[櫻井ジャーナル他]米国の命令には背けないEUや日本に合理的判断を期待できないと悟った露国は制裁への報復を決断

竹下雅敏氏からの情報です。
 ロシアはBRICSでの新しい経済圏があるため、欧米を必要としていないのです。今回の経済制裁は、EUにとって致命傷になりかねないので、おそらく回避の方向で調整することになるだろうと思います。ということは、EUは結果的にアメリカから離れるしか選択肢がないということです。ロシアが強硬な手段を取れる理由は、すでに戦争の準備を整えてしまっているからだと思います。
EUは士気が低く、アメリカのせいでヨーロッパが戦場になることを望まないため、結局ロシアとの水面下の交渉を飲まざるを得ないだろうと思います。プーチンとオバマではまったく政治家としての力量が違うので、アメリカに勝ち目がありません。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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米国の命令には背けないEUや日本に合理的判断を期待できないと悟った露国は制裁への報復を決断
転載元より抜粋)
 ロシアの報復を批判する声明をEUは発表したが、滑稽である。制裁が話題になり始めた直後から、経済制裁で最もダメージを受けるのはEUだと指摘されていた。ロシアはEUを必要としないが、EUはロシアが必要だからだ。これまでロシアが報復しなかったことを感謝しなければならない。

 実は、アメリカの経済界も政府のロシア制裁には反対している。「西側」の経済がダメージを受けると認識しているからだが、そうしたことを気にしない勢力が現在のホワイトハウスを動かしている。戦争自体を目的としたり、ウクライナやロシアを乗っ取り、略奪したいと望んでいる欲望で目の眩んだ連中だ。

 今回は農産物だけの話に止まっているが、エネルギーに波及するとEUは破綻する。現在、EUは天然ガスの3分の1以上をロシアからの輸入で賄っているのだ。これだけの量を補填する体制を数年で整えることはアメリカの能力を超えている。この程度のことはEUの「エリート」も理解していただろう。その上で、アメリカの命令に従ったのだ。

 ロシア側から見ると、EUに替わる新たな天然ガスの販売先がすでに存在する。言うまでもなく中国だ。ロシアと中国は5月21日に天然ガスの供給契約を結び、今後30年間にロシアは中国へ毎年380億立方メートルを供給することになった。

 中国としてもこの取り引きには大きな意味がある。アメリカは中国の石油や天然ガスの輸送ルートをいつでも断つことができるように、南シナ海での軍事力を強化している。

 そうした状況の中、ロシアからの天然ガスを確保する意味は大きい。

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イランとロシアが経済協力文書に調印
転載元より抜粋)
9c13ce42ec9f65e8a72e05aea4f3680e_Lイランとロシアが経済協力文書に調印しました。

この文書は5日火曜、ロシアのモスクワで、ロシアのノバクエネルギー大臣とイランのザンゲネ石油大臣によって調印されました。
この文書により、両国は生産施設の建設と維持、電力網インフラの拡大、石油・天然ガス、機械、設備、消費財、農産品の分野で協力を行うことになります。

ロシアエネルギー省は、6日水曜、声明の中で、「この合意に基づき、ロシアは同国の市場へのイラン産原油の輸出の体系化に協力し、この輸出量は市場の需要に基づいて決定されるだろう」と述べました。


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EUが試算、ロシア禁輸で120億ユーロの損失
転載元)
© Photo: RIA Novosti/Valeriy Melnikov

© Photo: RIA Novosti/Valeriy Melnikov



ロシアの導入する禁輸措置により欧州諸国が蒙る損失は120億ユーロに達する恐れ。ラジオヴィガウダス・ウシャツカス駐モスクワEU大使は「ガヴァリット・モスクヴァ(モスクワは語る)」に出演したなかでこう語った。

 仏の国民農業生産者組合連合(FNSEA)のサヴィエ・ビョレン代表も7日、欧州の農産品の対露輸出の禁止によって、欧州市場は危機的状況に陥る危険性があると指摘している。リアノーボスチ通信が伝えた。ビョレン代表は、ロシアへの輸出向け生産物がロシア市場に送れない場合は、欧州市場に流入しかねないと指摘し、これによって危機的状況に陥る危険性があると懸念を表した。


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ポーランド産農作物 ロシアに代わる輸出先を見つけるのは困難
転載元より抜粋)
ポーランドのサヴィツキ農相は「ロシアへの農作物の輸出が完全に禁止されてしまった場合、我が国が、それに代わる輸出先を見つけるのは困難だ」と指摘し、次のように続けた―

「ロシア当局は、(トランプゲームにたとえるなら)カードを完全に開いて、EUと米国に経済戦争の宣戦布告をした。ポーランドの農業生産者は、パニックに陥らず、なるべく冷静になって、今後の行動をよく考えてほしい。

 形成された状況の中で、ロシアに代わる輸出場所を見つけるのは困難だろう。第三国の市場では、これ以上の輸出拡大を望めない。もし何か変化があるとしても、それは新年あけで、それに対応できるのは冷蔵庫や保管庫で管理できる農作物に限られる。」


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オランダ:ロシアの禁輸措置、EUに悪影響
転載元より抜粋)
ロシアのプーチン大統領が一部諸国からの食料品の輸入を禁ずる時限措置を決定したことによって、オランダ経済をはじめ、EU経済全体が、深刻な打撃を受けるかも知れない。オランダ農業・園芸協会総裁アルベルト・ヤン・マート氏が述べた。同協会HPより。

 「オランダは農産品・青果輸出で世界第2の国だ。そしてロシアはわれらの最大の顧客の一角である」
 「禁輸により、農産品の売れ行きや、欧州市場における価格に深刻な悪影響が出るかも知れない」とマート氏。
 マート氏は、この問題はオランダ国内で、また全欧レベルで協議されなければならない、とした。

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