いろいろな効能があるイラクサ
イラクサのスープの作り方
- イラクサの葉と茎にはトゲがあるので10分湯がく。茹で汁も捨てずに飲むと体にいい。
- 茹でたイラクサを冷水で冷まし、水を切って絞って、みじん切りまたはブレンダーで細かく刻む。
- 鍋に油を引き、みじん切りのニンニクを炒め、次にイラクサを炒め、水1リットルと固形スープの素を入れ強火で煮て、沸騰したら5分弱火で煮る。
- 小麦粉大さじ1杯を少量の水、または牛乳を溶いて入れ、とろみをつける。
食べる前に生クリーム、牛乳を入れてもいい。
(「パンと野いちご」281pを要約)
にゃんにゃん母さんも言ってるけど、「イラクサ」と聞いて連想するのはアンデルセンの「
白鳥の王子」だね。
白鳥にされた11人の兄王子の魔法を解くために、お姫さまが手を血だらけにしながらトゲだらけのイラクサを摘んだお話。
「白鳥の王子」の挿絵
イラクサって、どんな恐ろしい植物なんや!って想像ふくらませたよな。
でも、それを食べるなんて、思いもよらなかった。
トゲトゲで摘むのも大変なのに、それを食うという発想がスゲえ。
他に何も食べるものがなくて、しかたなくじゃない?
でも、食ってみたら意外とうまかった?
「イラクサ」はいらくさ科イラクサ属。茎と葉にトゲがあって、そこから蟻酸とヒスタミンが出ているから、イタイタ草、イライラ草から「イラクサ」になったそうだ。蕁麻疹の語源の「蕁麻」とはこの草のこと。
じんましんのじんま? 聞いただけでムズムズする。
でもね、「熱湯で10分間煮るとトゲと蟻酸は消える」ことを発見した人もエラいよ。
ノーベル賞もんだな。
食べられるだけじゃない、
いろいろな効能があることもわかっている。
セルビア方面のイラクサは正確には「セイヨウイラクサ」で、ラテン名はUrtica dioica。英語ではネトル(Nettle)と呼ばれている。
芥子の実のような種にも栄養があるし、葉っぱはビタミンCや鉄分が豊富で、干してお茶にして飲めば、花粉症などのアレルギーにも効く。(「パンと野いちご」281p)
花粉症対策のネトルティーは、日本でも売られているな。
花粉症だけじゃないよ。
リウマチ、痛風、関節炎などの炎症、さらに体の老廃物や毒素を取り除いて、血行促進もしてくれる。(
4leaves)
毒蛇に噛まれた時は、生の葉をつぶした汁をつけるといい。
すばらしい解毒剤じゃねえか!
イラクサの煎じ液は美容にもいい。顔をパックすればニキビも消え、肌を整えるし、髪につけると髪が豊かにつややかになる。(
RUSSIA BEYOND)
イラクサだけで、企業が設立できるぞ。
食料が手に入らなくなって、食料の備蓄が少しづつ減り、「食べられるものをすべて食べてしまうと、次はマカロニ、麺類、ジャム類の番になった。それがすべて底をつくと、祖母は『建物の周りに萌(ママ)えているイラクサの若葉を見つけて摘んでおいで』と言った。イラクサで、本物のホウレンソウみたいなスープを作ってくれた。」(142p)
第二次世界大戦、クロアチア独立戦争、ボスニア戦争で何度も難民になったセルビア人を救った「イラクサ」とは?