自民党幹事長・安倍晋三の背後に潜む
異様な光景の北海道巨大霊園
山岡 俊介(ジャーナリスト)
編集者の序・安倍晋三を電網検索してみると、真っ先に、以下が出てきた。
「政治家」「自由民主党(自民党)」「衆議院議員。山口県第4区。当選3回。党幹事長」「2世議員、父は故安倍晋太郎。また、母方の祖父は故岸信介。小泉政権以前は無名で政治的実績らしいものはなかった。北朝鮮の拉致事件で強硬姿勢を貫いたことで人気と知名度が上がったようである」「ふりがな:あべしんぞう」。「昭和の妖怪」の異名もあった官僚出身の利権政治屋、岸信介の閨閥である。
北海道は札幌市中心部から南方に車で約30分走ると、異様な光景に出くわす。広大な敷地に、あの
イースター島のモアイ像や、英国の巨大なストーン・サークルとソックリの巨石群が目に入るからだ。
そこは「真駒内滝野霊園」の一画。同霊園の総面積は約30万坪、3万基以上の墓石が建っており、
北海道一の規模を誇る。年間収入は、毎年新たに販売される墓石の永代供養料などで約30億円にもなる。総資産は200億円を下らない。
同霊園を経営しているのは「中央公益札幌」なる社団法人。北海道庁の管轄だ。
だが、実際には「たかをグループ」なる企業の元総帥・高橋幸雄なる人物が牛耳っているとされる。この社団法人の理事長は高橋の息子、他の理事は「たかをグループ」会社元社長など高橋人脈で占められているのだ。
この霊園の存在が全国に知られるようになったのは1995年、後に破たんする東京協和信用組合と安全信用組合という2信組の経営危機が勃発した時だった。資金繰りが厳しい2信組は、高金利と縁故でもって預金をかき集めたが、計約18億円もの預金をしていたのが「北海道社会開発公社」(1999年6月に現在名に変更)だった。
はるか離れた東京の“危ない”2信組への、公的性格の強い社団法人の不可解な巨額預金ということで、道庁議会でも問題とされ道庁は指導を行った。だが、真相は究明されなかった。
2信組問題といえば、ほどなく、その運用を巡る背任容疑で、「イー・アイ・イー」グループ元総帥・高橋治則が逮捕されるが、地元事情通は証言する。
「高橋治則は高橋幸雄を非常に慕っていた(同じ高橋姓だが親族ではない)。たかをグループ会社の役員に、治則が就いていたこともある。治則は“北海道の政商”と言われた故・ 岩澤靖の娘婿。その 岩澤が経営していた北海タイムス社の経営を高橋幸雄が引き継いだ。そういう縁から2人は知り合ったんだろう」
高橋幸雄に関する疑惑は他にもある。北海タイムス社は高橋から山崎種三(背任罪で逮捕)に経営権が譲与された後に倒産したが、その山崎が、同じく高橋から経営権を譲り受けたのが南証券(破たん)だった。山崎からさらに南証券を引き継いだ平田浩一(業務上横領で逮捕)が持ち出した約30億円の顧客預かり資産の大半が闇社会に食われたとして、いま大型経済事件に発展しているのはご存じの通り。「高橋が介入した会社は資産を食われ、皆、最後には倒産、事件化している」(前出・事情通)のだ。
そして現在、「中央公営札幌」自体にも疑惑が持ち上がっている。解説するのは、高橋の側近中の側近だった人物だ。
「高橋は道内で3つのゴルフ場を経営していた『たかを観光』、商業ビル経営の『高雄ビル』という2つのグループ中核企業を倒産させ、その負債総額は1000億円にもなる。だが、以前から個人資産はすべて他人名義にしており、差押えを免れている。そして、最後に残った“有力企業”の霊園でも違法なことをやっている。実は以前から、密かに自分の息のかかった『耽群石材』という会社を中国に設立し、向こうの安い石材を高値で霊園に買い取らせて儲けているんだ。霊園の造園工事を引き受けているのは『恵央建設』、『オータカ建設』、『石英公社』といった会社だが、いずれも高橋の息がかかっている。そして、霊園の儲けのかなりが、彼の元に落ちる仕組みになっている。こうした巨額脱税などの疑惑には国税、東京地検、さらに中国政府も注目している」
これだけでも驚きだが、この事情通はさらに爆弾発言をする。高橋は前述の破たんした「たかを観光」や「高雄ビル」の所有不動産の差押えや売却処分を逃れるため、民事再生法申請(「たかを観光」の方は和議)前後にめぼしい資産を次々とダミー会社に転売。その買取資金のかなりは、「札幌中央公益」の資金が流用されているというのだ。これが事実であれば、背任罪などの可能性も出てくるのではないか。
「具体的不動産としては千葉県小見川町と関宿町のゴルフ場建設予定地、東京都港区内の高雄ビル本社が挙げられます。それぞれ北陸銀行が150億円、180億円、48億円の巨額融資をしていたが、いずれも高橋と極めて親しい橘田幸俊なる人物の関係会社に各々わずか数億円で転売されている。しかし、これら会社は購入動機が不明だったり、買収資金を持っているとは思えない」(元側近)
この経由会社の役員を直撃した。すると、ある役員はその事実を認めた。
「まず霊園の工事資金名目で『恵央建設』に流し、そこから『ツーショー』、『六本木サテライト』というトンネル会社を経由させ、最終的に橘田の関係会社に裏から渡した。間違いない」
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あまりの政治の荒廃に失望と諦めを感じそうになりますが、ふと正気になるツイートを見ました。
「本来、政治は国民が利用する道具」であって「政治が国民を利用するものではない」というものでした。この政治という手段を諦めてはアカンのでした。
沖縄を巡り、政治を諦めない人々の確かな躍動があります。翁長知事の辺野古承認の撤回と並行して、これまで「辺野古埋め立ての賛否を問う県民投票」を求める署名を募っていましたが、30日、投票の実施に必要な人数の4倍を超える10万1千筆が集まりました。若者を中心に様々な立場の人が集まって署名を集めた会の代表は、「私たち沖縄県民が民主主義の原理に基づき、主権者としてしっかりと『民意』を明確に示すことが重要だ」と述べ、日本政府には投票実施まで工事を中止するよう強く申し入れました。
さらに目を引いたのが、全国知事会が全会一致で、日米地位協定の抜本改定を提言したという驚きのニュースでした。平成16年時点での全国の都道府県知事にとっては「外交・防衛は国の専権事項」だとして基地問題などは論外だったのです。
ところが今回初めて、米軍基地負担を沖縄県だけの問題ではなく、全国各地自らのことと認識し、日米地位協定の改定に踏み込んだ提言を採択したのです。画期的。米軍が駐留するドイツやイタリアでは、自国が基地の管理権を確保し、自国の法律を米軍に適用するなど当然の主権を行使しています。日本の異常な不平等を、ここにきてついに抗議する機運です。
沖縄が、日本を正気に戻す起爆剤になってくれたようなニュースでした。