係筋はテレグラフに対し、医薬品やワクチンの配布計画をめぐる意見の相違など 3年間の困難な交渉を経て、早ければ 4月15日にも条約合意に達する可能性があると語った

マンモス痘演習に参加した国々は最終的にはウイルスを封じ込めるために団結することができたものの、実際の流行ははるかに複雑になるだろうと WHO は認めた。

例えば、ワクチン戦略をどう実行するかという問題は、架空の予行演習では扱われなかった。また、WHO への最大の資金提供国である米国は WHO から脱退しようとしている

(以下略)

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