[sputnik]パノフ元駐日大使、安倍首相の謝罪、プレス攻撃は停止、だが日本軍国主義化の危険は残存

竹下雅敏氏からの情報です。
 パノフ元駐日大使の鋭い論評で、この通りだと思います。安倍政権の背後に居る強力な団体が日本会議であることは、海外でもよく知られるようになって来ました。いろいろ苦労しましたが、ようやくこの日本会議をコントロールし得たと思います。私の直観が正しければ、ぎりぎりのところで、日中戦争、憲法改悪は避けられたと思います。
 ただし、こうした方向へ向かって動いて行くことは避けられません。ちょうど、巨大な軍艦をすぐに止めることが出来ないのと同様で、舵を切って少しずつ方向を変えることが出来るだけです。
 日本会議も神道政治連盟もその他の右翼団体も、神道を始めとする様々な宗教団体が関与しています。彼らは、サルーサがサポートしていたプロティノスを頂点とする秘密教団の影響を色濃く受けていたわけです。ようやく、この連中を完全に排除したので、今後その効果がはっきりと表れてくると考えています。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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パノフ元駐日大使、安倍首相の謝罪、プレス攻撃は停止、だが日本軍国主義化の危険は残存
転載元より抜粋)
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自民党の若手議員数名が米軍のアピアレンス縮小に賛同する同県の新聞に圧力をかけよと呼びかける発言をしたことについて、安倍首相は沖縄県民に対し謝罪した。 

「勉強会での発言は極めて不適切で国民の皆様に対しても申し訳ない気持ちだ。沖縄に対して自民党が長年行ってきた沖縄振興や基 地負担軽減への努力を水泡に帰すものであり大変残念で、沖縄の皆様の気持ちを傷つけるとすれば申し訳ないと思っている」
安倍首相を謝罪に向かわせたものは何だろうか?

ラジオ「スプートニク」は米国カナダ研究所の上級専門家で元駐日ロシア大使のアレクサンドル・パノフ氏にこの問いをぶつけてみた。

「私が知っている限りでは、若手議員の批判の波が広範に広まったが、この議員らは単に機関車を追い越して、ずっと先に走っていってしまっただけで、ここで出た発言は党内で話されているものだと思う。だから安倍氏は多少譲るざるを得なかったんだろう。」

Q:日本のマスコミの自由への攻撃に多少ブレーキがかかるとみてよいか?

A:「日本の政権与党のトップ全員がプレスへのコントロール強化に賛同しているわけではもちろんない。それに、安倍政権は集団自衛権以外の問題を抱えたいとは思っていないと思う。もし今、日本政治の右傾化への反応が高まれば、政府は二重の火に焼かれることになる。これは望むところではない。」

Q:自民党若手議員の発言への批判の波が起きたことによって、平和主義への気運が高まったり、あるいはナショナリズム的傾向を克服する方向へとむかうことがあるでしょうか?

A:「平和主義とナショナリズムというこの2つの傾向は、共生し、互いに闘いあうことになるだろう。今、日本の敗戦記念日、原爆投下記念日が近づきつつある。これによって平和主義者のほうに大きく分配が上がることになるだろう。一方で自民党が集団自衛権の法案を採択してしまうことを疑う者は誰もいない。このように2つの傾向は闘いつづけていき、これが今や日本の国内政治のファクターとなのである。」

Q:集団自衛権が採択されたとき、日本社会はこれにどう反応するだろうか?

A:「おそらく、1960年代に米国との軍事協力が刷新されたときのような大規模で激しい波は起きないとおもう。日本には戦争反対運動はない。もちろん個々のデモはありえるだろうが、大規模なもの、しかも日本全体がこれに反対するというものは私は起きないと思う。」

Q:ということは日本はナショナリズムと軍国主義が強まる方向にシフトするということだろうか?

A:「これは避けられない。特に中国の粘り強い政策があり、ロシアと中国が軍事ではなく、政治、経済のものではあるが、実際の戦略同盟を作り始めたことを考慮にいれればそうだ。日本はまだまだ国内に多大な問題を抱えており、国民動員のためには、いつもの手だが、積極的にナショナリズム的スローガンが利用される。とはいえ、もちろん代替策もあって、それは中国とロシアと善隣関係を発達させることだ。これは中国とロシアの間に反日的な方向に向かわせる気運を、もしそれがあればの話だが、切断することができるだろう。」

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