[Sputnik]露航空宇宙軍のラッカ空爆後、パニックで逃げ惑うテロ集団 / 日本あるいは西側は、シリアで誰を爆撃しているか示せるか? 〜今最も重要なシリア情勢〜

竹下雅敏氏からの情報です。
 今最も重要なシリア情勢ですが、シリア反政府軍(ISISを含む)は、総崩れの様相です。これが本当に困るのがイスラエルで、“続きはこちらから”以降の菅官房長官の発言は、まるでイスラエル大使館の代弁のようです。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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シリア軍 テロリストに対し、軍事作戦が始まる前に降伏を呼び掛ける
転載元より抜粋)

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シリア空軍のヘリコプターは、ハマ南部のラスタンとタリビシの居住区にビラをばらまいた。ビラでは、テロリストたちには武器を置き、一般市民には、近いうちにシリア軍が大規模な軍事作戦を開始する場所から移動するよう呼び掛けられている。リア・ノーヴォスチ通信の特派員が現地から伝えた。

White Minaret Rus‏@MinaretRus
#Сирия. Авиация #Башар'а #Асад'а сбрасывает листовки с призывом к муджахидам Джабхат ан-Нусра сдаться к нему в плен.

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9:14 - 2015年10月3日 のツイート

シリア空軍は、2種類のビラをばらまいた。一つのビラには、シリア軍の検問所に近づいた時の行動について詳細な説明が記載されているほか、軍事作戦が予定されていることを受けて、一般市民には自宅を離れて移動するよう呼びかけられている。

2つ目のビラでは、
シリア軍と軍総局が、テロリスト側についたシリア市民に対して、武器を置き、軍に対する抵抗を止めるよう呼びかけている。




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アラブの報道:露航空宇宙軍のラッカ空爆後、パニックで逃げ惑うテロ集団
転載元より抜粋)
シリア、ラッカ市南西部の「イスラム国(IS)」司令部とテロリスト養成キャンプへ行なわれたロシア航空宇宙軍の空爆で、「武装戦闘員らは不意打ちをくらい、部隊にパニックが起きた。」リビアの新聞「アル・アフバル」紙はこう報じた。

「アル・アフバル」紙の報道によれば、ISの野戦司令官らは3日(土)、自分の家族らをラッカ市から隣国イラクの町モスルへと避難させはじめている。同紙によせられた目撃者の証言によれば、「新たな空爆に備えて、急進主義者らは司令部を捨て、住居アパートに移った。表ではパトロールや検問所の数が激減している。ラッカへの入り口付近では戦闘員らはシェルターに身を潜めた。」

こうした一方で急進主義組織「ジェイシ・アル・ファタフ(征服軍の意味)」はイドゥリブなどシリア北西部の諸都市に配備した軍部隊を撤退させている。リビアの新聞「アス・サフィル」紙によれば、「ジェイシ・アル・ファタフ」は「ロシア航空宇宙軍の空爆の効果が身にしみて堪えた」後、トルコとの国境に撤退を開始した。

「アス・サフィル」紙の報道では、「ジェイシ・アル・ファタフ」の頭目は国際テロ組織「アルカイダ」と関連する「アル=ヌスラ戦線」。「ジェイシ・アル・ファタフ」は今年春、シリアのイドゥリブ州を征服した。「アス・サフィル」紙は「ジェイシ・アル・ファタル」への資金提供を行なっているのはサウジアラビア、トルコ、カタールだと確証している。

目撃者情報では弾薬を積んだトラック数台と装甲車の車列がエリハ、サラキブ、マアレト=ナアマン、アブ=ドゥフルから出発しており、その大半がトルコと国境を接する山岳地帯のジェベリ=エズ=ザヴィヤを目指している。このジェベリ=エズ=ザヴィヤには、「ジェイシ・アル・ファタフ」の後方基地がある。

ロシア軍機はグロナスを通じて方向修正可能な高精度爆弾を使用 © SPUTNIK/ DMITRIY VINOGRADOV ロシア軍機はグロナスを通じて方向修正可能な高精度爆弾を使用

ロシア軍機はグロナスを通じて方向修正可能な高精度爆弾を使用
© SPUTNIK/ DMITRIY VINOGRADOV
ロシア軍機はグロナスを通じて方向修正可能な高精度爆弾を使用



「アス・サフィル」紙の報道によれば、「ジェイシ・アル・ファタフ」の野戦司令部は、ラタキヤとアレッポをつなぐ街道上の要所であるジスル=エシュ=シュグルが、ロシア軍航空機の支援を受けたシリア軍の攻撃をいつ受けてもおかしくないと身構えている。
空からの集中的な襲撃を受けた後、武装戦闘員らはハマ州北西部のサフル・エル・ガブ平原で進軍を停止させていることから、この地域でシリア軍と民族義勇軍は数時間以内にも反撃に転じるものと予想されている。

オロント川沿いの平原は8月と9月に行なわれた野戦の中心となった。戦線はアラウィー派(アサド大統領もこの宗教的少数派に属す)の居住区の間近へと迫った。「アス・サフィル」紙はロシア航空宇宙軍の空爆について、政府軍にとっては非常に重要であり、相手が叩かれた後の戦線でイニシアチブを取り戻すことが可能となるとの見方を示している。


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日本あるいは西側は、シリアで誰を爆撃しているか示せるか?
転載元より抜粋)
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菅官房長官は、シリアの穏健派在野勢力の陣地への空爆が、シリア情勢の今後の更なる悪化をもたらす恐れがあるとの懸念を表明した。菅長官が、なぜ、ロシア軍による空爆が開始された「IS(イスラム国)」との戦いに、かくも不安を感じるのか」、この問いを、モスクワ国際関係大学のアンドレイ・イワノフ主任研究員にぶつけてみた。

菅官房長官の慎重な発言は、次のような意味だ。もしロシア軍機が、ロシア政府が主張しているようなIS戦闘員でなく、穏健な在野勢力の陣地を攻撃するのであれば、それは困る、という事だ。

そう考えると、子供でも多くの疑問がすぐ浮かぶ。

それでは、武器を手にとって政府に反旗を翻し戦っている穏健な在野勢力とは、どんなグループか、その名を挙げることができるのか、という疑問だ。世界中に脅威を与えるテログループ№1とされている『IS』と、そうした『穏健な』在野勢力とどこが違うのだろうか?

もし『穏健な』在野勢力に、武器を使用する権利がある事を、認めるのであれば、なぜアサド大統領は、自分の権力を守るために自分の軍隊を使用してはいけないのであろうか? そうであれば、他の国の大統領、ウクライナのポロシェンコ大統領には、ウクライナ東部の反対派を殲滅するために軍隊や民族主義者を派遣する許可を、なぜ、西側は与えているのだろうか。ドンバス(南・東ウクライナ)の義勇兵は皆、元炭鉱夫でありエンジニアであり、企業家だ。彼らの妻や子供達、両親も殺されている。西側は、政府軍部隊が平和的に暮らす一般市民を殺しているとして、アサド大統領を血塗られた独裁者と呼び、彼の退陣を求め『IS』を含む公然たる暴徒集団をアサド大統領にけしかけたのではなかったのか? おまけにウクライナ軍部隊と民族主義者によるドンバスでの一般住民殺害は、文書化され、遅かれ早かれ、国際法廷に提訴され、ポロシェンコ大統領やそのほかのウクライナの指導者が人道に反する罪を犯したとして裁かれる可能性もある。一方シリアにおける一般市民や在野勢力支持派殺害については、化学兵器使用同様、在野勢力戦闘員らの仕業である事が証明されている。

アサド大統領は、西側が一つになって敵対した唯一のリーダーであり、彼は、自国の豊かな石油資源開発に西側の会社の参入を許さず、一方でロシアには許可したことで、民主主義と自由の戦士達を怒らせてしまったと考えられる。これはもちろん、厳しい罰に値する深刻な犯罪だ、というわけだ。しかしアサド氏以外にも、スロボダン・ミロシェヴィチ、サダム・フセイン、ムアマル・カダフィ、ホスニ・ムバラクといった指導者がいた。彼らの国、セルビア、イラク、リビア、エジプトは、民主主義擁護を口実に西側による直接的な軍事侵略を受けるか、カラー革命の犠牲となった。

ここで何のために彼らは罰せられたのか、という問いをいったん脇に起きたい。重要なのは別の点だからだ。西側の所謂『民主化請負人』がやってきた国々の大部分は、今やカオスが支配している。『IS』も含めたテロリストらが、跳梁跋扈し、彼らは、ユーラシアに、蛮行と中世のような処刑、イスラムの規範に関する彼らの理解と一致しない、受け入れないすべての物事、あらゆる人々を殲滅するような行為が支配する、自分達の国家を創設するという己の計画を隠していない。おまけに、こうした考えは本来のイスラムの教えとは何の共通点もない。

『IS』のリーダー達は、一度ならず、自分達の国家は、ロシアの今の領土内にも広がると述べてきた。ではロシアはどうすべきか?こうした脅威が、現実のものになり始めるのを、黙って待つべきなのか? 米国と彼らが作った有志連合に属する欧州各国が『IS』の脅威に終止符を打ってくれるのを期待するのか? 『IS』と彼らは数年、戦ってきたが、現実的には何もしなかった。サウジアラビアやカタールから『IS』に資金が流れ込むのを止めたり、トルコ領内から戦闘員が入ってくるのを阻止したり、テロリストらが占拠した油田から得られる原油を国際市場で安く売るビジネスを破壊するとか、いろいろなことができたにもかかわらずである。

この間、実際『IS』と戦っていたのは、アサド政府軍とクルド人、そしてイラン人だけだった。このことについて、アサド大統領は、西側から感謝されていない、そればかりか独裁政治を敷いているとか非難され、退陣せよと求められている。もし彼がそんなことをして、在野勢力が権力を手にしたら、シリアのみならず、続いて中央アジア全域に、『IS』であれ『穏健派』であれ関係なく、テロリストが地獄を持ってくるだろう。

そうした事からロシアは『IS』と西側が実際に戦うのを待たずに、そうしたことは起こらないだろうと考えて、一歩踏み出したのだ。今肝心なのは、西側がロシアを、少なくとも邪魔しないことだ。そうでないと、洪水のように欧州に押し寄せる難民は、数万人から数百万人に増えるだろう。そうなったら、その責任は、アサド大統領でもプーチン大統領でもなく、西側自身が再び負わなければならない。」

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