[日本や世界や宇宙の動向]スイスフラン・ショックによりドミノ式に金融市場全体に影響が出ています。

竹下雅敏氏からの情報です。
 スイスの金融核爆弾の炸裂は、相当な影響を引き起こしているようです。
 2つ目の記事では、“欧州中央銀行の金融緩和策は…ヨーロッパの銀行を救うことは出来ない…ユーロ圏は、その存続は困難になるほど非常に危険な状態となります”とあり、私が当初感じたのと同様の見解になっています。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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スイスフラン・ショックによりドミノ式に金融市場全体に影響が出ています。
転載元より抜粋)
http://beforeitsnews.com/economy/2015/01/the-newest-dominoes-to-fall-from-the-swiss-franc-revaluation-2693626.html
(概要)
1月21日付け:
スイスフランの急騰により金融市場全体にドミノ式に影響が出ています。
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スイス中央銀行がヨーロッパに金融核爆弾を落としてから1週間が経ちました。そして既に金融市場全体に大きな被害が出ています。最初に被害に遭ったのが、スイスフランをショート(売る)してしまった大手銀行と外為ブローカーです。

スイスフランをショートした外為ブローカーや銀行の損失額は以下の通りです。

電子取引ブローカー             1億2千万ドル
アルパリUK                2億2千5百万ドル
バークレイ銀行               数千万ドル
シティグループ               1億5千~2億ドル
ドイツ銀行                 1億5千万ドル
FXCM             最低3億ドル(既に受け取っていた救済額と同じ)
コマックキャピタル             未公開だが莫大な損失
ディスカバー・キャピタル・マネージメント  未公開だが莫大な損失
クレジット・スイス・グループ        未公開だが莫大な損失
サクソバンク                未公開だが莫大な損失
エベレストキャピタルのグローバルファンド  8億3千万ドルのファンドを損失


上記の通り、損失を認めたところだけでも、総額20億ドル(約2400億円)の損失額となっています。
しかし上記以外にもまだまだ多くの金融機関やブローカーが巨額の損失を出したと思われます。その中には大きくて潰せない銀行やヘッジファンド(デリバティブも)なども含まれています。

数十億ドルもの損失を出した銀行もありますが、それは微々たる金額です。このような巨額の損失が発生したのは過去にもありました。今後、住宅ローンもドミノ式に崩壊するでしょう。
ヨーロッパの住宅市場はアメリカと同様に大きな問題を抱えています。

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スイスフランの急騰により、ヨーロッパの住宅ローン返済に大きな影響を与えています。特に、ポーランドの住宅市場はスイスフランの平価切上げにより、最も大きな被害を受けています。ポーランドではスイスフラン建てで住宅ローンを組んでいる人が50万人以上いますが、スイスフランが20%も急騰したために、住宅ローンの返済が難しくなっているのです。

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スイス中央銀行がユーロとスイスフランのペッグをやめたことで何が起きているかというと。。。
転載元より抜粋)
http://kingworldnews.com/former-white-official-exposes-shocking-real-reason-historic-58-sigma-move-swiss/
(概要)
1月20日付け:

キングワールドニュースのインタビューに答えた元大統領顧問のDr.マルムグレンによると:
スイス中央銀行の今回の動きは世界に破壊的な影響を与えています。
ユーロとスイスフラン、ドルとスイスフランの予想変動率は1%未満でしたが、スイス中央銀行の今回の発表により、わずか30分で、対ユーロと対ドルで43%も変動しました。新興国でもこれほどの急騰は起こりません。

誰もが大きな損失を被りましたので、もはや中央銀行に対する信頼は崩れました。中央銀行が持っていた権威というイリュージョンは破壊されました。

スイスがこのような手段(ユーロとのペッグをあきらめる=スイスフランの対相場の上限撤廃)を講じたのは、欧州中央銀行が金融緩和を行おうとしているためだと言われていますが。。。実際は、スイス中央銀行のバランスシートが、スイスGDP比で100%近くになってしまったためです。

アルゼンチンでは23%のインフレ率となっており、ロシアでは17%のインフレ率となる見込みです。。世界中でインフレが起きており、各地で社会不安が増大しています。そのため、海外からスイスに資本の逃避が起きているのです。
同時に、ロシアと地政学的な紛争が起きつつある中で、なおさら、スイスにお金が流れて行くことになります。このままスイスがユーロとペッグを続けると1年以内にスイス中央銀行のバランスシートがGDP比で200%以上になってしまうでしょう。

これはまさにドイツ中央銀行が歴史的なワイマール共和国のインフレを発生させた状況と同じです。
人々は損失の大きさに気が付いていません。ヘッジファンドでは致命的な損失額が発生しています。ヘッジファンドが崩壊しそうです。またデリバティブ市場もかなり乱高下しています。

欧州中央銀行の金融緩和策は、貸し倒れしか道がないヨーロッパの銀行を救うことはできないでしょう。その結果ユーロ圏は、その存続が困難になるほど非常に危険な状態となります。

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